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サンタがくれたギフトは、あなただった

少し早いサンタクロースがやってきた。わたしのもとに届いたプレゼントは、画面の上できらきらとひかっている。まるで、クリスマスツリーのてっぺんで光る星のように。



もうホリデーシーズンがやってくる。町はクリスマスの準備、急に寒くなった吹きつける風が嬉しくて踊り出す。まだ鐘の音は聞こえないけれど、冬の足音はひとつひとつ近づいている。浮き立つこころと反対に、夜はひとり孤独に沈む。寒さに震えながら枯れてゆく木々を見つめていると、やっぱり少し物悲しい。葉っぱがヒラリと落ちるたびに、ひとつ灯るイルミネーション。わたしたちは寂しいから、きっと冬をたくさんお祝いするのだろう。

誰かに会いたくなる季節、家に急ぎ足で帰る季節。

みんなが襟を閉めて、マフラーをギュッと巻く。手袋をして、口からこぼれる白い息。なにかを言葉にしても、冬の風に溶けてしまうから。雪とともに消えてしまう儚い想いは、きちんと言葉にしよう。そのためにきっと、あなたへのギフトがある。わたしはそんな風に想う。

そんな毎日を過ごしていたら、思いもかけぬプレゼントが届いた。noteでいつも素敵なコメントをくださる方からのサポートだ。わたしは今までも何度かフォロワーさんからサポートをいただいたことがある。その度に嬉しくて嬉しくて、ぎゅっと思わず画面を抱きしめては「生きててよかったなあ、わたし」と涙ぐんでいた。毎度書きたいな、と思いながら書けていなかったのだけど、改めて言わせてください、ほんとうにみなさんありがとう。

読んでくださること、スキを押してくださること、気にかけてくださること、コメントをくださること。ぜんぶぜんぶ、間違いなくわたしの空っぽの瓶に溜まっていて。ハート型の瓶はいつも愛で満タン、わたしが傷つけられて帰ってきた夜も、noteのみんなが抱きしめてくれる。わたしにとって、そんな場所です。

サポートをしてくださる方がいるのは、さらにほんとうに嬉しくて。みなさんの大切なお金を、わたしの文章に払う価値がある、と思ってくださっただけで、わたしの書き物人生は救われているのです、大げさじゃなく。



昨日の夜中届いたサポートは、大きな金額で、わたしはえっ!?と二度見した。でも、「間違いじゃない!?なんでわたしに!?」なんて思うほどわたしはもう馬鹿じゃない。自分の文章に誇りを持って、みなさんに読んでもらって恥ずかしくないものだけを出している、そう信じてるから。だから、素直にありがとうございます、と思った。そして、ぎゅっと拳を握りしめていたことに気づいて、爪の跡がついた手のひらを見つめる。

「わたしの文章は、だれかに届いているんだ。わたしの文章には、価値があるんだ。」

心の底から湧き上がってくる情熱と勇気、きっと日本一のヒーローより熱い想い。愛と勇気だけが友だちだと思っていたけれど、わたしにはnoteのみんながいる。ああ、なんて幸せな人生だろう。そう思ったら、また泣いていた。転んでばかりの泣き虫なわたし。でもね、転んだ分、傷の痛みを知った。ひとに遅れた分、一番後ろからしか見えない景色が見えた。傷の手当ての仕方も覚えたし、あなたが転んだら手を差し伸べることもできる。

わたしは何度も自分を呪ってきた。自分の人生を、自分の環境を。苦しいことばかりだ、と自分を傷つける夜のほうがずっと多かった。生まれてきたことに意味なんてないと、神を呪ってばかりだった。

でもやっぱり、今は生きててよかった、と思うんだよ。

なぜなら、あなたに会えたから。

わたしが自分を傷つける代わりに書いたこの言葉が。あなたを愛するために、自分を愛するために書いたこの言葉たちが、あなたに届いてる。そう知れただけで、わたしはもう死んでもいいと思う。いや、死んでもいいじゃないや、"生きてもいい"と思えるんだよ。

生きたくなかった、ずっと、ずっと。才能なんてないと思ったし、だれもわたしを愛さないと思った。でも、こうして踏み出した一歩が、震えながら伸ばしたこの指が、あなたに届く瞬間があった。この人生、最高だよ。



もしかしたら、サポートができないことを責めるひともいるかもしれない。でも、責めなくていいんだよ、大丈夫。あなたが苦しい毎日を送ってること、わたしはだれよりも知ってるから。サポートしてくださる方がいるからわたしは生きていけてるのだけど、あなたの苦しみも分かるから、あなたはあなたなりに生きてください。それが、なによりもわたしの"こころの"サポートだよ。

そして、サポートをしてくださる方々、ほんとうに、ほんとうにありがとうございます。わたしの人生を肯定してくださって、わたしの文章に価値を見出してくださって、ほんとうに、ありがとう。古本が、あんなに分厚い本たちが、100円で買える現代に。わたしのたったひとつのエッセイに価値を見出してくださって、ほんとうにありがとう。わたしは、いつかあなたが「俺サポートしたことあんだよ」と酒の席で自慢話ができるような、そんなエッセイストになります。いつか会えたら抱きしめさせてね、わたしの最初のサインを書かせてね。



わたしのもとにプレゼントがやってきた。サポートという名の、素晴らしい贈り物。でも、こんなスペシャルな日だけじゃなくて、地味な毎日もきっと、意地悪な神さまからのプレゼント。生きたくないと叫び続けながら、のたうちまわりながらただ、生き続けなきゃいけない日々に。あなたに出会えたこと、あなたが同じ空の下で生きてくれていること。

そして、わたしと同じ、そして違うかたちの孤独を抱えていること。

それだけで、わたしにとって毎日は生きる価値のあるものです。ありがとう、ほんとうに。生きててくれて、出会ってくれて。暗い部屋で、カーテンの閉め切った部屋で。悲しみに溺れながら、赤く染まる腕を抱えながら。ただ苦しんでるあなたの瞳に映ったわたしのことばが、どうかどうか、光を持つように。あなたの瞳の中で、祈りになるように。

そんな願いを込めて、わたしからのありがとうと愛してるを贈らせてね。

ホリデーなんて言われても祝う気になれない夜も、わたしたちの毎日は「生きてるだけで"記念日"」だ。

生きててくれてありがとう、出会ってくれてありがとう。毎日を記念日にしてくれてありがとう。



"この文章が好きだと君が言ったから、11月15日は(ううん、明日も明後日も、きっと、永遠に)あなた記念日"

なんてね。



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