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【徒歩旅】京都駅から奈良駅まで歩いた!


再び徒歩旅へ

2023年9月19日(火)
京都駅→大阪駅約45キロの道のりを徒歩で向かう旅に挑戦しました。
結果、約12時間・63000歩で無事大阪駅にたどり着くことが出来ました!

ランニングや自転車と違い、徒歩は体力に余裕があっても中々ペースを上げられません。淡々と一定のペースを刻み続けることになります。
これがめちゃくちゃツラく、苦しいものでフルマラソンを完走したこともありますが、間違いなく徒歩旅の方がきつかったです。

大阪駅に着いた時にはフラフラで、階段を下りるのもままならない状態に。
「もう二度と徒歩旅はしたくない!」
強烈にそう思いました。

しかし、思わぬ副産物が…。
知人・友人がこの話題に結構興味を持ってくれて、旅のあと1.2か月は話のネタに困ることはありませんでした(笑)

そうしていろんな方に徒歩旅の話をしていると、またチャレンジしたいという思いが沸々と湧いてきました。
そうなれば、距離なども考えて目的地はここしかない。次のターゲットは奈良駅と心の中で決めていました。

そして迎えた7月16日(火)
前回と同じ京都駅から約37キロ先の近鉄奈良駅を目指す旅が始まりました。

壮絶な旅の全貌

7月16日(火)午前10時半。
祇園祭真っただ中で沢山の観光客でにぎわう京都駅から旅はスタートです。

京都駅を南下し竹田街道・国道24号線は学生時代京都駅に向かう際によく使っていたおなじみのルート。
よく見ていたお店や行ったことがあるお店も。卒業からもう6年ほど経ちましたが、そこまで街の様子は大きく変わっていませんでした。
現在大規模工事が行われている、母校龍谷大学を横目に見ながらひたすら南へ。

京都ではおなじみのラーメン店、新福菜館伏見店で時刻は午前11時半。
ここでお昼は早すぎるし、後半しんどくなるので食べたい気持ちを抑え歩きます。

丹波橋・伏見桃山と京阪・近鉄と並走しながら歩き、宇治川を超えると24号線としばしお別れ。奈良街道に入るとしばらくは近鉄線沿いを進みます。

向島駅でちょうど時刻は12時半で、京都駅からは8.8キロ。
終電を逃しても2時間歩けば向島までは帰ってこれそうです(笑)

向島駅を超えてもなお続く線路沿いの道をひたすら歩いていきます。
ここで誤算だったのは天気が思った以上に良く、かなり気温が高かったこと。
強烈な日差しが少しずつ体力を奪っていきます。
しかし、この辺りはお店も立ち並び街並み見物を楽しみながら歩くことが出来ました。

長く続いた近鉄との並走も伊勢田駅を過ぎたところで終了。
再び奈良街道に入り、宇治市広野町で時刻は13時半。

想定外の暑さもありながら、二回目ということで少し心の中にも余裕があり、まだまだ快調に歩きます。

そこからもう1キロほど歩き、ファミリーマート城陽久世店でお昼休憩。
おにぎりとお茶でエネルギー補給。後半戦に備えます。

15分ほど休憩を取り、旅を再開。
のどかな景色が続く奈良街道をひたすら歩き、城陽市寺田市ノ久保で時刻は14時半。ここで京都駅からは16.8キロ。
休憩をはさみながらも、1時間4キロペースを保ったまま歩き続けます。

この辺りから曇が出始め、歩くには程よい気候になってきました。
天気も後押しします。

一旦幹線道路に出ますが、城陽のアルプラザ前で府道70号線へ。
ここからJR奈良線を沿うようなルートになりますが、一気にのどかな雰囲気に。道も狭く、もちろん歩道はありません。
僕以外に歩いている人はおろか、自転車を漕いでいる人すらいません。
恐らく、地元の人からはどこかから迷い込んでしまった人に見えていたかもしれません。

細かな川が流れ、その度にアップダウンがあり体力が徐々にむしばまれていきます。
この辺りから30分に一回は休憩を取りながら歩を進めていきます。

京都府綴喜郡井手町多賀で時刻は15時半。京都駅からは21.4キロ。ここで半分を超えました。
民家が立ち並び、宇治茶やお米を売っているお店もちらほら見かけました。

少し歩き、再びJR奈良線と並走。
曇り空で非常に歩きやすかったんですが、空の色が怪しくなってきたな…。
と思っていたら玉水駅手前でぽつぽつと雨が降ってきました。
玉水駅まで歩き雨宿り。幸い10分ほどで雨は収まり徒歩再開。

しかし、いきなり川を超えるための登りが。
「またかよ…」と思った矢先、こんな看板が目に入りました。

「日本の六玉川」とは歌枕に使用された全国の6か所ある玉川で、合わせて「六玉川」と呼ばれる。陸奥野田の玉川、武蔵調布の玉川、近江野路の玉川、山城井出の玉川、摂津三島の玉川、紀伊高野の玉川を指すそうです。

ちなみに、春には桜がきれいに咲き誇るそうです。
思わぬ名所との出会いから更に歩を進めます。

16時半の段階で木津川市山城町綺田出垣外まで到達。
京都駅からは25.5キロの地点です。
メンタル的にしんどかったのはこの辺りでしたねぇ。景色の代わり映えもなく、京都駅からはかなり離れましたが、目的地までもまだ結構離れている。
モチベーションを保つのが一番難しいポイントでありました。

長く歩いてきた府道70号線からまた国道24号線に戻ったポイントで時刻は17時半。京都駅からは29.5キロ。足の裏全体からふくらはぎに痛みは広がっていきます。

24号線をひたすら南下し、木津駅前でバッティングセンターを見つけたもののバッティングをする元気はさすがに起きず…。
交通量も多く、かなりにぎやかな24号線とお別れとなる木津川市木津奈良道で時刻は18時半。少しずつ空が暗くなってきました。ここで京都からは32.2キロ。目安としていた1時間4キロも歩けなくなってきました。

24号線から奈良街道に入りましたが、ここからが本当の地獄の始まり。
道路沿いにはほぼ民家のみ。
長く、そして緩やかに登りが続く道が体力も気力も奪います。

ここに来ての登りはかなり大きなダメージでした。歩幅も歩くスピードもどんどん落ちていきます。
街灯もほとんどなく、ここに来て「リタイアしたい…」という気持ちと戦います。

しかし、歩道のない山道なので休むわけにもいきません。とにかく小さい一歩を刻み続けます。

と、ここで喜びの瞬間が!
歩き始めて8時間24分、京都駅から34キロ地点でついに奈良県に突入しました。ようやく旅もクライマックスに近づいてきました。

県境を超え、梅谷口交差点で進路を右に取ります。
ここで入った県道44号が奈良駅手前まで繋がっています。

後はひたすら前進するのみ!!そんなに甘くはありませんでした…。
最後の試練と言わんばかりのアップダウンが襲います。
もう足の疲労は限界を迎えています。休み休み、その手に掴みかけている奈良駅を目指します。

山道の中で突如きれいな陸上競技場が現れます。
Jリーグ、奈良クラブの本拠地でもあるロートフィールド奈良で19時半。

京都駅からは35.8キロで、もうゴールはすぐそこです。

鴻ノ池を眺めながらコーヒーが楽しめる絶好のロケーションにあるスタバを超えると平坦な道のりに。
市バスの姿も見かけるようになり、いよいよ中心部に入ってきました。

そして、ついにこの時が…。
19時53分、京都駅出発から9時間23分。ついに近鉄奈良駅に到着しました!
総延長37.3キロ。約53000歩で京都駅→奈良駅を歩ききることが出来ました。

歩き終えた素直な感想

とにかく無事に歩き終えることが出来て良かったです。
今回は道中に公共交通機関が無いところも多く、リタイアしようと思ってもタクシーを呼ぶのも大変そうな場所も沢山ありました。
そんな環境の中で何事もなく無事にゴールできたことにホッとしました。

二回目ということもあり、準備や道中の苦しい時間に前回の反省や経験が生きた場面が多々ありました。
一方で、出発するときにワクワクさはあまりありませんでした(笑)
前回はノリで「歩いちゃえ!」って感じでしたが、今回はその苦しさを身に染みて感じているので「はぁ、スタートしたくないな」というのが本音でした。

でも、そんな気持ちに負けず歩ききったことは、前回とは違う喜びがありました。
一回経験したからこそ、踏み出せない、前とは違った新しいことが怖くてできない..。ということは誰しもあるかと思いますが、そういったときこそ恐れずに挑戦を続けることが大事なんだと教えてもらったような気がしました。

ちなみに、京都駅から大阪駅まで歩く場合より距離は7キロほど短いんですが、今回の方が圧倒的にしんどかったです。京都→大阪間はほとんど高低差がありませんでしたので、やはり距離以上に高低差が体にダメージを与えるんだなと感じました。

まぁ、とりあえず疲れましたが気持ち良い疲れでした!

よく聞かれたことに答えてみます

前回歩いた後に色んな方にお話しする中でよく聞かれたことが何個かありましたので、それに答えておきます(笑)

・そもそも、なんで大阪や奈良まで歩こうと思うんですか?

人生は壮大なネタ作りだと思っています。「面白いこと起きないかなぁ」と待っていても中々面白いことは起きない。
だったら、自分で面白いことやってみようじゃないの!というのが原点です。
「歩く」って行為はみな当たり前のようにしていますが、一日をそれに捧げるってシンプルだけどなんか面白くない?と。
後は、小さい頃から旅が好きだったので、自分の好きな、打ち込めるもので面白くてワクワク出来ることとして思いついたのが徒歩旅でした。

・一日中歩き続けてしんどくないんですか?

しんどいです(笑)

・何が面白くて一日中歩けるんですか?

僕にもよく分かりません(笑)
ただ、足を運んだことがない街並みを見るのは好きです。普段は電車で素通りしているところにも人々が暮らしていて、そこには生活があり、文化があるんだなと。
祇園祭で盛り上がる京都市内も、一面田畑が広がる井手町も同じ京都府なんだと思うとちょっと不思議な気持ちになります。

・ずっと何を考えて歩いているんですか?

前半は街の様子を見ながら、どんな人たちが住んでいるのかなと想いを馳せたり、空きテナントを見つけると「ここでお店を開いたらどうなるかな?」と考えたりしています。
後半はマジで何も考えている余裕はありません。ただひたすら「辞めたい」という気持ちに負けないように歩いています。

・歩いて良かったですか?

自信をもって「はい」と言えます。細かなお話はまたお気軽に聞いてください!

天理スタミナラーメンを食す

約9時間半の旅を終えすっかり腹ペコ。
大阪まで歩いた際は疲れすぎて何もせず帰ってきてしまったので、せめて名物でも食べて帰ろうと、駅前にあった天理スタミナラーメンのお店へ。

辛みの中にまろやかさがあり、その名の通り野菜もたっぷりでスタミナ満点。150円の豚肉トッピングをセレクトしましたが、「150円でここまで!?」と思うほどたっぷりの豚肉を楽しみました。

最後に

今回も壮絶な旅でしたが、歩き切ったことは大きな自信になりました。
前回もそうでしたが、帰りの電車で色んな思いがよぎるんですよね。
数百円で一日かかって歩いてきた道を1時間もかからずに駆け抜けてしまう。
当たり前のことですが、やっぱりすごいことです。
参勤交代をしていた時代の人たちが新幹線に乗ったらどんな感情になるんだろうなぁ(笑)

あと、改めてこの国の自販機の数はすごいです!
月何本売れるだろう?という場所にも自販機があります。すごい物流網です。

正直、奈良まで歩くことで何かが生まれるわけではありませんが、自分がやってみたいと思ったこと、面白いと思ったことを損得勘定せずにやってみることって何歳になっても大事なことだなと。

今回鍛えられた体で次は来年2月の京都マラソンに向かいます。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

P.S なんか撮ってしまった景色たち

約40キロも歩いていると、不思議な景色との出会いもあります。
思わずシャッターを切ってしまった景色を最後にご紹介。

謎の「0の通り」

近鉄向島駅を過ぎたら出てきた謎の看板。8の通りまで看板があるのは確認できました。

民家の前にポツリたたずむポスト

歩行者ほぼゼロの場所に置かれたポスト。
集荷は一日一回のみだそう。年間何人くらいが使っているのだろうか…。

割られたクラッカー

玉水駅手前の踏切前に落ちていたクラッカー。
明らかに使用後だが、なぜこんな場所でクラッカーを使ったんだろう。

奈良から甲子園へ

とっても分かりづらいですが、こちらは奈良リトルリーグの練習場で現阪神タイガースの小野寺選手がここから羽ばたいていったそうです。

駅前商店街

奈良駅前の東向商店街。
中々に趣のある雰囲気でした。

いつの間にかおしゃれになってたマクドナルド

龍谷大学近くのマクドナルド。ここでよくテスト勉強や授業の合間に雑談していました。6年経ってマックカフェ併設のおしゃれマクドナルドに進化してました(笑)

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