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DJしたり、ダンスしたり…アメリカの先生の自由さに笑顔をもらった

新宿ルミネの交差点前で信号待ちをしていると、音楽を爆音で流す宣伝トラックが通り過ぎた。パラパラみたいな曲につられて、西洋人らしき観光客たちが、リズムに乗り始める。

すっかり記憶のかなたに消えたアメリカ生活の記憶が、ふわっと蘇る。


DJを披露する担任の先生

アメリカの学校で息子の担任だった先生は、ミスターGと呼ばれていた。長身でイケメン、アウトドア好き、プライベートでは音楽活動もしているという、まさに三拍子揃ったアメリカの好青年。当然、生徒達から絶大な人気を誇っていた。

ミスターGは決して怒らない。授業中、お喋りに夢中な生徒達がいても、低音でリズムを口ずさみ始め、生徒たちの注意がリズムに集まるのをじっと待つ。トゥットゥットゥー、トゥットゥットゥットゥー・・・いつの間にかクラスみんなリズムを唱えてるというから不思議だ。

息子たちの通学していた学校では、サンクスギビングデーの時期に、七面鳥の仮装をしてマラソンするターキー・トロットという学校行事が開催されていた。そこでミスターGがDJを披露するという。生徒達にスクール名を叫んでもらい、それを録音して曲にミックスするこだわりよう。

ターキー・トロットは基本マラソン大会なのだが、ダンスゾーンが設けてあり、走りたくない子や走り疲れた子はそのゾーンでダンスしてていい。DJの音楽にあわせ頑張って走る子もいれば、楽しくダンスする子もいる。子供たちは「ミスターGのDJ、よかった~」と口々に感想を教えてくれた。

5月には、Field dayと呼ばれる運動会みたいな学校行事があって、そこでも30代後半位の体育の先生がDJを披露していた。DJマシンを持ち来んでノリノリの曲をかける。時々「Are you ready, guys??!!」とマイク越しに、煽る。最後は全員でダンスタイム!!ここはクラブ?というくらい、誰もが思い思いにダンスしていて楽しそう。明るいなぁ!アメリカ人。

イラストACさんより

リラックス度高めのアメリカの先生方


ミスターGの前の担任は、嬉しいことがあると踊り出す天真爛漫な女性の先生だった。当時、息子が「oh yeah! oh yeah!」と目をつぶりながら身体をくねらせて両手でフィンガースナップするベリーダンス?みたいな動きをしていたので、「それ、なあに?」と聞いたら、「ケリー先生(先生の名前)は嬉しい時にいつも、このダンスするんだよ」と話していた。

そういえば、子供たちが通っていたスイミング・スクールでも、夏期コース最終日に男の先生2人がアクロバティックな飛び込みを披露し始めた。しかも飛び込む前に、「スパイダーマン風!」「スーパーマン風!」「バットマン風!」と叫んで、ポーズを取りながら、めっちゃ楽しそう。やっぱ明るい、アメリカ人。

そんな明るい先生方に影響を受けた、小4息子。渡米前は、ザ・真面目人だったのに、渡米後1年経ったころには、音楽が流れるとダンス的な動きをするようになっていた。友達と遊んでいても、いきなりロボットダンスをしてじゃれあう。環境が子供にもたらす影響は、思っていた以上に大きかった。

日本へ帰国したら、さすがにダンスの習性はなくなったけれど、最近思い出したかのようにDJにはまりだした。「クラスのみんなにDJって何?って聞かれたから教えてあげた」と得意げ。

授業で描いた「すきなもの」にDJマシンが登場。桜餅と日本茶を堪能する和風テイストのDJマシンマンも。
近所のお祭りでバッチを作るときも、DJマシンのイラストを描く。
(息子の掲載許可取得済み)

ポジティブバイブスを大切に

生活の延長線上にリズムやダンスがある、あの雰囲気はアメリカならでは。海外ドラマでハイスクールがそうなのは知っていたつもりだったけれど、小学生からそうなんだって思った。もちろんなかには照れたり躊躇する子も何人かいるけれど、率先して楽しむ先生の姿がお手本になって慣らされていくのかも。

道行く人にフレンドリーに話しかけるのも、店員とジョークを交わすのもそうだけど、ポジティブなバイブス(ムード)をすごく大切にしているって感じた。

リラックスして楽しそうにリズムをとる姿は見る人を笑顔にする。まさにポジティブバイブスの連鎖。そんなアメリカの先生方がふと蘇って、ルミネ交差点で思わず嬉し笑顔がこみあげてた。

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