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政治講座ⅴ1289「ウイグル強制労働防止法による中国締め付け」

米国はなかなかエグイね。しかしながら自国民でありながら自国民を犠牲にする中国は、国民を弾圧する為政者を正統性があると言えるのであろうか。武力で弾圧支配することが為政者の正統性を主張できない。それは、国民に支持されていないからである。中国では易姓革命という儒教思想がある。中国共産党の寿命はもう少しで尽きる予感がする。それを助長するのが米国のウイグル強制労働防止法であろう。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2683年8月19日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

米のウイグル強制労働防止法、EV電池など自動車部品も対象に

Reuters によるストーリー •

米のウイグル強制労働防止法、EV電池など自動車部品も対象に© Thomson Reuters

[17日 ロイター] - 米国で昨年、中国新疆ウイグル自治区における強制労働にかかわる製品の輸入を禁止する目的で成立した「ウイグル強制労働防止法」の対象品目に自動車部品が加わっていることが、ロイターが確認した政府当局の文書やデータ、関係者の話などから明らかになった。

ウイグル強制労働防止法はこれまで主に太陽光パネルトマト、綿製品を重点的な執行対象としてきた。しかし現在はそれだけでなく、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池、タイヤ、自動車部品用のアルミニウムや鋼材なども税関・国境警備局(CBP)によって厳重な検査が実施されている。

自動車メーカーにとっては、自社のサプライチェーン(供給網)が新疆ウイグル自治区の強制労働と無関係だときっちり証明しなければならないという厄介な対応を迫られることになる。

CBPは輸入貨物を検査して保留扱いとした場合、輸入業者に強制労働に関与していないことを証明するよう求める。

この手続きが今年4月から6月の間に更新され、ロイターが情報公開請求を通じて入手した最新の書類には、電池とタイヤ、アルミ、鉄鋼製品が対象品目に入っていた。

CBPは、自動車部品輸入への監視が強化されたのかどうかという質問には回答せず、米国のサプライチェーンにおいて高いリスクが存在する分野に目を向けていると説明した。

またCBPは先月、議会に提出したウイグル強制労働防止法の執行状況に関する報告書で、リチウムイオン電池、タイヤ、その他自動車部品を監視中の「潜在的なリスクのある領域」に指定していた。

CBPのデータによると、今年2月以降にウイグル強制労働防止法に基づいて31件の自動車・航空宇宙関連部品の輸入が保留扱いになった。

米、ウイグル人権法成立 中国は反発「強烈な憤慨」

トランプ政権
2020年6月18日 

【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】トランプ米大統領は17日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族への弾圧に関与した中国の当局者への制裁に道を開くウイグル人権法に署名し、同法が成立した。ホワイトハウスが発表した。ハワイで米中高官協議が開かれるタイミングでの成立となった。
同法は米政府にウイグル族への弾圧や人権侵害に関わった人物のリストを180日以内に作成して議会に報告するよう求め、それらの人物にビザ(査証)発給の停止や資産凍結などの制裁を科せるようにする内容だ。上下両院では圧倒的多数の支持で可決されていた。
米でウイグル人権法が成立したことについて、中国外務省は18日に声明を出し「乱暴に中国の内政に干渉するもので、中国政府と人民は強烈な憤慨と断固とした反対を表明する」と反発した。
通常の報道官談話よりも格上の声明で「いかなる外国の干渉も受け入れないと米国に忠告する」と強調。「一切の悪い結果はすべて米国が負うことになる」と指摘した。

米「ウイグル人権法」成立、中国当局者の資産凍結や渡航禁止

2020年6月18日 8:17 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 中国 中国・台湾 ]

中国・北京の人民大会堂で開かれたビジネスリーダーのイベントを終え、会場を後にするドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(右、2017年11月9日撮影、資料写真)。(c)Nicolas ASFOURI / AFP

【6月18日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は17日、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でイスラム教徒の少数民族ウイグル人が施設に強制的に収容されているとされる問題で、中国当局者への制裁を認める法案に署名し、「ウイグル人権法Uighur Human Rights Act)」が成立した。

 新法は米政府に、ウイグル人などの少数民族に対する「恣意(しい)的な拘束、拷問、ハラスメント」に責任を負うべき中国当局者を特定し、これらの中国当局者について、米国内に保有する資産凍結と米国への渡航禁止を義務付ける内容。

 同法案は中国の少数民族政策への怒りを背景に米議会をほぼ全会一致で通過しており、トランプ氏は署名するとみられていた。

 トランプ氏は、「この法律は人権侵害やウイグル人ら中国の少数民族の民族としてのアイデンティティーや信仰を消し去ることを目的とした洗脳キャンプの体系的な使用、強制労働、侵襲的な調査をする者たちに責任を取らせるものだ」とする声明を発表した。

 同法案へのトランプ氏署名の発表は、米国のジョン・ボルトン(John Bolton)前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の衝撃的な暴露本の抜粋がメディアに掲載された中で行われた。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によると、ボルトン氏は近く出版される著書に、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席からウイグル人の収容について説明されたトランプ氏は、収容施設は「まさに実行すべき正しいこと」だと習氏に語り、ウイグル人収容施設を是認したと記しているという。(c)AFP

ウイグル人権決議 衆院は中国におもねった

2022/2/2 05:00

日本の国会が中国政府におもねり、中途半端な決議をしたとして記憶されるのではないか。

中国の新疆ウイグル自治区、チベット、南モンゴル、香港などの「深刻な人権状況」を「国際社会の脅威」とみなす決議を、衆院本会議が賛成多数で採択した。

日本ウイグル国会議員連盟などの関係者が、対中人権侵害非難決議の実現へ奔走してきた労は多としたい。

だが、実際の決議は自民、公明両党の執行部によって骨抜きにされてしまった。弾圧に苦しむ人々にもっと寄り添うべきだったのに、弾圧の張本人である中国政府に忖度(そんたく)したのは情けない。

「中国」の文言は一切ない。誰に人権状況の説明責任を果たすよう求めたのかも明示していない。昨年末の与党調整で当初案の「人権侵害」が「人権状況」に書き換えられ、「非難決議」から「非難」の2文字が削除されたのもそのままだった。中国政府との関係を重視する公明の意向を自民が受け入れたのが大きい。

決議は「日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書」と自称したが、それに値する内容ではない。れいわ新選組が中国への厳しい表現が足りないとして反対したのは無理もない。賛成した他の野党や自民の中から不満の声があがったのも当然だ。

問題点はまだある。決議は日本政府に情報収集や監視、救済の施策を求めたが、衆院自身の今後の取り組みは示さなかった。

衆院には中国の人権問題に関する公聴会を開いてもらいたい。不妊手術を強要された後、亡命したウイグル人女性ら多くの被害者から人権侵害の実態を聞くべきだ。それを報告書にまとめて公表し、中国政府や全国人民代表大会(全人代)にも示して是正を迫ったらどうか。

決議を準備中の参院にも注文したい。衆院のような腰砕けの決議を踏襲しないでほしい。中国政府による弾圧に苦しむ人々や、人権を真に重んじる日本国民に読まれても恥ずかしくない堂々とした決議の採択が必要だ。今こそ参院の独自性を発揮する時である。

林芳正外相は採択後の衆院本会議で、政府として新疆ウイグルの人権状況などに深刻な懸念を表明してきたと述べたが、「中国」という言葉を使わなかった。対中恐怖症ではないかと心配だ。


北京を守るのに地方100万人を犠牲に、大洪水で露見した中国の非人道的な治水

福島 香織 によるストーリー •21 時間

中国・河北省涿州を襲った大洪水は、人為的に引き起こされた(写真:VCG/アフロ)© JBpress 提供
  • 100万人が暮らす町や農村を飲み込んだ中国・河北省涿州を襲った大洪水は、人為的に引き起こされた。

  • 首都北京と、習近平国家主席が主導したスマート・エコシティーを守るために、意図的に遊水池の水門が開かれた。

  • 治水やスマート・エコシティー建設の失敗はもはや明らかで、為政者としての能力に疑問符が付き始めている。

(福島香織:ジャーナリスト)

【関連記事】

◎中国・北京の大洪水は「人災」、治水失敗の皇帝・習近平は天から見放された?

 7月末から8月2日にかけて河北省涿州を襲った大洪水は、首都北京と雄安新区を守るために人工的に引き起こされたものだった。北京西南部の房山区、門頭溝区で140年以来という記録的集中豪雨により、永定河が氾濫。首都を守るために、河北省の7カ所の洪区(遊水地)に向けて水門が開かれた。そのうちの2つが涿州にあり、100万人が暮らす町や農村の多くに濁流が押し寄せた。

 水深6メートルもの洪水が町をのみ込み、3階建て以上の建物や道路標識、信号などがやっと水面からのぞくほかは、街並みが水の底に沈む状況となった。8月11日の段階で河北省は死者29人、行方不明者16人、被災者は388万人と公式発表されている。だが、ネット上で拡散されている動画では遺体が流れている様子も散見され、多くの人民は公表している十倍、数十倍の犠牲者が出ていることを疑っていない。

 河北省の倪岳峰書記は、災害救援任務に際し、「蓄滞洪区(遊水地)を用いることで、北京の洪水圧力を軽減し、断固として首都を守る護城河となれ」と演説。「護城河」とは町を守る堀のことだが、ようは北京を守るために涿州を水に沈める決断をしたということだった。

 首都を守るために地方の100万人クラスの町を犠牲にするという判断は残酷で非人道的である。だが、それ以上に今回の涿州の遊水地に流す水量が異常に増大したのは、本来河北最大の遊水地であったはずの白洋淀にできた習近平肝煎りの新都市「雄安新区」を守るためだった。

 そして、河北388万人の人々が被災し苦しんでいる最中、倪書記は雄安新区に水害被害が出ていないことを確認して、「我々は試練に耐えた!」と喜びの声を上げたのだ。だが、果たして、雄安新区は100万人が暮らす涿州を犠牲にしてまで守る価値があったのだろうか。

習近平肝煎りのスマートシティーも大失敗

 雄安新区は習近平が自ら発案、計画、指揮した国家級新区。「国家千年の大計」プロジェクトとして2017年4月に設立させた。完成は一応2035年予定で、2050年には先端テクノロジー企業と研究機関を集中させ、北京の非首都機能も移転した人口2000万人規模のスマート・エコシティーになる、という話だった。すでに5000億元(約10兆円)が投じられている。

 だが、今のところは、工事のほとんどが中断し、人も企業も集まっていない空っぽの「爛尾」と呼ばれる廃墟群しかない。

 目下、雄安には中央企業4社が登記し、その本社ビルが建設中で、大学、研究施設も4カ所が雄安に移転されている。だが、その移転条件とされている雄安居住は回避できる条項がある。つまり、人はほとんど住んでいない。

スマート・エコシティー「雄安新区」を視察する習近平国家主席(写真:新華社/アフロ)© JBpress 提供

 今年5月10日、習近平が第3期目の総書記、国家主席の座を固めたのち、新首相の李強と、書記処筆頭書記の蔡奇、副首相の丁薛祥、何立峰ら、新指導部をぞろぞろ引き連れて視察した。このときの様子はCCTVが報じていたが、この視察で廃墟群を目の当たりにしても、首相、副首相ら誰一人として、このプロジェクトに問題があるという発言をしなかった。

 これは、新指導部として、雄安新区建設の失敗を否定し、新区建設継続を維持するために、改めてプロパガンダを打つための視察だったと言われている。

 雄安新区は北京からおよそ100kmの場所にあり、習近平の「偉大な新時代」を象徴する都市プロジェクトとされた。鄧小平を超える指導者として共産党史に刻まれたい習近平は、鄧小平が創った深圳以上の都市を新たに作り、中国の国力の象徴にしようと考えた。

 初期面積は100km2、中期発展で200km2、長期的には2000km2まで拡大し、現在の深圳以上の大きさを目指している。

建設中の雄安新区(写真下:2021年)と開発後(上:2023年)(写真:新華社/アフロ)© JBpress 提供

 2017年4月、北京・天津・河北共同発展指導チーム組長の張高麗は雄安新区に関する中国官製メディアの取材に、「このプロジェクトは習近平総書記が自ら計画し、自ら政策決定を下して推進している。習近平の大量の心血が注がれ、習近平の強烈な使命を担い、深遠な戦略眼と超越した政治的智慧を体現している」「雄安新区の前期計画、研究論証、計画のステージなどすべては習近平が招集する重要会議で配置を検討し、重要指示、命令を下したものだ」と語っている。

雄安新区の駅の写真(上:2023年)と建設中の写真(下:2019年)(写真:新華社/アフロ)© JBpress 提供

 2018年5月には、外交部は全世界に向けて雄安新区を推奨し、当時の王毅外相は雄安新区を「中国と人類の発展方向に代表するものだ」「大都市が抱える病を解決するための中国式処方箋だ」と持ち上げていた。

 理解しがたいのは、習近平がこれほどまでに雄安新区を重視しているなら、なぜもっと慎重に計画し、準備しなかったのか、ということだ。大宣伝とは裏腹に、計画自体は稚拙きわまりない。

共産党が守るべき地域、人民を「選別」

 そもそも、この計画は市場原理に逆らって、政府の意志と行政指導にのみを頼って強引に進められた。当時、すでに地方では、需要を超える都市建設問題が表面化し、地方都市での不動産バブルの崩壊が始まり、新都市建設に十分な資源を分配できる余裕はなかった。建設途中で資金がショートしたまま野ざらしにされる「爛尾」プロジェクトが山のようにあった。

 次に、土地条件が悪かった。雄安が建設される土地の多くは白洋淀という湿地帯で、ここは長年、華北で水害が起きたときに最も水が流れ込む「遊水地」だった。雄安新区の計画が打ち出された当初、社会科学院の地理学者の陸大道院士らが、「あそこは人が住む場所ではない」「必ず大水害が起きる場所に都市をつくるべきではない」「土地を選定しなおすべきだ」と提言したが、習近平はその意見を聞き入れなかった。


中国・河北省涿州は北京を守るために犠牲となった(写真:ロイター/アフロ)© JBpress 提供

 ちなみに、中国の洪水対策は、ダムや堤防を使って川の水量を調節して、あらかじめ決められた「洪区」と呼ばれる遊水地に水を逃がす「泄洪」という方法で、都市部や重要地域を洪水から守ることが1997年に制定された洪水防止法で決められている。洪区は全国の河川の流域に98カ所華北最大の河川の海河流域だけで28カ所ある。

 こういう中国式治水の在り方は、豪雨でダムの水量が増大したのち、ダム自体の決壊を守るために緊急に予警なく泄洪で水を遊水地に流すことで、ダム下流域に住む人たちの洪水被害を悪化させるという矛盾が当時から指摘されていた。だが中国では、共産党が洪水から守るべき地域、人民を恣意(しい)的に選別したとして、それに抵抗できるほど昔は人民に発信力もなかった。

 習近平は、本来華北最大の遊水地であるべき白洋淀に「雄安新区」を建設し、そこを「守るべき都市」に変えてしまった。これは他の遊水地がその分、過剰に洪水を引き受けるということで、今回、その犠牲に涿州が選ばれた

ずさんな「千年大計」

 さらに、深圳特区を建設した時代とは条件がかなり違った。深圳特区が驚異の発展を遂げ成功したのは、まず自由主義経済が一国二制度で担保されていた当時の香港に隣接していたという地理条件がある。2つ目に全国の資源を深圳に集中できたことだ。

 その深圳への資源の集中は行政命令によるものではなく深圳ならば金もうけができる信じた企業や人たちが自然に集まってきた結果だった。当局が行ったのは税金や、香港との通関手続きの簡素化、投資の条件に関する特例措置政策を打ち出しただけだ。

 雄安新区が設立された2017年は、全国各地ですでに18の新区が乱立しており、保税区、各種開発区として、雄安ならではの「うまみ」は突出したものではなかった。地理的に北京に近すぎるのは、むしろ欠点だった。北京との違い、差別化がうまくできず、むしろ政治の街、北京のような管理統制の厳しさがコピーされた。

 雄安新区はスマート化をうたい文句にしていたが、それはデジタル・レーニン主義的監視管理を実施するということでもあり、決してそれがビジネスにとって魅力的というわけではない。ビジネスに必要なのは、むしろ自由と法治、公正なルールだ。

鄧小平が主導した深圳の街並み(写真:Top Photo/アフロ、2021年)© JBpress 提供

 深圳が自由都市・香港のゲートウェーだったのに対し、雄安は北京のデジタル・レーニン主義実験都市であった。一部中央企業や大学、研究機関が行政命令に従ってしぶしぶ雄安に移転したとしても、北京に住む人や企業が北京戸籍を捨ててまで、移り住むほどのビジネスチャンスや魅力を感じるような仕様にはなっていない。

 そもそも地理的条件が整っている直轄市の天津の経済開発区や濱海新区ですら、北京に近すぎることが原因で十分に発展できず、ゴーストタウンを抱えている。雄安新区建設よりも、先に解決すべき爛尾プロジェクトは山のようにあった。

 このように、雄安新区プロジェクトは今のところ誰がみても失敗なのだ。習近平が心血傾けた千年大計というわりにはずさんなプロジェクトで、その理由が「習近平が自ら発案、計画、指導」して、専門家の意見に耳を貸さないで決めたのだとしたら、この失敗の責任は習近平が負うべきものだろう。

もはや為政者としての能力不足を隠蔽できず

 だが、習近平政権3期目続投で、その個人独裁体制がさらに継続することになったため、誰もその失敗の責任を指摘できず、失敗そのものを隠蔽するしかない状況となった。その隠蔽のために、河北省涿州の多くの部分を水底に沈め、その犠牲者の数を含めて、その災害の大きさを隠蔽した。

 こうした当局者の失敗は、これまでも繰り返しの隠蔽されてきた。だが、現代は農村の都市化が進み、犠牲を強いられる人口も増え、なにより地方の人たちの権利意識の向上とスマートフォンの普及で、このひどい状況を世界に発信できるようになった。失敗を隠蔽するために、より多大な犠牲と被害を出し、国内外に発信されることで、むしろより多くの人たちが雄安新区の失敗の深刻さを認識するに至った。

 河北省当局は11日の段階で直接経済損失を958億元と推計し、水害で被害を受けた町の再建には2年かかるとしている。だが、おそらく雄安新区は2年たってもゴーストタウンのままだろう。そして、習近平独裁体制は続いているかもしれないが、彼の為政者としての無能さもはや隠蔽する術すらなくなっているかもしれない。

ウイグル人に「情け容赦は無用」、中国政府の内部リークで新事実明らかに 米報道

2019年11月17日 20:59

【11月17日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグル人に対する弾圧の新たな事実が、中国政府関係者が米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)にリークした大量の内部文書によって明らかになった。
NYタイムズ(New York Times)が16日付の紙面で報じた文書によれば、習近平(Xi Jinping)国家主席はウイグル人の取り締まりに「情け容赦は無用」とハッパを掛けていた。

【写真】新疆ウイグル自治区アクトの村で、AFPのカメラマンを追い出そうとする男性

 文書には、習主席のこれまで非公開だった演説の内容や、ウイグル人監視や支配に関する報告が含まれている。NYタイムズに文書をリークしたのは、中国政界既成勢力の匿名の人物。リークによって、習主席を含めた政権幹部らによる「ウイグル人大量拘束の責任回避」を阻止したかったという。

 人権団体や国外専門家らによるこれまでの指摘によれば、ウイグル自治区には多数の収容施設が各地に設けられ、ウイグル人を中心としたイスラム教徒100万人以上が拘束されている。

 中国共産党は米国など国際社会が批判を強めているウイグル人弾圧をひた隠しにしてきたが、今回、NYタイムズが入手した403ページの内部文書によって、これまで知られてこなかった弾圧の実態があらわになった。 

 文書によれば、習主席は2014年にウイグル自治区の鉄道駅で31人が死亡したウイグル人による無差別攻撃事件の後、当局者を対象にした演説で、「独裁の仕組み」を活用して「テロリズム、侵入、分離独立」に対する「情け容赦は無用」の全面闘争を指示している。

 2016年に陳全国(Chen Quanguo)氏がウイグル自治区の新たな党書記長に就任すると、収容施設の数が急速に拡大。陳氏はウイグル人弾圧を正当化するため、2014年の習主席の演説内容を自治区当局者らに配布し、「拘束すべき者たちを一網打尽にせよ」と促していた。
 
 また、文書によれば、中国政府は自治区に帰省したウイグル人学生らが家族が行方不明、または施設に収容されたなどと知った場合の問い合わせに対する想定問答集も作成。当局者らはこうした学生に対して、家族は「過激思想ウイルス」に感染したため、軽い病が深刻化しないうちに治療が必要だと説明するよう指導されていた。

 さらに、党内にはウイグル人弾圧を不服とする者もいることが、文書からうかがえる。

 ウイグル自治区莎車県の責任者だった王勇智Wang Yongzhi)氏は、収容施設に拘束されていたウイグル人計7000人以上を自らの判断で釈放したが、党の指示に背いたとして2017年から18年に取り調べを受け、処罰対象となった。流出文書によると王氏は、大量拘束によって対立が激化してウイグル人の憎悪が深まることを恐れたと当局に供述している。

参考文献・参考資料

米のウイグル強制労働防止法、EV電池など自動車部品も対象に (msn.com)

北京を守るのに地方100万人を犠牲に、大洪水で露見した中国の非人道的な治水 (msn.com)

米、ウイグル人権法成立 中国は反発「強烈な憤慨」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

米「ウイグル人権法」成立、中国当局者の資産凍結や渡航禁止 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

【主張】ウイグル人権決議 衆院は中国におもねった - 産経ニュース (sankei.com)

ウイグル人に「情け容赦は無用」、中国政府の内部リークで新事実明らかに 米報道 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

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