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建築家のマネタイズポイントは「設計」ではない!?

最近はお陰様で、本業の建築家としての仕事が忙しくなってきている。もちろん嬉しい悩みではあるのだが、これがなかなか疲弊する。

建築家の仕事というのは、いろんな脳みそを使う。アイディアを捻り出す右脳的な作業をしながら、安全性、施工性、予算調整、法律や構造などの多岐にわたる懸念事項を効率的に処理する左脳的な作業をする。そこに作図能力や現場やクライアントとの高いコミュニケーション能力も求められる。さらに、業界内には、コンペ(無償)という悪き習慣も根深く残っている。1ヶ月フルで作業しても負けたらゼロ。でも本気でやらないと勝てないから、結果フルスイング。というジレンマ。

つくづく大変な仕事だと思う。そして、そんなにお金にもならない。(今回はここが1番のポイント。)

そんな状況の中、いかに建築家としてサバイブしていくか、持続可能な仕事として成立させられるかを考えていた。普通に続けていても、業界のシステム上のバグが残る中続けていても、ただただ疲弊していくだけだと思う。あとは、「建築が好き」とか「建築には価値がある」などのロマンティックな精神論によってなんとかモチベーションを支えていくしかない。しかし本当にそれでいいのだろうか?

僕だって、ロマンティックな気持ちになる時、時期もある。しかし38歳になった僕はずっとロマンティックではいられない。家族もいるし、冷静にならないといけない時だってある。

そこで改めて思ったのが、
建築家の理想的なマネタイズポイントは「設計」ではない。むしろ、設計以外の方法にした方が、結果として、建築家として持続可能な状態になるのではないだろうか。

実際に最近では、設計事務所を主宰しながら、パン屋をやったり、ゲストハウスを運営したり、賃貸マンションのオーナーになったり、アウトドアブランドをやったり、いろんな建築家で出てきている。(僕もその内のひとり。)

このアイディアはあくまで、僕みたいな「個」としての建築家のサバイブ方法であって、組織としてや、組織に所属する建築家に当てはまるのものではないということは理解してもらいたい。業界全体を変えよう。なんて大それたことは1mmも考えていない。そんな能力もないし、気概もない。建築家として独立して、活動している人に向けての話だ。

では、なぜ設計以外のマネタイズポイントを作ることが大切なのか。それ前述したように、設計料だけでは、業界全体にバグが残り続ける以上、やはり限界があるし、疲弊し続けるだけだからだ。建築は大好きだし続けていたい。けど背に腹は変えられない。これは個人の問題というより、業界全体の問題と言えるかもしれない。

一方で、副業みたいなことなんてしないで、建築家としての業務の無駄や不必要な業界の慣習などを排除して、最大限効率化する。そうして、設計業務としての成果を高めるようにすればいいじゃないか。という話もわかる。

けれど、それも業界のバグが残り続ける中では、やはり限界があるように思う。

であれば、外の世界に向かうしかない。幸いにも建築家としての職能は割と転用が聞く。さらに現代においてマネタイズする方法は多くある。SNSを活用するのもいいだろう。自分で空間を設計して、お店や宿などを運営してもいい。僕がこうしてnoteを書いているのも、5年後くらいには多少なりともマネタイズに繋がると信じて続けている。

僕なりに意識しているのは、いきなりマネタイズすることは考えないことだ。5年くらいかけてようやくマネタイズできることをイメージしている。

何を始めるにせよ、1年後にいきなりマネタイズしようするとかなり大変だ。それなりのリスク取らないといけないだろうし、一つのビジネスを形にするためには、時間も多く取られると思う。設計の仕事が疎かになっては本末転倒だ。

だから今できる範囲ですこしずつ積み重ねていく。大切なのは継続できるように中・長期的な視野を持ち続けること。昨年始めたアウトドアブランド「we know enough<」もそういった時間軸で動いている。(幸いにも、もうすぐマネタイズ出来そうだ。)

そして、もうひとつ大切なことが、
こうした、設計以外の活動はマネタイズポイントとしてだけでなく、社会的な認知を広げるソーシャルアクセスポイント(勝手に名付けてみた。)にもなるという点だ。建築家としての活動は、建築業界内にしかアクセスできない。認知が広がらない。しかし、別の業界や場所の活動は、ある意味無限に広がっていくことができる。

もしかしたら僕はアウトドアブランド[we know enough<]のオーナーとしてバスるかもしれない。その先に「へぇー、この人は建築家もやってるんだ。面白い。建築も素敵じゃん。○○もお願いできるかも。」といった具合に、認知を広げ、設計の仕事につなげることが出来る。

どの肩書きが最初に来るかなんて、大した話ではない。出会った相手、知ってくれた相手が好きに決めくれればいい。実際にどれも本業だし、どれも複業なわけだ。

建築家としてプライドはないのか?そのプライドで飯が食べていけるなら、大切にしてる。けれど実際は逆だった。建築家のプライドなんてただの足枷にしかならない。丁寧に丸めて、図面ケースにでも仕舞っておくことをおすすめする。

というわけで、「大好きな建築」を続けていくためにも、個の建築家としてサバイブしていく方法として、設計以外にマネタイズポイント、ソーシャルアクセスポイントを分散する大切さについてまとめてみました。

あくまで僕の個人的な意見なので、悪しからず。


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