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「僕、頑張ったんです」アピールにならない提案のために

成人式も終わりましたね。僕は、防大の制服で広島の成人式に参加して、警備員と間違えられました。

今日はこちら。2021年6/100冊目。コンテナ物語。

コンテナ輸送が、海運業を大きく変えていったよ、というお話なんですが、この本は資料としてもめちゃくちゃ優秀です。コンテナの物語としては、マルコム・マクリーンという、もともとトラックでの陸運をやってた人がコンテナを使った海運に乗り出して海運事態が発展した(でも自分も倒産したりしてる)というものです。

このマクリーンの立身出世の物語としても面白いんですが、コンテナ輸送導入前の1950年代からのアメリカの港湾作業の様子とか、労使交渉や規制緩和がどう進んだとか、国際海運の発達で各国の港での取扱高がどう変わったかとか(2014年までくると、中国がトップ10のうち7つに入ってる。下記の表参照)いろんな角度から、豊富な資料を基に書かれています。その分長いんですけど、この辺も興味深い。コンサル屋さんの資料を読んでるかの如くです。

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でね、この本を読んでて思ったのは、「すごく面白いのに、情報が細かくてわかりづらい!」ってことです。頭の悪い感想ですみません。でも、そう思っちゃったんです。(この本自体の面白さや有用性を否定するものではありません)

それぞれの章で、数字や歴史的な背景をふんだんに使って、めちゃくちゃ詳しく書いてくれてます。ちゃんと読めば、すごくリアリティをもってその世界に入り込める。歴史や事実についても間違いなく書かれています。

でも、その具体が、全体像をとらえるのに邪魔しちゃうことって、あると思うんです。理解に時間がかかって「今、何の話だっけ?」ってなること、よくありませんか。

僕は、速読っぽい感じで読んでるので、読書においてはだいぶそういうことがなくなったんですが、よっぽど頭のいい人じゃないと、この本全部ちゃんと読むの大変だろうな、と思うんです。紙の本だと460ページくらい。

これって、本のことだけじゃなくて、口頭で説明するときも同じですよね。

巻末の参照文献一覧には、1章につき平均50くらいの参照文献が載ってます。それが14章分。これだけ記載されてれば、どういう切り方をしても一級品の資料として読める。でも、それらの元資料は、何か本当に伝えたいことを伝えるための根拠資料にすぎなくて、枝葉ともいえます。

これだけの資料を紐解いてると、そりゃあ、いろいろ伝えたくなると思います。全部大事なのもわかります。ただ、それを全部伝えちゃうことは「僕こんなに頑張ったんです!」というアピールに取られちゃうことがある。特にお仕事における提案とかだと。

だけど、本当に伝えないといけないのはそういうアピールじゃなくて、別のメッセージだと思います。

資料を調べることはもちろん大事で、調査をおろそかにすると大したものを書けないんですけどね。10調べたうちの9は表に出さずに、1だけ伝えると、伝えたいことを伝えられる文章になるよ、みたいなことをとこの本でも言ってました。

自分もまだまだ修行中です。頑張ったアピールにならない仕事をしたいものですね。

あ、なんでもまとめてから話すのはとても大変ですが、そればっかりやってると辛いです。コーチングは、そういう「まとまってない答え」「自分もよくわかってないこと」と向き合うにはとってもおススメです。


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