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二拠点生活までの道のり。その1 _ イタリアからの学び

二拠点生活を始めて早6年以上が経過する。構想は約12年前から始まっていた。2010年にイタリアでのデザイン留学から帰国して、実家がある浜松の田舎で半年程、就職活動をしながらのんびりと過ごしている時だった。イタリアでは1年半ほどの短い留学期間ではあったが、デザイン以外にも、生活に対する考え方に強い影響を受けていた。

最近ではコロナ以降の社会変化として、地方移住や二拠点生活に関心がある人が増えてきていると思う。それは建築家・デザイナーの世界でも同様のはずだ。そこで今回から数回に分けて、一実践者として、二拠点生活までの道のりや実際の暮らしぶりについてまとめていきたいと思う。


イタリアからの学び

まず、二拠点生活を思い描くきっかけとなった、イタリアでの暮らしについて触れてみたい。

個人的にはイタリアでの生活はすごく快適だった。人によっては受けつけない人もいるかもしれないが、僕にはイタリア特有の雑さ、適当さが心地よかった。バスや電車(トラム)は平気で遅れて、月に何度もストライキで動かなくなる。イタリア語でストライキは「ショーペロ」と呼ばれていて、「あー、またショーペロネね。仕方ない。歩いて行くか。」といった感じだ。「ショーペロ」という響きが可愛い分憎むに憎めない。

カフェやレストランの店員さんも基本無愛想だったけど、出てくるコーヒーやピザは最高に美味かった。それで十分だったし、必要以上に人に媚びない本質的な感じも気持ちよかった。

夏休みも1ヶ月近く休み、様々なサービスも停滞する。バカンスシーズン後に日焼けをしていないものなら、どうしたの?バカンスにいけなけなったの?と心配される始末。それがイタリアだった。バカンスのために生きている。そんな陽気な国だった。

一方でそんなイタリアだけど、家具やファッション分野などでは超一流ブランドを抱えている。暮らしにおいてはゆるく、適当な部分も多いけど、仕事の面においては、きちんと一流のクオリティを保ち、結果を出している(部分がある)ことが、僕にはカッコよく見えた。

そんなイタリアでの留学生活は、人への寛容さや心の豊かさを感じながら、デザインだけでなく、”暮らしの楽しみ方” を一番学べた気がする。


帰国後の変化

イタリアに留学する前は、18歳で上京し都内の大学に通い、卒業後はデザイン事務所に就職し、25歳くらいまでは東京ライフを積極的に楽しんでいた。田舎から出てきた僕にとってはそれはそれで刺激的な部分を含めて楽しかった。しかしイタリアからの帰国後、自分の中で何かが変わっていた。東京のキラキラしたライフスタイルに魅力を感じなくなっていた。イタリアで感じた、暮らしの本質的な豊かさや寛容さは東京にはない気がした。

そんなことをぼんやり考えながらも、とりあえずは自分のキャリア形成のために、一旦東京での就職先を探してつつ、将来は東京と浜松を行き来する二拠点生活を目指そう。と構想し始めていた。それが2010年の春ごろだった。


二拠点の理由

なぜ二拠点なのか。東京に魅力を感じないのであれば地方暮らしだけにすればいいじゃないか。そう思う方もいるかもしれない。理由はいくつかある。

地方の暮らしには、東京にはないゆとりある暮らしが存在する。時間軸も違う。ゆったりとしている。しかし仕事は少ない。一方で東京に地方にはない、文化的な営みというか、一流の人たちが集まり、一流のモノやサービスが集まっている。仕事も多い。
(独立までのキャリアとして、商業系の建築、インテリアデザインの案件がメインだった分、余計にそう感じていた。)

僕はどちらか一方ではなく、どちらも欲しかった。単純に欲張りなのだ。
というのも、イタリア(ミラノ)での生活には、都市的な魅力と田舎的なゆとりが同居していたからだ。僕はそこが心地よかったし、そこに暮らしの豊かさを感じていた。

だからこそ日本にいても、イタリア的な豊かな暮らしを実現したいと思ったし、そのために二拠点生活という選択肢が生まれたのだと思う。

それ以外には、震災や経済危機などへのリスクヘッジとしても、暮らしも仕事も分散しておく方がいいだろうとかも考えていたが、その辺りの話はまた別の機会にしておく。

どちらにせよ、イタリアでの大らかで、心にゆとりのある暮らしを実現しながら、時に刺激的なインプットがある、いいとこ取りが出来る暮らしを目指していた。

しかし、その当時は二拠点生活という考え方はまだ珍しく、周りにも実践している人はいなかった。そんな状況下で、僕が二拠点生活の実現に向けて、どんな準備をおこなってきたか。準備期間約6年。次回はそのあたりについて書いてみたいと思う。


ということで、2021年はこれでおしまいです。今年の5月からnoteを定期的に書き始めて、拙い内容も多々ある中、想像以上に多くの方に読んで頂けて、本当に感謝しています!ありがとうございます!

来年も1~2週に1回のペースを目標にnoteを書いていこうと思うので、来年も引き続きよろしくお願いします。良ければハートマークをクリックして「スキ」を、そして「フォロー」もお願いします!すっごく励みになります!!

それでは良いお年を。

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