ts tn

見た映画の備忘録ですが本業は音楽なのでそっちも書くかもしれません。

ts tn

見た映画の備忘録ですが本業は音楽なのでそっちも書くかもしれません。

最近の記事

九十歳。何がめでたい

90手前で断筆したはずの直木賞作家が化石みたいな古い価値観に縛られた編集者に説得され週刊でエッセイを書く羽目になったんだけどその切れ味によって本人含めてさまざまな人々が救われる話です。 90歳の主人公(実在する佐藤愛子先生の役)を、今年90歳の草笛光子さんが演じているのですが、まあこれが素晴らしかったです。姿勢も滑舌も威勢もよい。最近すごくお元気な90代の方をさまざまなメディアで見る気がするけど、これは気のせいじゃないですね。ほんとに人生100年時代が到来しつつある。 そ

    • ルックバック

      漫画家をめざす二人の少女のうつくしい青春について の映画です 卒業式の後、藤野が京本に褒められて雨の中わけのわからないステップを踏みながら小走りで家に帰るシーンとか、その前の即興で書いた四コマがドアの下にシュッと吸い込まれるシーンとか、アニメならではの動きの気持ちよさが満載でした 「ルックバック」という言葉にいくつかの役割を持たせている。 過去を振り返り、例の事件が起きたのは自分のせいだと藤野は自分を責めるが、また藤野が復活するのも過去の出来事(「背中」)によるものだっ

      • オッペンハイマー

        ようやく見たよ アインシュタインを筆頭に、ボーア、ハイゼンベルク、ファインマンといった物理学界のスーパースターがずらっと登場する豪華さ。 量子力学を使って口説くオッペンハイマー(物質間は隙間だらけなんだけど、ほら、ぼくの手のひらは君の手のひらを通り抜けないよ、とかなんとか言って手を重ねたり) ノーランおなじみ、時系列シャッフル&白黒カラー併用はもちろん、今回は絵と音を分けて「音だけ先取り」したりしてました。 その「音」が主役級。トリニティ実験の爆音に吹っ飛ばされそうに

        • 悪は存在しない

          美しい森の中で暮らす父娘。その集落にグランピング施設が建設されることになり、手負の鹿が人を襲う(かもしれない)話です。 おなじみの長回し、棒読みに近い台詞回し。 撮影は長野で、森の様子は馴染みのある風景でしたが、現実から少しだけずれ続けており、その違和感を音楽が増幅する。 唸りを上げるチェーンソー、薪を真っ二つにする斧、遠くに響く猟銃。子鹿の骨。血。 淡々としてるんだけど、ずっと不穏なんですよ。 ずっと何か起きそう(でなかなか起きない)。 ロシアンルーレットで空砲

        九十歳。何がめでたい

          PERFECT DAYS

          ルーティーンを大事にするトイレ清掃人の慎ましくも美しい暮らしが、他人の干渉によってぐらついたり、かけがえのないもになったりする話です。 ヴィム・ヴェンダース版「東京物語」 役所広司さん演じる主人公の名前は「平山」で、これはヴェンダースさんが敬愛する小津さんの「東京物語」と同じですね。 ドイツ人が日本で、日本語の映画を作るというのはかなり大変だったと思うのですが(あなたがドイツで、ドイツ語の映画を現地のキャストで作ることを想像してみてください)、平山を「口下手」にすること

          PERFECT DAYS

          織田信長の跡目をめぐって争う戦国武将たちを北野監督らしい視点から描いた作品です。 リアルたけし城 たけしさんが秀吉役で「殿!」と言われてるのがちょっと楽しい。たけし城じゃん、と思う。本人も意識してると思うけど。あのキャスト陣の中で、秀吉をたけしさんが演じるというのは年齢的にはどう考えてもおかしいわけで、あれは言ってみればたけしさん流のギャグですよね。つまり、当たり前だけど、これは「ファンタジー」ですよ、と。その非現実的な感触がこの映画を特別なものにしています。 素材とし

          231217 tohoku day2

          松島にいくことに 白石蔵王でレンタカー借りました。黒いトヨタヤリス。なかなかかっこいい。ガソリンが満タンじゃない気がするが・・まぁいいか。 雪の中、下道で進む。 こっちの方が町の雰囲気が楽しめるかな、なんて思ってたけど、ほとんどよくある国道沿いの感じが延々と続いているだけだった。 松島は結構晴れてました。風は強くて肌寒い。 端から端まで歩いて巡りました。 まずは五大堂へ。 こんな海沿いでよく頑張ってるなという感じ。 趣があります。よく見ると蟇股(かえるまた)に十二支

          231217 tohoku day2

          231216 tohoku day1

          白石蔵王ってどこ? 毎年恒例、妻からの誕生日プレゼントは「島流し」という名目でどこかの「島」への旅行がプレゼントされるのですが、今年はJR東日本の「どこかにビューン」(ランダムに新幹線駅が4駅選ばれ、そのうちどこか1つに飛ばされる)というサービスを利用してみない?と誘われ、面白そうなのでやってみたところ、「白石蔵王駅」に行くことになりました。 どこなの?笑 調べてみたところ、「白石」駅と宮城「蔵王」の近くらしいのですが、駅周辺にはどうも何もなさそう。でも折角なので初日は

          231216 tohoku day1

          くるりのえいが

          京都出身のロックバンド「くるり」が、脱退したドラマー含む結成当初のメンバーで試行錯誤しながらアルバムを制作する音楽ドキュメンタリーです。 ※画像は京都で出会った「路地裏のニャンコ」です。 岸田さんは「おっさんの同窓会にはしたくない」と言ってましたが、昔の衣装の話でキャッキャしてる3人の様子は同窓会そのものでした。大学の同級生がひさびさ揃えばそりゃ積もる話もありますよね。 が、ひとたびスタジオに入るとその雰囲気は一変します。 ギスギスしているわけではないし、むしろリラックス

          くるりのえいが

          231015 kyoto day09

          京都最終日。 朝から家族で六波羅蜜寺。 「近くに六波羅探題があるよ」という標柱が残っている。 六波羅蜜寺には「空也上人立像」を見に行きました。 あの、口から阿弥陀如来が6体でてるやつですね。 寺面白いと娘が言ってくれたので、近くの建仁寺にも寄る。この旅2度目。 葉っぱ一枚落ちていない。 こんな美しい庭をキープするの大変だよなと思っていたら、スタッフの方?が手作業で落ち葉など拾っていました。 寺に行くと気持ちがいいんですけど、なんでかと思ったらまず綺麗に掃ってあるんで

          231015 kyoto day09

          231014 kyoto day08

          前日の夜に家族、友人と合流。 鴨川沿いの素敵な宿に移動し、二週目の週末へ。 この日は友人と共に「京都トレイル」の東山セクションへ。 トータル15キロほどの道のり。 前半部は試走しておいたので、迷うことなくスムーズに進む。 天気も良く、順調に進んでいたのですが、途中で同行者が転倒するアクシデント。残念ながらそこでリタイヤとなったのですが、私は家族と先の大文字山で落ち合うことになっていたので、そのまま進ませてもらう。 いい感じのトンネルをくぐり、 「琵琶湖疎水」っていうん

          231014 kyoto day08

          231013 kyoto day07

          この日も仕事はお休みさせてもらって観光へ(ワーケーションとは一体・・)。 午前中は修学旅行の王道中の王道、金閣寺へ。 金閣寺のやばさは庭にあった 金曜日でしたが、修学旅行生+観光客で大賑わいでした。 修学旅行生が「金箔持って帰りて~~」みたいな安い感想を大声で連呼していたのですが、ぼくも中学の修学旅行で来たときは似たようなもんだったんだろうなと、昔を懐かしく思ったり。 でも今回はですね、わたしもいい年のおっさんになり、仏教だの庭園だのに対して興味を持っておりますので、

          231013 kyoto day07

          231012 kyoto day06

          早起きして京都トレイル試走の第二弾にいく。 鴨川が赤く染まってとてもきれいでした。 対岸に白い十字架が輝いている。 クリスチャンだって京都に住んでるよ、と言っているようだった。 前回試走を終えた地点まで走っていく。 ↑ 見出し画面はそのあたりの地図ですが、「洪積世」って地質時代の区分ですよね。いまはその名前は使われてなくて「更新世」というらしいです。 京都に来て「うへぇ~1200年の歴史かぁ~~」なんてよく思いますが、更新世は約200万~1万年前! 「人類の歴史」に加え

          231012 kyoto day06

          231011 kyoto day05

          「鈍考」で雷に打たれる(2度目) 平日ですが、1日お休みを頂いてちょっと観光。 地下鉄に乗り、京都盆地の北の果てまで行ってきました。 駅からさらに徒歩15分ほど、「鈍考」というところです。 ここはBACHという、本のキュレーションみたいなお仕事をされている幅さんの会社が作った私設図書館みたいなところです。予約制で、おいしいコーヒーを飲みながら90分間静かに本を読むことができます。 ここにある本は、選書のプロである幅さんの選りすぐりなので、どれも面白そうで迷う。90分で

          231011 kyoto day05

          231010 kyoto day04

          平日は一応お仕事。 朝早めに起きて「京都一周トレイル」の東山セクションへ。 昨日行った伏見稲荷から入ります。 ↑ この写真は人がいないけど、朝から観光客で一杯でした。 ひたすら階段を上がっていくのは割と楽しい。こういう景色は普段もちろん見れませんし。 しばらく上がっていくと、標識が出てきた。 こんな感じで、分岐とか迷いそうなところにはだいたい標識が立っていてわかりやすい。一応地図はスマホに入れてきたけど、ほとんどいらなかった。 この分岐を過ぎてからは下りになって、観光

          231010 kyoto day04

          231009 kyoto day03

          この日まで三連休。 朝から東寺へ。 ここは中国から密教を持って帰ってきた空海に託されたお寺です。 「東寺のすべて」とスマートフォンによる修行 先日「ブラタモリ」でやってたんですけど、実は「西寺」というのもあったそうです(平安時代、京都の中心はもっと西側だった)。今は跡地があるだけですが、東寺と同じく五重塔もあり、それを左右に従えた街並みを見てみたかったですね。 そして、真言宗ができて1200年!すごい! その記念事業、「東寺のすべて」を見てきました。 東寺は全体が密教

          231009 kyoto day03