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ショートショート。のようなもの#23『お花屋のお姉さん』

 ぼくは、毎朝通学路にあるお花屋さんの前を通るときだけ少し歩くのが遅くなる。

 たくさんのお花に囲まれながらお仕事をしているきれいなお姉さんがいるからだ。

 ぼくは、いつも見とれてしまう。

 少しでも長く見ていたいぼくは、集団登校の群れから遅れながらお姉さんの姿が見えなくなるまでがんばって何度も何度も見ている。

 たくさんのお花に囲まれながら凛とした姿でじーっと前だけを見ているお姉さんはとてもきれいだから。

 でも、帰り道はお姉さんのお顔を見ることができないからいつも寂しい。

 何度見ても、たくさんのお花に囲まれているお姉さんの顔は夕方には萎んでいるのです。

                 ~Fin~

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