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キャリアは『今』の積み重ね|Connecting the dots!

みなさんは長期的な目線で明確な目標を持ち、その逆算で日々行動をしていますか?

私は、短期的に「こういうことができるようになったらいいな、楽しそうだな」と考えて行動することはありますが、5年後、10年後を意識して目標を設定し、そこに向かって努力していくというのは、ほぼできないのではないかと考えています。

Apple創業者のスティーブ・ジョブズ氏は、スタンフォード大学の卒業講演にゲストとして登壇した際、「You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.」という言葉を残しています。
意訳すると「将来を予測して、点と点をつなぐことはできない。できるのは、あとから振り返ってつなげていくことだけだ。」となります。

「今」という瞬間の積み重ねが、キャリアを切り開いていく。
今回は、私が社会に出てから約8年の間に起こった「Connecting the dots」を共有したいと思います。
「将来やりたいことがない」「将来のために今何をしておけばよいかわからない」など、現在キャリアに悩んでいる方に対して、少しでも参考になれば嬉しいです。

よくわからないまま進めた就職活動

学生時代の私は、将来を特に意識するわけでもなく、ただなんとなく勉強して、部活で大好きなサッカーに打ち込む、そんな学生でした。
高校はとりあえず進学校の普通科に行って、将来の選択肢が広がるだろうということで理系に進み(国語が苦手だったというのもありますが笑)、とりあえず大学に行き、そして大学院に行き、、、
主体的に自分の人生を決定することなく、「なんとなく」人生を歩んでいました。
そんな感じだったので、就職活動はとてもモヤモヤしながら進めていました。
「将来やりたいこととかない」「平凡に暮らせたらそれでいい」「でもちょっと人から注目されたいから、大企業に入れたらいいなー」くらいの感情しかありませんでしたので、、、

最終的に、研究室の先輩が行っている会社、友人がすすめてくれたなどの理由で、様々なご縁もあり、大手の電機メーカーに内定をいただき、入社することを決めました。
(さすがにもう少しちゃんとした志望動機もありましたが、ここでは割愛します笑)

苦しかったエンジニア時代

大手の会社に入れたものの、やりたいことが明確にないので、ファーストキャリアでは非常に苦労しました。
照明器具の設計開発部隊に配属され(一応希望通りの配属でした)、これまで触れたことのない3D-CADや解析シミュレーションを使った業務に困惑しながら日々過ごしていました。
正直、ものづくりにあまり興味が湧かなかったので、モチベーションの維持がかなり難しく、キャッチアップもうまくいかず、積極的に学ぶ姿勢も持てず、、、
当然思ったような成果も出せず、ただただ自信を失っていく日々でした。

それでも、他にやりたいことがあるわけでもなく、自分で選んだ道でもあるので、とりあえず頑張るしかないかという、比較的ネガティブなモチベーションで仕事を続けていました。

当時、一緒に働いていたチームの方は魅力的な方が多く、いろんな相談にも乗っていただいていました。
開発者の方は「自分が考えて設計したものが世に出ていくのは嬉しい」などのやりがいを持って仕事をしていました。
私がメインで担当した商品も、ありがたいことに市場に出て、田舎の実家の近くにも設置されるようなヒット商品になりましたが、そこにやりがいなどはあまり感じられなかったというのが本音でした。

転機(1)  人事職への興味

そんな日々が続く中で、1つ、自分の感情が動くきっかけになった出来事がありました。
私のチームでは、商品企画からおりてきた商品の基本設計は行いますが、詳細設計は委託先の工場担当者にお任せすることが多々ありました。
あるプロジェクトで基本設計を終えて委託した後に、そのままの仕様では製造が難しいことがわかり、工場の担当者が詳細設計にかなり苦労するという出来事がありました。
「それでもなんとかするのが工場の仕事」というドライな見方もありますが、性格的にそれができず、事情を聞きながら、商品企画に仕様の変更を打診したり、品質部門と品質要件のすり合わせをし直したり、生産管理部門と発売日や在庫スケジュールを引き直したりと、走り回りました。
結果、なんとか製品発売に成功したのですが、工場の方がとても感謝をしてくれて、製品を出せたことよりも、工場の方の役に立てたことの方が嬉しかったのを覚えています。

そのときに、自分は開発者としてではなく、組織や人が働きやすいように動くような役割の方が合っているのではないか、という思いを持つようになり「人事」という職種に興味を持ち始めました。

採用人事で感じたエンジニア経験の意味

当時勤めていた会社には、社内で異動希望を出せるような魅力的な制度があり、サイトを見ていると、「本社採用部」の求人があり、面白そうだなと思い応募しました。
人事業務において、採用はとても重要だと思っていたので、採用業務を起点に人事のキャリアをつくるのは良さそうだなーと直感で思ったからです。
こちらもご縁があり、なんとか合格をいただき、社内異動することが決まりました。

そうして、技術系の新卒採用担当として新たなキャリアをスタートさせました。
元技術者が人事として技術系新卒採用をしているケースはあまり多くありません。
当時、チームで元エンジニアは私だけでした。
これが思わぬ形で、自分のオリジナリティになっていきます。

就活中の学生さんとお話するとき、理系の方であれば技術者の現場のことを知りたいものです。
そして、私はそれを実体験として説明することができました。
また、理系大学院まで進んで就活をした経験があるので、学生さんがどんなキャンパスライフを送っていて、就活でどんなことを気にしているかなども、肌感を持っています。
それが学生さんとの会話の中であったり、イベントやインターンシップを企画する際にも、非常に強みになりました。
特に、設計開発職というのは、商品が市場に出ていくフローにおいて、中心的ポジションとも言える役割なので、非常に多くの部門と関わり、他部門がどのような仕事をしているかもざっくりですが自分の言葉で伝えることができます。

なんとなく就活をして、なんとなく設計開発職で約4年間働いた経験が、思いもよらぬ形で自分の価値として繋がったのです。
以来、「元エンジニア×採用人事」というのが、私の一つのオリジナリティ、キャリアの方向性になっています。

転機(2) SNSでの新たな出会い

採用人事としての仕事も約4年の月日が流れようとしていたとき、新しい仕事にチャレンジしたいなと思うようになりました。
それまでは、いわゆる本社機能のような立ち位置で、グループ全体の採用を統括するポジションで仕事をしていたのですが、もっと現場に近い人事をしたいと思ったことと、近年の技術トレンドであるAIなどのIT系のテクノロジーに関わる部門に身を置いてみたいと思うようになりました。

実はこの頃、同じセンターで仕事をしていた先輩から「セルフブランディングも大事だからTwitter初めて発信なんかもしてみたら?」とアドバイスをいただき、アカウントを開設し、定期的に発信をしていました。

せっかくTwitterを始めたので、情報収集や人脈をつくるために、AI系の発信をしている方をフォローさせてもらったり、NewsPicksなどのAI・IT系の記事に対して自分の考えを付け加えて発信などをしていました。

これが思いもよらない出会いを招いてくれます。

Twitterでフォローしていた方の中に、IT企業のAI系部門で人事をされている方がおり、DMで「一度お話しませんか?」とお声かけしてくださったのです。
私のツイートがNewsPicksの記事のシェアや、オススメ書籍のシェアなどが中心だったため、「元エンジニアでいろんなインプットを主体的にしている人事の方」とうつったらしく、ご興味をお持ちいただいたとのことでした。

気軽にカジュアルな面談をさせていただいたのですが、その方から聞いたお話がとても魅力的で、また、自分がやりたいと思っていたような仕事のご紹介だったので、選考を受けさせていただくことにしました。
最終的に、内定をいただくことができ、いわゆるSNS転職をすることになりました。

『今』の積み重ねがキャリアを切り開く

紆余曲折ありましたが、いろんな偶然の出会いやきっかけがあり、今はIT企業の採用人事として、日々やりがいを持って仕事をさせてもらっています。

就職した当初は、まさか自分が人事になるとは思っていませんでした。
そして自分が人事になったとき、技術者としての経験が大きく生きることも予想できていませんでした。
Twitterを開設すること、AI系の発信をしている人をフォローすること、自ら記事や書籍のシェアをTweetすること、このどれもがIT企業への転職を目的にしていたわけではありません。

ただ、これらを振り返ったときに、まるで点と点が繋がるように、明確な1本の線になっていると感じます。

これらの経験を振り返って、ひとつ共通点を言うとすれば、「その瞬間を懸命に取り組んだ」ということです。
そのときは、その努力が何に繋がるのか、わかりませんでした。
ただ、今思うとそれらの経験は確実につながって、独自のキャリアが創られていっていると感じます。

「今」という瞬間の積み重ねが、キャリアを切り開いていく。

最後までご覧いただきありがとうございました!
何かの参考になれば嬉しいです!

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