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映画『テルマ&ルイーズ』

「彼女たちの、自由が走り出す。」

この映画の惹句である
女性が主人公のロードムービーの代表作であろう

一方 易経を通してこの映画を観てみると
まったく異なる色彩を帯びる

易経には水山蹇という卦がある
四難卦のうちの一つ

危険な雪山を想像してみよう
大吹雪の中 その山に詳しい案内人もつけずに
入山したらどうなることだろうか

テルマもルイーズも
どの段階でも振り返ることはできた
後戻りをすることは可能だった
しかし「行ってしまえー!」という勢いに任せて
最後のシーンのような結末となった

序盤からテルマの羽目を外す雰囲気はにじみ出ていた
易経には「不及」「中」「過」とある
あらゆる物事は 過ぎてしまうと うまくいかなくなる

“Stand up!
 Just don’t you worry about it!“

もし2人がすぐに自首していたら 
物語は何の面白さもなかっただろう
それでも もし2人がどこかの段階で違う道を選んでいたのであれば
結末は変わっていたであろう

その時にぴったりなことをする
つまり「中する」ことができるからである

つい水山蹇の卦と摺り合わせながら鑑賞してしまう作品である

映画ノート


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