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「答え」がないから「信念」が大事なんだ

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

「コーヒーは焙煎してから何日後が飲み頃なのか?」
これは各コーヒー店の味の作り方や「飲み頃」のとらえ方によって考え方が大きく変わる壮大なテーマです。

一般的には、焙煎直後の豆はガスを多く含んでいて味が安定せず、少し寝かした3.4日後~3週間、長くても1か月くらいが飲み頃とされます。

焙煎からあまりにも時間が経つと酸化が進み、香りも飛んでしまうので1か月を超える長期的な保存はあまりおススメしない。
というのは結構共通見解であるものの、「飲み頃」をどう捉えるかは人それぞれで、「煎りたて・挽きたて・淹れたて」なんて言葉があるように、とにかく新鮮さが一番!の方もいれば、「あえて数日間寝かせることによってコーヒーが熟成されてグッとうまみが出る」と考える方もいます。

焙煎直後の豆を提供しているお店もあれば、3週間寝かせてから提供するお店も。

そんなコーヒー界永遠のテーマを題材にしたこんな動画がUPされていました。

登場するのは岩崎泰三さんと濵卓也さん。
共にコーヒーの焙煎士としてYoutubeチャンネルで積極的な情報発信をされています。

濵さんは「煎りたてハマ珈琲」の屋号にも現れているように、「煎りたて」のコーヒーの魅力を発信しています。

一方、岩崎さんはコーヒー豆は一週間ほど熟成させた方が引き出される味わいがあるとおっしゃっています。

※対談の中では、この動画を見た濵さんが「コーヒーは日付が経てば経つほどおいしくなるように聞こえる!」とアンサー動画を作ろうとしたほどだそう。(結局感情的になりすぎたと、動画の公開は見送ったとのこと)

そんな「禁断の対談」となった今回。
そもそも「煎りたて」「熟成」とは?の観点から、お二人の焙煎アプローチや「美味しさ」とは?という話に展開しています。
動画の中でもたびたび「煎りたて派」「熟成派」とそれぞれの意見がぶつかるシーンもありましたが、最終的にはどちらが良い・悪いということではなく、煎りたての豆にも熟成された豆にもそれぞれのおいしさがあってそれをどう捉えるかが大事だ。とお話しされていました。

コーヒーの業界で長く活動されているお二人でも、「美味しさ」に対する捉え方や考え方が違い、改めてコーヒーが奥深い世界であることを実感させられました。
だからこそ、そこに宿る「信念」が大切なんだと思いました。

お二人の話を聞いていても、「煎りたて」と「熟成」どちらが良いというよりは、どちらにも魅力があると思ったし、何よりお二人の「信念」が伝わってきました。

自分なりに美味しいコーヒーを追求されてこられたからでしょう。

お客さんにとってみれば、煎りたてだろうが熟成したものだろうが美味しく飲めるのが一番。
答えがないからこそ、信念をもって商品を届ける姿勢が大事なんだと学ばせてもらいました。


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