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間違いだらけの顧客中心主義(4)〜NPSとの関係を考える

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皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。
当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。

前回投稿で、「お客様は神様ではなく資産」だというお話をしました。この場合、顧客満足やロイヤルティに関する指標は、顧客資産価値の向上と連動していることが求められます。

NPSの生みの親であるフレデリック・ライクヘルドは、企業の利益成長と相関する顧客満足度調査の項目を2年間かけて研究したそうです。そしてその結果、「あなたはこの会社を友人や同僚に勧めたいですか?」というたった一つの項目が企業の利益成長と相関関係にあることをつきとめたのです。(参照:HBR「顧客ロイヤルティを測る究極の質問〜推薦者の数が利益成長のカギ」)

さて、先の顧客資産価値は保有顧客のLTV合計で示され、この数値も企業の中長期的な利益成長の指標とされます。そこで、もしある顧客がこの「あなたはこの会社を友人や同僚に勧めたいですか?」という質問に関して高得点を取った(NPSでは10点以上)とします。この顧客のLTVに関して、どのようなことが言えそうでしょうか?

1つ目は、本人の購買金額、継続率の点でパフォーマンスがよりNPSの値が低い顧客と比べてどうか。2つ目は、本人のLTVだけでなく、紹介した顧客のLTVがどの程度か。この点、ライクヘルドは2つ目を強調しています。もし、紹介者本人がそのブランドから離脱しても、紹介された顧客によるLTVが重要な意味を持つのです。

これは、通販の世界では経験的に把握されていて、「紹介顧客はプロモーションによって獲得した顧客よりも優良化する割合が多い」と言われています。すると、紹介意向の高い顧客を多く抱えていればいるほど、そのブランドは成長余力を持つことになります。

本人のLTVに加え、紹介した顧客の生涯価値を合算した値を「顧客紹介価値」(ダジャレみたいですね)としてHBRに投稿した研究者もいます。
(参照:HBR「顧客『紹介』価値のマーケティング〜生涯価値だけで、顧客の価値は測定できない」)

いかがでしょうか?
NPSとLTV、そして顧客中心主義が密接に関係していることがおわかりかと思います。


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