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➏ハーグ条約と矛盾

第2章【私と離婚。ときどきタロジロ

愛息子タロジロの「なんで?」回答ラブレターです。 

カシャカシャとかき乱されても、タロジロの心はタロジロのモノやからな。

親に会えない子どもや子どもに会えない親は、親の愛は深く、子はたくましいと忘れないで。 
 
信じて信じて仲間をつくれば、子に誇れる背中で人生を歩めるはず。
 
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保護者席のお母ちゃんをチラ見する12歳タロウ。 
ブカブカの制服でマスク越しに目を細める。 
 
 
入学式で息子の制服姿を初見のお母ちゃん。 
コミアゲテくる涙の意味は何だろう。 
 
 
校庭にはピンクから薄緑へ変身中の木々。
変化を恐れるなと謳っているみたい。 
 
 
 
 
大丈夫。
タロジロはちゃんと歩んでる。 
 
 
柔らかい心でウケトメロ。 
 
 
大丈夫。
私はタロジロ最愛のお母ちゃんなんだ。 
 
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「ハーグ条約って知ってますか?」
「訴えられますよ?」
「逃げてないで日本に帰ってきたらどうですか?」 
 
 
2017年11月マレーシア。
日本で相談していた警察から電話がくる。 
 
ハーグ条約なんて知らない当時の私。 
とにかく警察官の最終文言に言葉を失った。 
 
 
 
いつの間に私は相談者でなくなったんだろう。
 
 
 
通話を終えて部屋に戻ると、タロジロがリビングで仲良くオセロをしている。 
 
 
 
心がキンキンしてまた体が硬直し始めた。 
 
 
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私に架電した女性警察官にハーグ条約の知識はない。 
 
なぜなら、加盟国間でないとハーグ条約は適用されないからだ。 
 
マレーシアは2017年時点で条約締約国ではない。 
 
 
 
一方、日本は2014年に締約。 
 
条約は1980年にハーグ国際司法会議にて作成され、その34年後に日本は加盟している。
 
 
 
ところで。
 
ハーグ条約とは、国外への「子の連れ去り」に関する国際ルールだ。  
 
子の連れ去りといっても他人による誘拐ではない。
 
 
 
親による誘拐だ。 
 
 
 
近年チラホラ耳にする「チルドレンファースト」の条約ともいえるだろう。 
 
 
 
ハーグ条約では国の支援によって次の2つが可能になる。 
 
・子どもを元の居住地に戻す
・親子の面会交流を確保する 
 
対象となる子どもの年齢は16歳未満で、父母や子どもの国籍は問われない。 
 
 
 
子どもを元の居住地に戻すのは、「環境の変化」と「一方の親との分断」が子の利益に反するためだ。 
 
夫婦間の同意なく国外へ子どもを連れ出すと、場合によっては「誘拐罪」などで捕まる可能性もある。 
 
 
 
この条約を日本人の多くは知らない。
そして、おそらく理解しにくい。 
 
なぜなら、日本では「離婚後に親はひとり」がスタンダードだからだ。 


 
常識として子どもを連れ去るので、誘拐だなんてオモイモヨラナイ。
 
 
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2020年。
大阪高等裁判所から私は、監護者として不適格だとの文言をもらった。 
 
マレーシアへタロジロを連れ出し、生活環境を大きく変化させたかららしい。 
 
 
 
なるほど。
ハーグ条約の観点からみると納得できそうな気もする。 
 
ただし。
家裁も高裁もハーグ条約には一切触れていない。 
 
 
 
触れると矛盾するからだろう。 
 
 
マレーシア滞在を今も良き体験としてタロジロは受け止めている。 

会話もせずにどうやってタロジロの「利益や福祉」を高裁は判断したんだ? 
 
チルドレンファーストはどこにある?
 
  
 
さらに、私たち親子の家出は約3ヶ月間だ。 
 
夫婦不和により3ヶ月以上家を出ている親子なんてザラにいるだろう。 
 
そして、子を連れ出した親の多くは、離婚すれば単独親権者となっている。 
 
さらに、もう一方の親と我が子を断絶させたままのケースもある。 
 
ましてや、連れていかれた子どもを連れ戻そうとすると警察に通報される始末。 
 
 
 
 
ハーグ条約と真逆じゃないか。
 
 
 
 
私以上の行為をしている親が、なぜ国内なら監護者として不適格ではないのか?親権者になれるのか? 
 

私はタロジロとお父ちゃんを会わせた。 
離婚後も毎日父子が会うようにお願いもした。 
 
 
 
時代遅れの家族法を知らんぷりしたまま、グローバルスタンダードを表面だけ取り繕った歪だ。
 
 
 
歪の結果。
 
私は社会に存在しない母親となった。 
タロジロは国から親の愛を搾取された。 
 
 
 
 
子どものいる家庭なら明日は我が身だ。
 
我が子を誘拐されて生き別れる可能性がある。
我が子がタロジロのようになる可能性がある。 
 
 
 
 
私たち親子が特別なんかじゃない。 
 
日本人なら誰でもだ。
 
 
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子どもを連れて離婚し、一方の親に子どもを会わせない親は国内では年間8.4万人にも及ぶ。 
 
毎日約230人の親が子どもを連れ去るだか、パートナーを追い出すだかしている数値だ。 
 
 
 
国内での連れ去りにおいて、ハーグ条約同等の国の支援はまず受けられない。 
 
毎日400人の子どもが親と生き別れになっているのが証拠だ。
 
 
 
知らないうちにハーグ条約の対象になってしまう日本人だっているだろう。 
 
離婚すれば子どもの親がひとりになる「単独親権」を常識にしていると、犯罪者になる可能性だってある。 
 
 
 
日本の婚姻外単独親権制はシステムエラーを起こしている 。 
 
ゆえに貧困や虐待など、さまざまな社会問題を派生させているんだ。 
 
 
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子どもを想う私たち大人の力によって、システムエラーを直せるとかなりカッコイイ。 
 
子どもたちに優しい世界を、わかりやすく創造できるようなもんだ。 
 
 
  
 
私は今日も明日も伝えて歩く。
 
親子の愛を紡ぎ直してくれたお母さんお父さん。
夫婦の葛藤を振り切ってくれてありがとう。
 
 
親子の愛が親や家族や社会によって、どうか搾取されませんように。
 
 
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「4年も離れ離れなんやからそろそろ慣れようや」 
 
お母ちゃんの言葉はたまにトンデモナイ。 
 
 
トンデモナイにタロジロは猛反論。 
でもお母ちゃんもトンデモナイを猛継続。 
 
 
「タロジロはなに行動したん?」
 
 
サミシイも
アイタイも
クラシタイも 
 
言ってるだけでは変えられない叶わない。 
 
変えられるのは自分だけ。
叶えられるのは強い想い。 
 
動け!踏み出せ! 
 
 
あんたらお母ちゃんのどこみてんねん!?
 
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番外編➌につづくー 

FB編➏ハーグ条約と矛盾(2021.04.15記) 
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▼子育て改革のための共同親権プロジェクト
 賛同者ついに500人超!1000名で国会へ☆

▼意外と泣ける議員会館でのお母ちゃんスピーチ
「私は社会から存在を抹消されている母親です」

▼本当の優しさに唸るコミュニケーションサロン「田村Pのココだけの話」

▼タロジロ誕生から離れ離れになるまで約10年間の子育てエッセイ

タロジロがいつか読んでくれるといいな。


きっと大丈夫。
あなたもがんばって。

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