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【分かりやすい資料の作り方】13_[図]色と形の意味

『分かりやすい資料の作り方 ~構造化のススメ~(基本編)』全19話の記事で構成しています。
最初の記事に全体概要とこれまでに掲載した記事のインデックスを記載していますので、ご興味を持って頂けましたら、こちらからご覧ください。

今回も前回に引き続き、分かりやすい図の描き方についてお話していきます。

前回はオブジェクトを構造的に配置するところまでご紹介してきました。
これだけでも随分分かりやすい図になりましたが、ここから更に工夫を加えて、視覚的により分かりやすい図を仕上げていければと思います。

前回作成した図はこちらです。

01前回作成した図


1.色に意味を持たせる

オブジェクトの配置を構造化した後は、「色と形」について考えてみましょう。

図の中には、オブジェクトとして「人」「システム」「商品」など様々なものを表すアイコンや、「注文」「入力/出力」「調理」などのアクションを表す矢印などの記号が配置されています。

このアイコンや記号の色や形について、一定の意味性を持たせて描くことで、視覚的な分かりやすさがグッと増します。

まずは人物のアイコンに着目してみましょう。

図の中には「お客さま」「接客スタッフ」「調理スタッフ」の3種類の人物が登場します。

現状は3種類の人物とも同じ色、形で描かれていますが、これらを色を形で明示的に分類することで、視覚的に"性質が異なるものだ"という事を伝えやすくします

ここの例では、以下の色分けのルールを設定して描いていきます。

<色の意味のルール>
 お客様は緑色の服装
 接客スタッフは赤色の服装
 調理スタッフは白色の服装

02色の意味

ちなみに、この人物の種類を(例えば被り物の形などで)形で分類することも可能ですが、色分けで十分に"性質が異なること"が視認できるため、ここでは色の変更のみに留めておきます。

更に形を変えたりするなどをすると、今度は情報が過多になり、かえって意図が伝わりにくいものとなってしまうためです。

色や形に意味性を持たせる際には「無意味に色や形を増やし過ぎない」ことが重要です。
基本的には色は3色以内に収める方が良いと思います。


2.形に意味を持たせる

次に矢印の記号に着目します。
現状は、矢印の太さの違いこそあるものの一色で描かれおり、特に意味性のある描き分けは出来ていません。

まず、人物と同様に矢印で描かれているアクションを分類します。

「注文」は"人物間での言葉でのコミュニケーション"、「オーダー入力」や「調理」は"人物によるモノ(システムや食べ物)に対する動作"、「オーダー伝票出力」は"システムによる自動的な動作"といった具合です。

分類が出来たら、それぞれにルールを定義していきます。

<形の意味のルール>
 人物間でのコミュニケ―ションを表す矢印は黒枠の太い白矢印、
 人物によるモノに対する動作は太いグレーの矢印、
 システムによる自動的な動作は細いグレーの点線矢印、

こうすることで、矢印に意味性が加わり、読み手は直観的に何が起こっているかを感じ取りやすくなりました。

形に関する補足ですが、むやみに立体表現や陰影を使うことはお勧めしません。(明確な意味性がある場合はOKです)
ここではシステムが立体表現になっていますが、平面でシンプルな表現に変えておきましょう。

03形の意味

これで図に色と形に意味性が加わり、視覚的な分かりやすさが改善されました。

分かりやすい図を描くための重要なポイントは以上ですが、次回は補足としてより分かりやすくするための細かいポイントを紹介します。

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