④誕生の理由【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】
愛息子タロジロへのラブレターです。
会えなくても、親子心通じ合わせる愛を全力で届けます。
子どもに会えない親や親に会えない子どもは、愛していると伝え続けてほしい。
命を絶つ前にもう一度だけ、子どもの顔を思い出して。
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7歳ジロウが「コロナで死ぬのはどんな人?」と、まじめな声色でお母ちゃんに尋ねる。
11歳タロウはおやつを口に運ぶ手を止め、「お年寄りとか?」と割って入る。
相変わらず「なんで?」とお母ちゃん。
お父ちゃんを好きなはずのジロウが答えた。
「お父ちゃんがコロナで死んだら、お母ちゃんと住めるかなって思って」
私は親として無力だ。
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スーパーで野菜を選んでいると、5歳タロウが私の服を引っ張るので振り返る。
カートに乗った2歳ジロウが、パン屋さんの可愛いクマさんパンを、ニコニコして頬張っていた。
ジロウとの日常はハプニングだらけだ。
タロウを産んだ頃の私は超完璧主義。
2歳タロウが、パン屋さんの商品を精算前に食べていたら、ジロウの時みたいに私は笑えただろうか。
興味のおもむくまま、ところかまわずテテテと小走りするのがタロウだったら、「まてまてぃ!」と鬼ごっこできただろうか。
きっとできなかった。
ジロウが第一子だったら、私は心を病んでいたかもしれない。
タロジロは親を選べなかったが、誕生の順番は兄弟で相談したらしい。
クマさんパンにかぶりつくジロウを見つけたタロウは、息をのんで目を真ん丸にする。
そして、アボカドとパプリカを選別中のお母ちゃんの服を、ピッピとつまんでジロウを指をさす。
私は大爆笑して店員さんに平謝りで精算。
店員さんも「そんなにおいしそうやった?」と大爆笑。
タロウの赤いほっぺがフワッと緩み、ニャンちゅうみたいな目になった。
タロウからはパンもお菓子もおもちゃもねだられた記憶がない。
子どもの目線に並ぶ美味しそうなパンを、ほんとは欲しいと思っていたのかな。
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タロウは私に理想的な育児をさせてくれた。
生後8ヶ月頃から意思疎通ができはじめ、1歳には四足歩行で私との会話が始まる。
タロウにはお腹にいたときの記憶が5歳頃まであり、私は神秘的なタロウの話に愛おしさが増した。
いつも穏やかで暴れることもなく、泣いてわがままを言われた経験もない。
この時期、私の子育ての「普通」はタロウだ。
タロウのおしゃべりスタートが3歳で、なにかとグズる子なら、完璧主義の当時の私は疲れ果てていたかもしれない。
タロウは3歳頃まで、私を「まどかちゃん」と呼び、まるで恋人のような日々を過ごす。
ジロウが私のお腹に宿ると、母とまだ見ぬ弟を慈しみ、私への抱っこオファーも終了させる。
ジロウが誕生してからは、みんなから愛されるジロウを誰よりも可愛がる。
ことあるごとにタロウは「ジロウ。ジロウ」とお世話をし、ジロウは「タロウ。タロウ」とまとわりつく。
タロジロは生まれる順番を選んで、私が心健やかに子育てできるようにしたんだ。
タロウは私をお母さんにさせ、ジロウはタロウをお兄ちゃんにさせるために誕生した。
ジロウを抱っこする小さなタロウを、なぜ私はもっと抱きしめてやらなかったんだろう。
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7歳ジロウも11歳タロウもお父ちゃんが大好きだ。
タロジロは大好きな人から、お母ちゃんと自由に会わせてもらえない。
3年間、泣こうが叫ぼうがタロジロの想いは伝わらない。
そして、大人は誰もタロジロの声に耳を傾けない。
タロジロは「なんで?」ばかり言うお母ちゃんに繰り返し相談する。
ある日。
お母ちゃんから珍しく答えが返ってきた。
「お父ちゃんを守ってあげて」
お母ちゃんの顔をじっと見つめていたタロジロは、困惑して目線をゆっくりと泳がせた。
私は親として無力だ。
でも大人としてきっと間違っていない。
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ーーーー⑤につづくー
④誕生の理由・FB投稿(2020.12.04記)
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番外編①≪≪・≫≫⑤
☆子どもたちに優しい世界を仲間ともに構築中!!
▼ あきらめずに信じる勇気を!!
▼【親権】の民法改正・賛同活動中☆
▼国会の院内集会でのつむぎまどかスピーチ
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