言わないとね、何も伝わらないのよ
【登場人物】
主任君:30代前半男性。
私:アラフィフの『優しい』お局様。
課長:アラカンのおっさん。いろいろと雑。
きっかけ
とある日、主任君がリターンキーを「ッターン!」とやってる。
はぁ……まーたはじまったよ。彼は不機嫌になると、すぐに大きな物音を立てる。まったく、子供かっての。
本当にこういう人って面倒くさいけど、このまま放っておいて仕事に影響されたらこっちが迷惑するのよね。私は仕方なく声をかけた。
主任君との会話
私「……なんかあったの?」
主任君「ほんと課長ムカつくんすよ!!(バンと机を叩く)自分は何もしないくせに、俺にばっかり理不尽なこと要求しやがって!!」
聞けば課長から振られてくる指示が相変わらず雑すぎて、要領を得ないらしい。わからない部分を確認のために聞き返した所、「そんなこともわからないのか」と鼻で笑われたという。
私「……あのさ、最初に言っておくけどね。周囲の人やモノに八つ当たりして不機嫌アピールとか、一番最悪。それは子供のやることでしょうよ」
主任君「あ……すみません……」
私「それに主任君てさ、課長から理不尽なこと言われても黙るだけで、全然突っ込まないじゃん。課長のこと、怖いの?」
主任君「怖くなんかないです! けど……うーん、なんだろ。いちいち言い返したり訂正させるのが、面倒くさくなっちゃうんすよね」
それっていわゆる自業自得ってやつ
私「ふーん。じゃあ今の状態は、主任君が面倒くさがった事が積み重なった結果じゃん。それなら受け入れるしかないね」
主任君「えっ? どういうことです?」
私「どうもこうも、そういうことですよ。私も相当のズボラで面倒くさがりだけど、そういう所は絶対譲らないよ。課長の発言が間違ってたらこまめに訂正してるもん。その積み重ねが、現在の私と課長の関係なの」
主任君「月岡さんは課長にナメられてない感じですよね。なんか丁寧に扱われてる感じ。でもそれって、年齢近いからってのもあるんじゃないですか?」
私「仕事に年齢なんか関係あるかいw」
相手との関係性を操作する
私「課長が私に何か依頼する際は、必要なものを全部揃えた上で必ず丁寧に依頼するでしょ? これは『必要なものが揃わないと動けません』といちいち面倒くさがらずに『対話』(「説教」とも言うw)し続けた結果なのよ」
主任君「はぁ……でもそれやると課長、不機嫌になるじゃないっすか。すぐ顔に出るっていうか」
私「そうなったら『その態度は不快です』と伝えればいいでしょ」
主任君「うーん。それってかなり勇気がいりますよね?」
私「まあね。でもこの先何年もイライラさせられる方がよっぽど嫌でしょ? そしてこれは課長が改心したわけではなくてね。私の積極的な自己開示を通じて課長は『月岡への対応』を学習したのよ。だから主任君も面倒くさがらず、もっと課長に『主任君への対応』を学習させなさい」
主任君「はぁ。なんか月岡さんって強いですよね」
私「何を言う。私は強くなんかないぞ。弱くないだけだ」
主任君「いやほら、そういうところ……」
私「だまらっしゃい」
目の前にいる人を大切にする、ってどうやればいいと思う?
相手に伝えない不満なんて、この世に存在してないのと同じ。そして存在しない問題を解決することは絶対にできない。
そもそも自分じゃ何も言わないくせに、自分の不機嫌だけを察してもらおうなんて、かなり傲慢だと思うのですよ。でもそういう人って驚くほど多かったりする。
横着せず、自分の気持ちや要望を、相手にきちんと伝えられる人間でありたいよね。相手とその関係性が大切だからこそ、そこは横着しちゃだめだと思うのよ。
そうやってお互いに気持ちよく過ごせる環境を構築するように努力する。これが『目の前にいる人を大切にする』やりかたのひとつなんじゃないかなー、と思う今日このごろです。
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