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映画「リバー、流れないでよ」を見てきた!~未来は今よりもっと素晴らしい~

京都を拠点に、全国で活動する劇団「ヨーロッパ企画」が製作した映画「リバー、流れないでよ」を見てきました。

舞台は冬の京都、貴船にある老舗旅館「ふじや」
いつもと変わらない平和な時間が流れていたはずなのに、突然2分間経つと時間が巻き戻り全員が元にいた場所に戻ってしまうタイムループに巻き込まれてしまいます。
その間の行動は全てなかったことになり、物を壊したとしても元通りになります。

しかし、肝となるのは「記憶はリセットされない」こと。
そのため、何回かループするとみな時間が巻き戻っていることに気が付きます。
時を進めるためにみなで奔走する中で、そのループに留まりたい者もいて、それぞれの思惑が交錯していくという物語です。

物語の大きなキーワードはやはり「時間」
ループに巻き込まれ、流れない時間を過ごす中でそれぞれの人物の「時間」への思いが明らかになります。

・友人との楽しい時間をもっとすごしたい
・仕事の締め切りに追われている
・推しのグループが解散してしまう

皆が密かに思っていた、「こんな時間がずっと続けば良いのに」という気持ち。
しかし、タイムループしている間は未来に進むことは出来ません。
繰り返す時間の中で、皆の気持ちも時と同じように前向きに転がっていくようになります。

「この時間がずっと続いたらいいのになぁ」という気持ちは誰しも一度は感じたことがあると思います。
今この瞬間がずっと続いたら良いのにと思えるくらい充実していることはとても素晴らしいことだと思います。

しかし、現実の世界で時間を止めたり巻き戻したりすることは出来ません。
人は未来に向かってしか歩みを進めることが出来ません。
だからこそ、「未来は今よりももっと素晴らしい」と思うことが大切なんだと、この映画は繰り返す時間の中で教えてくれている気がしました。

ちなみに、現在映画の冒頭13分がYoutubeで公開されているんですが…

この映像を見て分かる通り、ループのシーンは1秒の狂いもなくピッタリ2分でワンカットになっています。
映画館で見ているときは時間を測ることが出来ないので、「2分」というのは設定で1分50秒とか2分10秒のカットがあると思っていたのですが、全てのカットがきっちり2分。そして、編集なしで撮影されているそうです。
カップラーメンも出来上がらないくらいの時間ですが、2分って以外と色んな事出来るんだなって思わせてくれます。

そして、この映像を見て分かる通り、映画は「ふじや」を舞台に数百メートル圏の中で物語が進んでいきます。

小さな世界で、2分という短い時間の中で。
様々な物語が凝縮されています。大掛かりな舞台などがなくとも、無限大の世界観を作り出すことが出来るんだと感動しました。

繰り返して何度も見てみたくなる映画でした。
「リバー、流れないでよ」
という不思議なタイトルに込められた意味や、映像のカット割りにも様々な想いや伏線があるので、ぜひ劇場でお楽しみくだされ!

映画を見た後は、公式パンフレットでもう一回脳内上映するのもおすすめです(笑)

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三輪浩朔(みわこうさく)@コーヒーショップLaughter(京都)
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