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自分たちになかったくらしを、子どもの世代には選べるようにしてあげたい。 「n’estate」プロジェクトメンバー鼎談 | 後編

すまいとくらしの未来を語る「philosophy」。
今回は「n’estate」プロジェクトメンバーの3人による鼎談を前後編でお届け。後編では「n’estate」がこれから取り組んでいきたいこと、日本全国そして世界へと広がる将来の展望を語ります。

>メンバープロフィール&前編の記事はこちら
  
「 目指すのは「旅」の延長線ではなく、そこに「くらし」があること。」

ー 現在「n'estate」はトライアル運用中とのことですが、 コロナ禍で「すまい」の常識が変わったように、サービスの内容も世の中の変化に応じて、常にアップデートされていくのかもしれないですよね。

櫻井:全くその通りで、5年後10年後に世の中がどうなっているかなんて誰にも分からない。その点で「n’estate」は、ユーザーのニーズに柔軟に対応しながらビジネスモデルを育てていける強みがあります。

現状、不動産事業って住宅・ビル・商業施設・ホテルというように事業ごとに部門が分かれているものなんです。ただ、今って仕事をするにしてもオフィスでも、自宅でも、ホテルでもできちゃうわけで、それぞれの商品領域、境界線があいまいになってきているんですよね。「n’estate」は、その中間領域にあるサービスで(不動産の)垣根を超えていく突破口になり得るかもしれないし、そうありたい。

横山:じつは三井不動産って、国内初の高層マンションを建てたり、アウトレットモールや屋内スキー場(!)といった施設を開発してみたりと、業界に先駆けてあたらしいライフスタイルをつくることに取り組んできた会社なんです。「n’estate」は、そういった三井のDNAみたいなものが脈々と流れているプロジェクトなんじゃないかと思います。

櫻井:そうだね。そういうあたらしいことに対して、比較的寛容なマインドを持っているのが三井不動産グループらしさというか。事業性ももちろん大切だけれど、未来のライフスタイルに訴求していくプロジェクトとして「走りながら考える」というスタンスが、徐々に社内でも浸透してきていて。これってなかなかすごいことだよね。

ーところで、プライベートでは父としての顔も持つお三方ですが、それぞれどのようにして現在の「すまい」を選ばれたのですか?

藤原:私はもともと湾岸エリアに住んでいたのですが、もう少し広い部屋に住み替えたくなり今の家に引っ越しました。もとの家のまわりも便利で気に入っていたのですが、今は昔ながらの商店街のある街に住んでいて、毎週末散歩に出かけるくらいお気に入りです(笑)。

横山:
私が今住んでいるマンションは、職場からのアクセスのよさで選んだので、私も妻も地縁は全然なくて。お互いの実家もそれぞれ1時間くらいは掛かるので、両親にサクッと助けに来てもらえる場所ではないんですよね。夫婦で住みはじめてから子どもが生まれたので、子育ての利便性という視点はあまりなかったんです。

例えば「n’estate」の拠点がある豊洲は歩道も広いし、公園も多いし、子どもを育てるにはいい環境だなと思うけれど、じゃあ今すぐ引越しするかと言われると、条件の合う物件にすぐ巡り合えるかも分からないし、なかなか難しいですよね。

櫻井:
みんなそうやって、どこか折り合いを付けて住んでいるんだよね。それで言うと、私は大きな公園の近くに住んでいるのですが、ぶっちゃけた話、会社からは遠いんです。だけど、都心では享受できない自然もあるし、遊べるところもたくさんあるから、子育てするならここがいいと思って選びました。
もし二地域居住とか、あたらしいライフスタイルがもっと一般化していったら、都心に住みながら郊外や地方にも拠点を持つようなくらしが叶うようになる。利便性を追求した拠点と、情緒のある心地よい拠点の両方を使い分けることができたら最高ですよね。

ー そのためにも「n’estate」のサービスをもっと広めていきたいですよね。
今後、プロジェクトとして注力していきたいことはありますか?
 

櫻井:都市に住んでいる人が、郊外や地方の魅力的な要素を上手に自分の生活に取り入れて、くらしていくことにすごく興味があります。そうやって人の往来が活発になることで、都心では体験できない楽しみを見つけたり、地元の人たちも自分のふるさとのよさを改めて実感できたりと、地域が元気になっていくと思うんですよね。

この3月にあたらしく拠点に追加された「ショウナイホテル スイデンテラス」(山形県鶴岡市)と「カラリト五島列島」(長崎県五島市)では、保育サービス付きの「n’estate with kids」プランを始動するのですが、地域行政のサポートや、今回で言うと保育園のように現地の施設にもご協力をいただきながら「生活の延長」として利用してもらえるようなサービスを、もっと増やしていきたいと思っています。

横山:もちろん、魅力的な拠点や体験できるコンテンツもないと成立しないけれど、ワンストップでサービスを提供できる仕組みを整えたいです。魅力的な拠点はあるのに(利用するまでのフローが)複雑だったり、使いづらかったりすると「やっぱり面倒だから、いいか」って躊躇しちゃうと思うんです。
どんなかたちがいいのかはまだ分からないけれど、思い立ったらすぐに拠点を選んで予約ができて、あわせて新幹線や飛行機のチケットも、保育園の一時預かりも同時に申し込める、みたいな。サービスの提供者でありながら、ひとりのユーザーにもなり得ると思っているので、まずは自分たちが使いたいものをつくりたいですよね。

藤原:自分が使いたいという話だと、服を試着するように、すまいも選ぶ前にお試しでそこに住んでみるというのをこれからの当たり前にしていきたいです。そのためには、拠点は全国に100箇所以上つくりたいですし、海外にも欲しい。

じつは私、子どもの頃、帰国子女の友人に憧れがあって。私自身はそういった生活と無縁だったので、知らない国での知らない生活を聞くのが面白かったし、うらやましかった。そんな思いもあって、学生時代には短期ではありますが留学もしました。そのときに仲良くなった友人とは今でも連絡を取っていて、試しに行ってみてとてもよかったなと思っています。

ー海外での生活は文化の違いもあるし、国内以上にハードルが高そうですよね。

藤原:そうだと思います。だからこそ、「n’estate」は自分が選んでこなかった生活に一歩踏み出す後押しをするサービスにしていきたい。「やってみたい!」と思ったときにこのサービスが世界に広がっていれば、そういう体験も味わってもらえますよね。

櫻井:逆に、海外の人が日本で生活をしてみたいというニーズの受け皿にもなり得るよね。そういった点では、WEBサイトの多言語対応も必要・・・!

あと、あたらしいすまい方、くらし方を考える上での心理的なハードルを下げていくために、メディアとしてのプラットホーム化、情報を積極的に発信していくことも重要だと考えています。この「n’estate Journal」もそのひとつ。「こういう生活をしている人がいるんだ」という発見があったり、そういった方々のくらしぶりを通じて、具体的にイメージできるようになることで「私もやってみようかな」と、気持ちの後押しになればいいなと思います。

藤原:テレビの向こうの世界でもなければ、よその家の話でもない。自分がやるとしたらこんなくらしになるんだとリアルに感じてもらえたらすごくうれしいです。

櫻井:そうだね。私も入り口としては、自分がくらしたいようにくらしたい、生きたいように生きたいから「n’estate」をつくったんだと思うし。私たちの世代が切り拓いていくことで、自分たちにはできなかったくらしを、子どもの世代には選べるようにしてあげたいよね。
そして「n'estate」が世の中に浸透して、すまいの自由度が高まれば、自分や家族の人生をもっと能動的に選び取れるようになると思う。そうなれば、人々のウェルビーイングも向上していくと信じています。

> サービスや拠点について、さらに詳しく。
   
「n'estate(ネステート)」公式WEBサイト
   
「n'estate(ネステート)」 Official Instagram


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