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「たいやきくんは転生モノの走りなのでは……?」の話

むぁいにちむぁいにちぼくらはてっぱんのぉ〜
うえでやかれていやになっちゃうよぉ〜♫


言わずとしれた名曲

「およげ!たいやきくん」

(これは新しいバージョン)

子供の頃からずっと思ってたけど……
改めて聞いて思う。

く、暗いな……
コレ……
子供向けの番組の曲じゃなくない?


もう一つ思ってた事があるんだ。 


たいやきくん……
生まれ変わってない?





白い粉と何らかの液体、その他と混ぜ合わせられ
その後、熱々の鉄板の上に流し込まれ
己の腹部にあんこが乗せられる。

そして……
無情にも鉄板の蓋は閉められるのであろう。

その都度都度の未分化(?)なたいやきくんの心情は
いかばかりか。

暗く狭く熱い鉄板の中。


うる星やつらの面堂終太郎なら発狂していようと言うものだ。


こんがり美味しそうに焼かれて……
たいやきくん爆誕。

で、いつものおじいちゃんとお孫ちゃんがやってくる。

「たいやきくださーい」
「はいよ、ふたつで200円だよ」

公園に座るおじいちゃんとお孫ちゃん。



「ほうら、熱いからな。ゆっくりお食べ」
「は~い!あーん……モグモグ、あつっ!」

そんな感じで……
お口いっぱいに放りこまれたたいやきくんの一部。

ゆっくりと噛み砕かれ
喉を通り体内の奥深くへと誘われるのだ。

(せめて……せめて、お孫さんの方が良かった……)


そんな風に思う日もあったろう。


これが……
たいやきくんの一日。
いや、一生。

ところが。
これで、たいやきくんは終わらねえ!

次の日も。
そのまた次の日も。

繰り返し焼かれて……
イヤになっている。


幼いつくねは思った。

(たいやきくん……生まれ変わっとる!?)

体は儚くなったとしても……
前世の記憶、前前世の記憶、前前前世の記憶がある。

魂があるとしか思えない。

全部……
宇宙でつながってる、ってヤツなん?

これは……
壮大なスケールの物語やで……

古いバージョンも久しぶりに見てみた。


お……
おじさん、性格悪そうです!

あー……こりゃ完全にアレだな。

終わりなどない永遠に繰り返される日々に
嫌気がさしていた……
恐らくそれは、そうなのだろう。

その上。
おじさんのあの顔だ。


古い粉とか使って暴利を貪ってたんかも……
だから口論になったんかも……
経営方針を巡って……

今まで何も疑問に思ってなかった日々。
葛藤は少しずつたいやきくんを蝕んでいった。

心まで焼かれる訳にはいかない!

そして……
たいやきくんは思い出した。
あの記憶を。

28回目の転生の時に
たいやきくんBと話していたあの夢を。


「オレ、今回は海に出て冒険しようと思う」
「え……Bくん、何で?」
「オマエ……今の人生で本当に満足してるのか?」
「うん……まあ、たいやきに生まれたらこんなものかなって」
「オレは……外の世界をみてみたい」
「外は……危険がいっぱいだからダメだって、おじさんがいつも言ってる」
「そんなの……家畜と一緒じゃないかっ!」
「!!!!!」


Bくんはそう言うと、ある朝店を飛び出した。


「Bくん……」

「あー、バカだな」
「ここにいりゃ、そこそこ幸せに暮らせんのに」
「今ごろサメにでも食われてんじゃね?」
「うわ〜」

「やめろよ!」


そんで、たいやきくんは海へと旅立つ。
海は広くて、とても楽しい。
サメにいじめられるけど、さすがたいやきくん。
逃げ足も速いぜ?


で、3番のオチ。
釣りしてるおじさんに結局食べられるんだ。


つくね46歳にして初めて聞いてビックリ。

そんでまた、おじさんトコから始まるんじゃろ?
Re:ゼロから始まる同世界生活なんじゃろ?

おわわ……
こ、こわい……
 
やべっ!
モヤモヤしたまんま、終わっちまうっ!

えーと……
えーと……


こんな人が店のおじさんならいい!



こんな人が店のおじさんなら何回だって転生する!!



終わり良ければ全て良しイッ!!

(ふー……)



 


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