『公園物語』 その9
ラジオ体操の終わりの日、BBQをしようと言った。
子どもたち、大歓喜。
嬉しい。
しかし、問題は保護者である。
もちろん怪しい。
一人の保護者の誤解は解けたが、一人がそうということは大多数がそうだということだ。
子どもたちが来たいと思っても、それは難しい。
難しくあるべきだ。
でもBBQはしたい。したいんだ。
だって、一緒に飯を食うって、めっちゃいいやん!素敵やん!
それにこのラジオ体操で得た友情が、なんか形になるような気がした。
子どもたちは目を輝かせている。
なんとか来れたらいいな、、、。
ごめんよ、怪しくて、、、
しかし、段階を踏んだらよかった、という単純な話ではない。
どう踏めばいいかわからないし、踏めてない今が現実なのだ。
それが苦手な僕が現実なのだ。
やりたいし、やってみた方がいい。
そのラジオ体操をやっている施設でBBQができるスペースが借りられる。
1日でなんと1000円!えぐい。
まあとにかくやってみよう。お金は全部、こっちが出すんだから。
あ、それがまた怪しいか、、、? うーん、ややこしい。
とりあえず、日付と時間を伝えた。
親に聞いてみる、と言ってみんな帰っていった。
当日になった。
いつものように朝、ラジオ体操に行く。
最終日だ。
BBQのことを2,3人に伝えれば全員にすぐ広まると思ってたけどそうじゃなかった。
普通にそれぞれのグループがあって広まらなかった。
こういう親を通さなきゃいけない話だと余計そうなのかもしれない。
何人かにやろうと思ってると伝えると驚いていた。
そして親の許可は急には貰えないとわかっていて、残念そうだった。
体操後、残って遊ぶいつものメンバーは知っている。
その日もきっちり鬼ごっこをして、ヘトヘトになった。
「今日、これそうか?」
「うん!ママがいいって〜」
「そんなん行ったらあかんって〜」
「誰やねんそれ!って言われた、、、」
などなど、反応は多種多様。
「きっちりお金払いなさいよ!やって〜」
というものもあった。
なるほど、やはりお金を取る方が安心できるということはあるんだなぁ。
そうして一度うちに帰って、クーラーボックスや炭など、BBQセットを持って家族四人で再度出陣。
妻がおにぎりを作っていてくれた。ありがたい。
12時、開始。
炭をセットし、火を起こす。
もうその時点で3人来てた。
そして肉を焼く。
焼いているとまばらに来て、結果的に、10人ぐらい集まった。
大成功だ。
知らないうちに帰ってたり、知らないうちに増えてたりした。
ふらっとたまたま遊びに来たやつもいた。
秩序こそなかったものの、居場所にはなった。
マシュマロはよかった。
火を囲む時間は非日常で、グッと仲良くなれる気がした。
覗きにきた親たちもいた。
そして妻と娘を見て、安心して帰っていった。
タダじゃダメ!と言ってお金を渡してくれた人もいた。
それも含めてめちゃくちゃ良かった。
これは世界が広がった。
と、言えるでしょう。確実に。
今日はもう、肉にいくら使ったとか、
絶対に考えない。
恥をかいて生きるんだ。
やって無駄なことなどないってことを、僕が喜べるように。
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