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『物語の欠片』読者のみなさまへ
最初から読んでくださっている皆様も、途中からの皆様も、最新作に追いついてない皆様も、いつも有難うございます。
と、改まってみたのは、次の『物語の欠片-朱鷺色の黎明篇-』は、先日連載を終えた記念すべき十番目の物語の、次の物語だからだ。この物語は、『天色の風篇』同様、カリンとレン以外の視点でも語られる物語になる。
各登場人物の”日常”に焦点を当てながら、この世界の謎や、まだ描いてないディティールが、少しだけ明らかになるような構成である。
そこで私はひとつ冒険をした。
突然だが、チェコで絵のお仕事をしていらっしゃるKaoRu IshjDhaさんは、『物語の欠片』の有難い読者のひとりである。(最新作に追いついたスピード最高記録保持者でもある)
KaoRuさんは、可愛らしいイラストから、シックなボールペン画から墨絵まで、様々なテイストの絵を描かれていて、私はそれぞれ大好きである。そしてその中の、水彩を使った、性別や国籍などの属性を排除した感じの人物画のテイストが、私のこの物語のイメージを表現するのにいいなあと思っていた。(ファンタジーではあるのだが、ラノベ風ではなく、児童書の挿絵にあるようなそんな雰囲気)
そして、それをこちら記事のコメント欄で呟いたところ、なんとノリノリの反応。
というわけで改めて依頼をして、KaoRuさんが次の物語で日常を知りたい人物、あるいは描きたい人物を何人か自由に描いていただいた。あくまでもキャラクターデザインではなく、登場人物の”イメージを形に”してもらった絵である。
その絵が、その人物視点の物語の扉絵として出てくるので、いつも見て下さる方はびっくりしないように、というお知らせ。
ひとつだけ特別に此処でお見せしよう。頂いた瞬間私は鳥肌が立った。今回描いていただいた中でも、このカリンは、ずばり私の中のカリンだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1662437905900-jdBrmoz4qO.jpg?width=800)
しかしこれはあくまでも”イメージ画”。
木々を映した緑色の瞳が、レンとは違う意味で神秘的。
力を使っている時は、もしかしたら瞳はこんな風に
緑色に光っているのかもしれないなあとも思う。
絵描きさんで、かつ私の好みの絵を描く方が、私の物語の読者であるというのは、本当に幸運なことだと思う。物語に深く潜ってくださったからこその表現、本当に本当に嬉しい。有難うございました。
そして、物語自体の構想は、どこかの話のコメント欄で、これまたいつも熱心に読んでくださる有難い読者のひとり、ラベンダーさんから「たまには登場人物たちにものんびりした日常を過ごしてもらいたい」というようなコメントをいただいたことがきっかけでできあがった。このことにも感謝。
そしてそして、勿論、読んでくださる全ての皆様に改めて大きな感謝を。
もし「この人の日常が読みたい!」というリクエストがあったらコメント欄でどうぞ。(いつもながらに構想しか無くて、物語は書きながら出来上がるのでまだどうにでもなる)
ちなみに、KaoRuさんが描いてくださって、すでに書くことが決まっているのは、カリン、レン、ローゼル、ネリネ、スグリ、パキラ、エリカの七名である。
連載は今の所、一週間後の9月16日金曜日の夕方からを予定している。まだ一話も書いてないけれど。
今回は謎の落としどころも考えなくていいし、扉絵が先に七話分あるので、同時並行で描かなくていい分、私も少しのんびりである。みなさまも、どうかのんびり、アグィーラ王国のそれぞれの日常とKaoRuさんの絵を楽しんでいただけたら幸いです。
鳥たちのために使わせていただきます。