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今だから必要とされている”アンラーニング”の在り方(提案)
誰もが過去の学びを通じて得た知識や価値観に固執することなく、今の時代に求められる知識やスキルを習得していく必要があります。
アンラーニングは”学習棄却”ともよばれ、持てる知識・スキルのレパートリーのうち有効でなくなったものを捨て、代わりに新しい知識・スキルを取り込むことを指します。「学びほぐし」。
リスキリングは「スキルの再習得」「学びなおし」。
優秀な人ほど「有能さの罠(コンピテンシー・トラップ)」にかかっていて、自分の固定観念・既成概念から離れられずに時代遅れになってしまうことがあります。
アンラーニングはこういった課題への解決策として注目されています。
実際のアンラーニングと称した企業研修などでは、どんな方法で行っているのでしょうか?
「コミュニケーションは受け手により成立する」と言われます。
この原則通り、コミュニケーションを取ろうとする側の努力だけでは限界があります。
セミナーなどで、事例の紹介(特に身近なことや、具体的なイメージができやすいこと)し始めると、オーディエンスの反応が変わります。
オーディエンスの興味関心事の話をすると、集中して聴き始めます。
そして『適度に質問をすること』は、受け手の集中を継続させる方法のひとつです。
しかしリスキリングとは違ってアンラーニングは「学びほぐし」なのですから、日常業務に関連することとは全く違う観点から行います。
アンラーニングの受け手が、どのようなことに興味があるか?どのような話の内容だとしたら食いついてくるか?を把握しておくことが必要でしょうか?
そこで私どもはアンラーニングの教材として次のような動画を考えました。
「え?赤狩りを題材にするの?」「そんなテーマで効果あるの?」
と疑問を持たれるかもしれません。
研修の目的は?
多様性の重要性と異なる意見や立場を尊重することの価値について
大前提として「思想」を押し付けたりするものではありません。
あえて「赤狩り」や「マッカーシズム」といった敏感なテーマを選定しているのは、異なる意見に対する尊重の精神を維持して、参加者同士の尊重を重視し、偏見や先入観を持たない開かれた環境を作ることが重要と考えているからです。
では、このテーマでのディスカッションのポイントを考えてみましょう。
資本主義vs共産主義の視点から見た赤狩りの背景
HUACvsハリウッドテンの対立とその影響
映画業界やマスコミの役割と立場
マッカーシズムの高まりとその終焉
<ディープダイブセッション>
事実だけでなく、この時代の感情や空気感、社会的圧力を体験・理解するためのアクティビティとして、例えば ロールプレイ活動(例: HUACの公聴会の再現)
マッカーシズムによる影響として、こんなテーマも考えられるのではないでしょうか? 「冷戦と人種差別」
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言があります。
愚かな者は経験からしか学ばない、ということではなく、先人たちは多くの失敗と成功を繰り返し、その経験の中から歴史という形で後世の者に貴重な経験談を残してくれています。
未来を知りたければ過去を学ぶ、歴史を学ぶことが近道だと言うことです。
私は、下手なビジネス本を読むより、歴史書、古典を読む方が、遥かに価値があると思っていますが、これらの書籍も作者のバイアスを通したものであることは否めません。
戦国武将の人物像なんて書籍の作者が作り上げたステレオタイプなのかもしれません。
それゆえに、映像などが残っている時代の出来事や事件をディスカッションのテーマにすることがリーズナブルと考えているのです。
歴史は、たんに表面をなぞるのではなく、深く堀り下げるかたちで学ぶほうがいいと思っています。
その時代に人は社会とどう関わっていたのか?
人々の暮らしにどんな影響を与えたのか?
今の時代に置き換えたら、どんなことが起こるのか?
「今日はこれについてみんなで語り合おう」って進めたらいいと思います。
企業研修というと何かと体裁や資料を重視しがちですが、上司への報告のための資料作りに時間をかけることは時間の無駄でしかありません。
学ぶ楽しさを知ることができれば、心配しなくても勉強したくなります。
興味を持つことで、深く知りたくなります。
難しいことは分かりやすく
分かりやすくは面白く
面白くは深く
こんなアンラーニングは、いかがでしょうか?
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