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【分かりやすい資料の作り方】15_[表]表の目的と軸の決め方

『分かりやすい資料の作り方 ~構造化のススメ~(基本編)』全19話の記事で構成しています。
最初の記事に全体概要とこれまでに掲載した記事のインデックスを記載していますので、ご興味を持って頂けましたら、こちらからご覧ください。

今回からは、新しい章として「表の書き方」についてお話していきます。

目次

ビジネスシーンの文書において、表(マトリクス)による情報整理は非常に重宝されます。
表は情報を構造化して表現するうえで、最も基本的かつ重要な表現です。

表を制するものはビジネス資料を制する、と言っても過言ではありません。

それほどビジネスシーンの資料作成において、表は重要なツールです。

ところが、その表を皆が適切に使いこなせているかというと、残念ながらそうではありません。

今でも日常の仕事場で、分かりにくい表が書かれた資料を見ることは良くあります。

かくゆう私も、若いころは表による整理が全くと言っていいほど出来ませんでした。(そもそも、情報を表で整理しようという発想や習慣すらありませんでした。)

本章では、意外と意識してこなかった表の書き方や表を書くうえでの重要なセオリーについて解説していきますので、是非身に付けて頂きたいと思います。

1.表を書く目的

ビジネスシーンにおいて表を書く主要な目的は「全体像を示すこと」「構成要素の相互の関係性を示すこと」です。

情報の構造整理は、MECEな横軸縦軸で情報を並べることで、重複なく抜け漏れない形に整理し、誰にとっても理解しやすくすることです。

表は、落とし込む整理の過程で抜け漏れや冗長な箇所を炙り出すチェックツールともなります。

「全体像を示すこと」は、具体例で言うと

 〇 業務プロセスの全体像整理
 〇 議論内容、アイデアの全体像整理
 〇 スケジュール、実施工程の全体像整理

などがそれにあたります。
仕事の全体像を構造的に(MECEに)整理する目的です。

また、「構成要素の相互の関係性を示すこと」は

 〇 アイデアの比較
 〇 競合製品と自社製品の比較 

などがあげられ、関係性を示す対象は様々です。

お客様への提案、社内の稟議など、あらゆるビジネスの現場は情報に基づいた判断・意思決定の連続で成り立っています。
そのため、表による情報の「全体整理」と「関係性整理」のスキルはビジネスにおいて欠かせないものとなります。


2. 横軸・縦軸の決め方


表の横軸に何の情報を並べるのか?縦軸には何の情報を並べるのか?
横軸・縦軸の決め方は、表作成の成否を分けるほど重要な要素です。

ところが、この一番重要な部分がうまくいかず、分かりにくい表となってしまうケースが良くあると思います。

この縦軸・横軸の決め方にも一定のセオリーが存在しますので、覚えておくと役立ちます。

例えば、前述のスケジュール・実施工程を整理する場合は

 「横軸は時の流れ」
 「縦軸は実施項目や実施主体」

を設定するのが基本となります。

また、比較分析のための情報を整理する場合は、

 「横軸は比較したい対象」(製品A、製品B・・・)
 「縦軸は比較検討したい観点や項目」(値段、品質、販売実績・・・)

を設定するのが基本です。

この2つは最も基本的なパターンであり、覚えておくと迷わないので役に立つと思います。

その他の表の時にも、「目的に即して、横軸縦軸に書くものの定義を明確にすること」が重要です。

同じ軸に書かれるものが、必ずApple to Apple(同一条件・定義に当てはまるもの)である必要があります。

悪い例としては、縦軸に実施工程が書かれるはずが、途中で実施主体が書かれているようなケースです。

これを防ぐために、始めに決めた軸の定義を意識して一貫して書いていくことが必要です。
はじめの内は「この軸には何が書かれているのか」を書いて明示することをお勧めします。

01スケジュール


02比較表


横軸縦軸について、もう1つ留意頂きたい点があります。

それは、資料の途中で横軸縦軸が逆転しないことです。

例えば、1ページ目の表では横軸に実施工程が並んでいて、2ページ目の表では縦軸に実施工程が並んでいる、というような状態です。
こうしてしまうと、読み手は1ページ目で理解した横軸と縦軸の関係を、頭の中で変換する必要が出てきてしまいます。

(07_[原則3]自分のルールを守り抜くでもお伝えしました。)

横軸・縦軸の並びが複数の表で一貫していると、読み手としてはストレスが無い分かりやすい資料となります。

03軸の一貫性


今回は表を書くうえで最も重要な軸の決め方についてお話しました。

次回は、表をより分かりやすくするために、色分けや線や文字の太さに着目した表現方法についてお話していきます。

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