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FIREという生き方

「ファイヤ〜!!」

と聞くと

「高校生クイズ!!」

と脊髄反射してしまうアナタ、歳がバレちゃいますよ〜w

ということで、本日のテーマは同じ「ファイヤー」でも福澤朗アナの決め台詞じゃなくて、こちらの「FIRE」。Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったもので「経済的な自立と早期のリタイア」という意味なのだそうだ。

そもそもFIREとは

そのFIREについてはこちらの記事がとても簡潔明瞭にまとめられているので、まずはこちらをご一読いただくとして。

ところで、先日公開されたパーソル総合研究所の調査レポートによれば、早期リタイアを希望する若手男性が近年増えているのだそうだ。しかもその最大の理由は「働くことが好きではないから」ということらしい。

「働くの嫌いだから早くリタイアしたい」…この点に関しては、全く同感である。私自身も若い頃からず〜っとそう思ってきた。ただ、とうとうそれは実現できなかったのだが。もちろんその理由は「お金」である。

先ほど紹介した日経新聞の記事にもあるように、FIRE実現のためには「まず一億円を貯めて、それを年率4%で運用すればよい」と、さも簡単なことのように書かれている。そして近年の新NISAブームで「月々5万円の積立で30年間運用して一億円にする」のはどうやらありえへん話でもないらしいのだ(知らんけど)。

しかし、残念ながら吾輩の辞書には「貯蓄」という文字がなかった。加えて「宵越しの金は持たねぇ」と、東京生まれでもないくせに金銭感覚だけは江戸っ子気質。月々5万円の貯蓄どころか、自動車ローンやら住宅ローンやらで借金まみれの人生でして、「まずは一億円を貯める」なんぞとてもじゃないが無理な話なのであった。

まあこの若者のFIRE志向、特に年配のおっさんたちからはいろいろと批判の声もあがっているようだ(いちいち取り上げるのも面倒なので「FIRE+批判」あたりでググってみてください)が、私自身は「まあいいんじゃないの」と思っている。

君たちはどう働くか

ここらで問題を整理しよう。

「生きるためにはお金が必要だ。
しかし
「お金を得るには働かなければならない。
ゆえに
「生きるためには働かなければならない」

という三段論法が成立する(強引だなあ)。

ということで、吉野源三郎が(そしてスタジオジブリが)提起した「君たちはどう生きるか」という問いは、乱暴に言えば「君たちはどう働くか」という問いに置き換えられる(乱暴だなあ)。

で、この「君たちはどう働くか」という問いに対する昭和期の模範解答は、「(できればひとつの)会社で定年まで勤め上げ、リタイア後は退職金と年金で暮らす」の一択であった。
もっとも昨今は、長寿命化によって「人生百年時代」となる一方で年金制度の持続可能性が懸念され、さらには人口減少による労働力不足問題も加わって、早期リタイアどころか「生涯現役」で働き続けてくださいよ、そのためには定年も延長しましょう、年金は支給を遅らせたらたくさんもらえるようにしますよ、なんならリスキリングの費用も補助しますよ、ということになっている。

しかし、令和の時代の模範解答はこれひとつじゃないよ、ということで出てきたのがFIRE、ということなんじゃないだろうか。たしかに生きていくためにはお金が必要だ。だけど働くのは好きじゃない。だったらチャッチャとお金を稼いで、あとは好きなことして楽しく暮していこうぜ、という生き方もあるんじゃないかということ。「生涯現役」とは真逆のスタイルだ。

私は、それはそれでアリだと思う。いいと思う。
少なくとも「君たちはどう働くか」という問いに対する選択肢がひとつ増えたというのはとても良いことだと思う。

仕事だけが人生じゃない

こういうことを言うと、特に昭和世代のおっさんたちはすぐ「仕事が生きがい」とか「仕事を通じた自己実現」とか「働く喜び」みたいなことを言うけれど、そんなワード自体がもしかしたら一種の洗脳というか、あるいは自己正当化のためにそう思い込まされているだけかもしれない、ということは一度疑ってみたほうがよいだろう。

当たり前の話だけど、仕事以外にも生きがいはあるし、仕事じゃなくても自己実現はできる。当然、働くこと以外にも喜びはある。そういうことなんじゃないの?。

よく「子どもは親の背中を見て育つ」というけど、もしかしたらFIREを志向する若者たちのお父さんお母さんは、実はあんまり楽しそうに働いてなかったのかもしれませんぜ。

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なお、余談ではあるが、福澤朗さんが入社4年目の若さで「高校生クイズ」の総合司会に抜擢された際、福澤さんは持ちネタの「ジャストミ〜ト!」を使おうと思ってたのだが認められず、やむなく前日になって「ファイヤー!」をひねり出した、というのはけっこう有名な話である。
ちなみに「ジャストミ〜ト!」が封印された理由は、「高校生クイズ」のスポンサーであったライオンのライバル会社の主力製品が「ジャスト」だったため、日本テレビが忖度したからだという。

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