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知らない公園

今日は午前中で授業が終わった。私は午後からの作業をさっさと片付けて電車に乗り込んだ。そして友達とひとしきりくだらない話をして駅に降り立つ。

何をしよう。とりあえずこんな天気のいい日に家でゴロゴロなんて似合わない。駅が同じ友達はインドア派なので家でYouTube見るらしい。そういえばよく喋ることが多い友達の家がどこかがわからないに気づいた。
「暇だからついて行っていい?」
少し悩む素振りを見せて「途中までなら」とOKをもらえた。

住宅街を縫うように歩く。「迷路みたいでしょ」と言ってきた。
「小学校の頃ここで隠れんぼしてなかなか帰れなかったんだよね。」
高いものがない上、目印となる特徴的な建物がないので確かに迷いそうだ。

10分ほど歩くと開けた三叉路に出た。ほら、と指差した方を見ると、公園があった。特に面白そうな遊具もない、ただの公園。
「ここで待ってて」と言って友達は帰って行った。

公園には大学生二人組がいた。開けたところにポールぐらいの太さで、足くらいの長さの木の棒を並んでいた。そこにちょっと長めの木の棒を投げている。
ゲートボールみたいでなんか違う、よくわかんない謎の遊び。
「3、5ぐらいなら勝ちだー」とか「7の前に5置く」みたいなことを言っている。
よく見たら並ばれた木の切り口に数字が書いてあった。
私はめちゃくちゃ熱狂的にやっている謎の遊びの様子を見つつ、滑り台へと向かった。

滑り台の階段部分に腰掛け、バッグを頂上の台へ置いた。友達も準備があるだろう。少しiPadで暇つぶしを、と思ったが大人になってこういう経験はしないだろうなーと思い、今、noteを書いている。

今、平日の昼間っから知らない公園で陽の光を浴びながら、しかも制服でnoteを書くということはすごく背徳感を感じる。帰宅中の小学生がちらりとこちらを見てくる。

思い出の場所、というものがないから、もしかしてここを大人になってきたら懐かしいって感じるのかな、と思った。1回しか行っていない知らない公園でも一種のノスタルジーを感じるのだろう。

さて、かれこれ1時間経つが、友達は来ない。メールを見たら、ごめんやっぱ面倒いから行かないわ、とあった。
なので帰ります。バイバイ。


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