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「色のついたお金で無駄遣いをしたい」という話 〜安倍元総理追悼の意を込めて〜

皆さま、ご機嫌いかがですか?安達祐実さんと同い年の海石榴(つばき)です。
今日は、「同情するなら金をくれ」という氷河期世代の女性の叫びが、日本の経済構造を変える鍵になる、という話をしたいと思います。

---安達祐実さん主演のテレビドラマ『家なき子』(1994〜1995年、日本テレビ)、覚えていますよ。日本の経済構造とどう関係するんですか?
わたしはもともと弁理士をしていたのですが、第二子の産休取得を機に、政界の裏方仕事をしています。政党、行政機関、公共団体や民間企業のいずれにも属さない「フリーランスのメディア政策秘書」、、、というとカッコいいのですが、実態はただの「専業主婦」です。どこからもお金を貰っていないからこそ、世間の皆さまにご理解や(反発を含めて)ご協力いただける仕事があるんですね。

---なるほど。「同情するなら金をくれ」という決め台詞が同じなんですね!
そうです。長い間、”持ちつ持たれつ”で癒着してきた政財界を解きほぐして、日本の経済構造を若返らせるための”怨霊”や”妖怪”役ですね。

民間企業でも、行政機関でも、NISAでもできない公共の仕事があるのに、民生委員や専業主婦の善意に甘えすぎやしませんか?今の、そしてこれからの日本を担う世代(特にわたしを含む氷河期世代や、手取りが少なく共働きが前提の若い世代)に、そんな余裕はありませんよ、という話をしています(*1)。

---あえての憎まれ役、怖がられ役(?)なんですね。
わたしが尊敬する政治家は、故・野中広務さんです。2000年代に小泉竹中扇風をテレビを通して目の当たりにした当時は、”既得権の権化”といった印象でしたけれど、京都府園部町のご出身で、ご自身の戦争体験から沖縄の歴史や基地問題に取り組んでこられたことを知ってからは、180度見方が変わりました。「憎まれ役や嫌われ役を買って出る」懐の深さや義侠心も、”美しい日本”の哲学だと思いますね(*2)。

---それで、どうやって日本の経済構造を若返らせるのですか?口先だけだったらなんとでも言えますけど、やっぱり政治家は実績なんじゃないですか?
”社会に「有意義な無駄」を作りたい”
ですね。

---はい?何を言ってるんですか?ムダを無くせ!コストパフォーマンス第一!が正義なんじゃないんですか…?
もちろん、血税で賄われる行政機関はスマートであるべきです。設備投資や人材投資を惜しむことなく、民間でできることは民間に任せてほしい。民間の製造業やBtoCビジネスの現場では、みんな血眼になって「1円でもより安く買って・安く売る」ために額に汗をかいているのですから。

そもそも、社会のあちこちにある「無駄なしくみ」(つまり「余裕」や「ゆとり」)は”社会の豊かさ”そのものです。信仰心に基づく祭祀、身分や階級に基づく”分相応”な生活様式、冠婚葬祭などの儀礼的消費や、趣味や旅行や嗜好品などの娯楽消費といった「無駄を生むしくみの発明と多様化」を通して、わたしたちは豊かになってきました。

ただ、私たちには、「自分のお財布の紐は固いくせに、他の誰かのお金は湯水のように糸目なく遣う」習性があります(*3)。社会保障費を含む血税の使い込みには黙っているのに「お金がないからもっと支援を増やせ」と叫ぶのは、大人の言論のあり方として如何なものかなと思います。

---小さな政府を志向する行政改革派なんですね。たしかにnoteのタイトル『わたしとあなたで、みんなを語ろう』に、みんなの党を率いて来られた渡辺喜美さんの影響を感じます。
お気づきいただきありがとうございます。
でも、左派から見たいわゆる”弱者切り捨て”派でもありません。今のわたしは「未就学児を抱えながら社会復帰(賃金労働市場への参加)を目指す専業主婦」であり、既存の制度でも十分救済対象となる社会的弱者だからです。

---なるほど。「わたしとあなた(You & I)」の部分は、「友愛」を説いた鳩山由紀夫さんへのオマージュなんですね。”左右どちらにも響くど真ん中のいいとこ取り”ですね。
バレましたか(笑)
何の肩書きも持たない専業主婦だからこそ、言えることがあると思います。

民間から搾り取る血税はスマートに使うかわりに、「民間の地方公共的資金」で、できるだけ多くの人が、ささやかに、時には豪快に、無駄遣いできるしくみを作りたい。失業不安や老後不安に苛まれて、みんながお財布の紐を固くしたままでは誰も幸せにならないんですよ。

---でも、そんなことどうやってできるんですか?
まず、
教育や研究(主に文部科学省管轄)
・ベンチャーやスタートアップ支援育成(中小企業庁管轄)
・生活保護制度以上の水準を意図した各種福祉支援(厚生労働省管轄)
の財源を、大学(独立行政法人)や学校法人、自社仏閣や民間企業の「色の付いた公益資金」で賄う
ことにしませんか(*4)。

「色のついた公益資金」の大まかな使い途は、NPOなどの公益団体など、そこに関わる皆さんで決めることにします。つまり、各団体はその公益目的に照らした成果をPRし、不適切な運営がなされていないか会計監査を行い(*5)、地域のメディアやSNS上のインフルエンサーを巻き込んで盛り上げ、民主的に競い合う仕組はできないでしょうか(*6)。

---そ、そんな大それたこと、本当に実現できるんですか?
福祉支援の現場を支える方には、「親との愛着形成が子どもの生きる力を育むために必須であるように、次世代を育む豊かで磐石な社会基盤を作りたいんです」と説明すると、スッとご理解いただける手応えを感じています。

「個人と社会の間にある、家族でも勤務先でもない所属先」に依存し、貢献できる仕組作りのアイディアはまだまだ次回に続きます。

(*1) 霞ヶ関の方には「省庁縦割りの行政機関の被害者」として、デジタル庁に移行するための布石施作の実行をお願いしています。これは、厚生労働省と文部科学省の間にある見えない壁を壊して、子ども家庭庁に移行するために必要な根回し作業でもあります。タイトル画像は、Youtubeチャンネル『季節の彩り』@kisetsunoirodori さんの動画「西行桜まつり(樹齢800年を誇る枝垂れ桜)光丸山法輪寺 栃木県大田原市」より。 https://www.youtube.com/watch?v=OJ7bqsogOGc

(*2) 左派言論人から蛇蝎の如く忌み嫌われた安倍元総理も、悲しく不幸なことに「出自が故の憎まれ役」を全うしたに違いありません。安倍晋三さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

(*3) 自分の痛みや苦労の恨みつらみをいつまでも引きずりながら、他人から受けた恩義や施しには鈍感になってしまうのが人間の性というもの。差し伸べられた支援に「まだ○○が足りない」と不平不満を溜めるよりは、「今度は自分が手を差し伸べる番」という姿勢の方が気持ちいいと思いませんか。

(*4) 「お金に色をつける」とは、「お金の出所を明確にして、社会全体の営みと自分の生活との関わりを意識すること」を意味しています。つまり、各省庁の既存制度はある程度残しつつ、民間財源に切り替えることはできないでしょうか。

これには「お金に色はついていないから」と強弁して、いろいろと不適切な関係を断ち切れなかった永田町の皆さんに自浄作用を促す意図も込めています。

(*5) 「科学技術や文化の発展のために、教育や研究の現場こそ無駄遣いが必要だ」という確信には、新聞、テレビや出版といった「オールドメディア」の皆さんの会社経費でさんざん呑み食いさせていただいた学生時代の経験が生きています。「1つの大ヒット作を生み出すのに100人の新人作家が必要」「ムダこそ芸の肥やし」などと宣う昭和文壇の残り香が忘れられません。

あの頃から「オールドメディア」は、広告収入で運営されるフリーペーパーやウェブメディアの「新興メディア」との対立構造に置かれ、弱体化の一途をたどりました。インターネットの普及という技術革新の社会背景は不可避だったにせよ、”良識ある公共の器”のエコシステムのために、今こそ、恩返しと贖罪をさせていただきたい。予算分取り合戦で腕を鳴らしてきた皆さんや、厳しいご指摘を厭わない強面経理の皆さんが輝く現場はこちらです。

(*6) 営利を目的としない団体は、その団体が掲げる公益目的がその地域で達成されてしまえば存在意義をなくす存在であるはずだからです。

例えば、読売新聞が「コロナ空床補償、不適切受給を一斉点検へ…全国の医療機関4000施設対象」というニュースを報道しました。都道府県の行政機関内に、不適切受給を点検するための人員はきちんと配置されているでしょうか。大学が人・情報・カネを繋ぐハブになって、この仕事を担うことはできないでしょうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2b11001fafe32f876b367ede56c977124586709


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