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シネマ・エッセイ 〜暮らしに映画のエッセンスを

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人生の旅路という表現が意味するように、時に人生は旅に例えられる。映画は、さまざまな人生の縮図。旅をするように楽しむ。日常の、または非日常の暮らしにもっと映画のエッセンスが注がれた…
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2020年11月の記事一覧

日本の映画パンフレット

日本の映画パンフレット

年に一度開催される本の蚤の市へ。今年はコロナウイルスの影響で規模を縮小しての開催でしたが、お目当ての品も手に入れることができ大満足でした。

目についた本や雑誌を次から次へと購入してしまうので、今回は映画にまつわものだけと決めて見てまわりました。

当日は祝日ということもあり多くの人手で賑わっていました。人混みをかき分けながら30分ほど散策。5メートルほど先の店にあった一冊の映画パンフレットに釘付

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映画に奥行きをあたえる、ある映画館のこと

映画に奥行きをあたえる、ある映画館のこと

先日訪れたミニシアターのことについて書きます。

北九州の台所、旦過市場からほど近くにある小倉昭和館。戦前から存在し、現在3代目の館長が切り盛りをしています。この映画館では、数ヶ月前に上映された2作品を組み合わせて、1回1200円で鑑賞できます。

私が鑑賞したのは次の2作品です。

『ギフト 僕がきみに残せるもの』難病ALSを宣告された元アメリカン・フットボールのスター選手。やがて生まれてくる息

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追記 『詩人の恋』

追記 『詩人の恋』

1回目の鑑賞からちょうど一週間後、昨日『詩人の恋』をまた観てきました。B4サイズのビジュアルポスターがもらえるとのこと。アメにつられてしまいました。こちらです。

今回はすでに物語の流れがわかっているしパンフレットも熟読していたので、それぞれの場面をよりじっくり楽しめました。特に印象に残ったのが、詩人と青年がバスの中で「죽은 개(死んだ犬)」という詩を二人で作り上げていくシーン。人生の諸行無常さを

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『詩人の恋』にみるモテの法則とは

『詩人の恋』にみるモテの法則とは

韓国映画『詩人の恋』を鑑賞しました。前売りチケットについてくるノートが欲しくて、ついチケットを購入。ちなみにこちらです。

ちょっと可愛らしいですよね。

映画『詩人の恋』は、詩人が感性のひらめきが消えてしまった状態の中、ある青年に出会うことで、ひらめきが蘇るという物語です。(パンフレットにある主演ヤン・イクチュン氏のコメントを引用)

ぽっちゃり体型の詩人の男性には妻がいるが、どこか心が冷めきっ

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『ある画家の数奇な運命』 「グラスを割った」から「グラスが割れた」への主体性からの逸脱

『ある画家の数奇な運命』 「グラスを割った」から「グラスが割れた」への主体性からの逸脱

小学生のころから、手を使って何かをつくる図画工作や家庭科が大好きでした。中高校では美術部に所属し芸術の道に進みたいとも思っていましたが、途中で方向転換。鑑賞中、芸術と向き合う青年の姿が懐かしく思えてきました。

画家の道を目指すドイツ人の青年クルト。第二次世界大戦で彼の人生も翻弄される。戦時中に芸術の魅力を教えてくれた叔母。彼女の死に関わったのが、クルトの婚約者の父親だった。戦後、東ドイツから西ド

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