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【分かりやすい資料の作り方】14_[図]図の仕上げ方

『分かりやすい資料の作り方 ~構造化のススメ~(基本編)』全19話の記事で構成しています。
最初の記事に全体概要とこれまでに掲載した記事のインデックスを記載していますので、ご興味を持って頂けましたら、こちらからご覧ください。

今回は作成した図をより分かりやすくするための仕上げ方として、細かいポイントを紹介します。

補足的な内容とはなりますが、図の分かりやすさに大きな影響を与えますので、是非意識してほしいポイントです。

今回ご紹介するポイントは「輪郭線と塗りつぶし」「絵に添えるテキスト」「凡例の書き方」の3点です。

1.輪郭線と塗りつぶし

図の中でオブジェクト(何等かの図形)を描く際に、輪郭線を付けるか付けないかで迷ったことは無いでしょうか?

図の分かりやすさという意味では、これにも一定のルールをもって描いていくことが望ましいです。

輪郭線はオブジェクトとその周りの領域との境界線であり、オブジェクトと周囲の物との境目を明確にすることに役立ちます。
簡単に言うと、そのオブジェクトが"際立つ"ということです。

パワーポイントのデフォルトの設定でオブジェクトを描くと、大抵輪郭線がある状態で描かれることが多いと思います。

しかし、全てのオブジェクトにハッキリとした輪郭線があると、全体的にゴチャゴチャしてしまい分かりづらくなります。

図として"情報過多"の状態です。

逆に、図の全てに輪郭線を無くしてしまうと、全体的にボヤけた印象となってしまい、これもまた何処に着目したら良いか分からなくなってしまいます。

また、輪郭線無しを多用する場合、白黒で表現できる範囲が少なくなり、多くの色を使わざるを得なくなるデメリットもあります。

ここでは、例えば図の中で役割を果たす登場人物や主要なシステム等、存在を明示したいものにしぼって輪郭線を付ける、といった工夫が効果的になります。

01輪郭線と塗りつぶし(1)

また、枠線のゴチャゴチャ感が気になる場合は「線を細くする」または「薄い色(グレーなど)にする」という方法も有効です。

描いてみて少し線が気になるような場合は線の太さや色の濃さに着目してみてください。

このようにすることで、強調したい部分と背景との視認性が上がりました。

線と色に関連して、もう1点、重要なポイントがあります。

強調する際の方法です。

特定のポイントや範囲を強調するために、線で囲ったり色でハイライトをかけたりすることがあると思います。

その際、やみくもに「ハイライト」をかけたり「線で囲う」を多用しすぎたりすると、見づらくなる原因になってしまいます。

ここでも一定のルールに基づいた使い分けが重要です。

ここでの例では、

ピンポイントで特定のオブジェクトに注目させたい場合等は「線で囲う」
特定の範囲に注目を集めたい場合は「その範囲に枠線無しの色でハイライトをかける」

というルールにして記載していきます。

02輪郭線と塗りつぶし(2)

枠線無しの色塗りは特定の広い範囲を指定するのに有効な表現です。

2.図に添えるテキストの書き方

次のポイントは図のオブジェクトに添える補足説明のテキストの書き方です。

補足説明のテキストとは、例えば人物のアイコンに添える「お客さま」「接客スタッフ」といったテキストだったり、矢印のアクションを説明する「オーダー入力」「オーダー伝票出力」といったテキストです。

これらを記載する際には、「テキストの位置」と「サイズ」について一定のルールを設けて統一するように意識してください。

スペースの問題などから、テキストをアイコンや記号の様々な方向に付記している資料を見かけることがあります。

こうすると付記しているテキストが何を指しているのかが不明確な部分などが出てくることがあり、読み手にとっては不親切です。

こちらの右の図例では、

アイコンの説明は直下に配置
横向きの矢印の説明は真上に配置
縦向きの矢印の説明は右に配置

というルールに統一して描いています。

このように一定のルールを守って記載することで、統一感と分かりやすさが生まれます。

多少スペースに問題があっても、このルールは犠牲にせずに守り抜いて描くことをお勧めします。

03図に添えるテキストの書き方

3.凡例の書き方

3つ目のポイントは凡例についてです。
図の中で使用する記号や色の意味などについて、補足した方が良いものについては凡例を付けておくと親切です。

今まで自分で描く過程で作ってきたルールの一部を公開するようなイメージです。

ハンバーガーショップの絵で言うと、

白い太い矢印:コミュニケーション
グレーの太い矢印:モノに対する操作
グレーの点線矢印:システムの動作
黄色のハイライト:店舗関係者意外の立ち入り禁止エリア

といった具合です。
 
凡例は【凡例】と書いて枠線付の四角で囲い、図の右肩など邪魔にならないところに寄せておきましょう。 

04凡例の書き方


これで分かりやすい図の描き方の章は終わりです。
次回からは、ビジネス文書において非常に重要となる「分かりやすい表の書き方」を紹介していきます。

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