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「スポーツは試合に出てなんぼでしょ!」この言葉の意味を教えてくれた5人の選手たち

世界中の子どもたちをワクワクさせる!
メンタルプロコーチの津村柾広(つむちゃん)です👍

「高校野球のチームなのに、100人以上の選手がいるのはどうしてですか?」
以前、こんな質問を受けたことがあります。
質問した人は、ヨーロッパでジュニア向けのサッカーコーチをしていました。

「100人以上の選手がいれば、競争が活発になり切磋琢磨するチーム文化が
生まれる。その結果、個人スキルが上がりチーム力が向上するからだと思う」
と私は答えました。

「確かにチームは強くなるかもしれないけれど、競争に勝ち残れなかった選手は
どうなるのですか?3年間、声出し係で終わる子もいるのではないですか?」

「・・・そのとおりですね・・・」私はしばし黙り込んでしまいました。

ヨーロッパのサッカークラブチームでは、所属できる選手の人数制限があるらしくそれは、選手の囲い込みや飼い殺し状態を避けるための意味もあるそうです。

「スポーツは試合に出てなんぼでしょ!」とその人は力説を続けました。

クラブチームにはそれぞれセレクションがあって、
それに合格した選手が登録になる。
登録になった選手は、試合に出場する機会が保証される。
つまり、3年間声出しだけの選手なんて、そもそも存在しないのです。

それでは、セレクションに落ちた選手はどうなるのか?
セレクションに落ちた選手は違うクラブチームのセレクションを
受けるのだそうです。
もし合格できなければ、また別なチームのセレクションを受ける。
とにかく出場機会があるチームを探し、そのチームでサッカーをします。

「スポーツは試合に出てなんぼ!
野球はベンチメンバー20人なのに100人抱える根拠は?」

いや〜本当に困った質問をする人ですよね〜
学生スポーツ界の暗部をえぐってくる・・・。

この際だから、正直に言おうと思います。
確かに一つのチームに100人の選手はいりません。
プロ野球でも登録は70人までです。

100人も抱えてしまうと、プロチーム並みに育成スタッフが必要になるでしょう。しかも、高校生なら3年間しかプレーするチャンスはありません。
育成にも限界があります。
結果、3軍とか4軍とか5軍という集団が出来上がってしまうわけです。


先日、青森県高校野球の春のリーグ戦が行われました。
この大会は春季大会のシード校を決めるちゃんとした公式戦です。
私が観戦したのは、聖愛高校vs柏木農業高校の試合。

試合開始前、ホームベースを挟んで両チームが向き合い
「お願いします!」の挨拶。と、よく見ると、
柏木農業のメンバーの中に聖愛のユニフォームを着た選手が!

合計11人の選手のうち柏木農業の選手が6人、聖愛の選手が5人いました。

この混合チームは、選手が足りないチームへの救済措置として実施されました。
最近は選手が足りないチーム同士が一緒になって連合チームを作ります。
今回は柏木農業と連合するチームが見つからず、
選手のレンタル制を試したそうです。

聖愛高校の選手は新1年生を入れて、およそ60人ぐらいです。
柏木農業の選手としてプレーしたい選手を募集したところ、
5人が手をあげました。

5人とも、聖愛のベンチメンバーやリザーブメンバーから外れている選手でした。中には最後の夏を控える3年生も含まれています。
おそらく、他の3年生と一緒に最後の夏を戦いたいという思いはあったでしょう。しかしその一方で、もっと試合に出たい!野球がしたい!
という思いもあったはずです。

葛藤の末、その3年生は、柏木農業の選手としてプレーすることを決めました。
聖愛の監督、コーチ、選手はみんな、5人の選択に同意しました。
5人は、毎週土曜と日曜、柏木農業のグラウンドで練習しているそうです。

聖愛vs柏木農業の一戦は、観ていてワクワクする試合になりました。
大袈裟かもしれませんが、勝ち負けを超えた新しい価値が
生まれた試合かもしれません。

観戦していた私たちは、純粋に一つ一つのプレーに拍手をおくりました。
特に、出場機会に恵まれなかった5人の選手たちの躍動した姿が印象的でした。
やっぱり、野球選手は野球をすることが大好きなのです!

「スポーツは試合に出てなんぼでしょ!」
この言葉を聖愛のレンタル選手5人が証明してみせました。

選手が足りないチームと、出場機会に恵まれない選手のマッチング。
この小さな試みが、高校野球界に革命をもたらすかもしれません。

ちなみに、今年の夏の大会も、聖愛の5人は柏木農業の選手として戦います。
最高に楽しくて熱い夏になりますように👍


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