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【算数・数学備忘録260】

正規分布を使った仮説検定【最終回】

命題が正しいときその命題が真であるという事
条件pに対してpでないという条件をpの否定という。

<仮説検定の流れ>
①対立仮説H1を立てる
②帰無仮説H0を立てる
③帰無仮説H0を正しいと過程したときその事象が起こる確率Pを求める
④ ③で求めた確率Pと優位水準を比べて帰無仮説H0が真である事を
否定できるかどうかを確認する
⑤ 帰無仮説H0が真である事を否定できた場合対立仮説H1は正しいと考えられる

あるコインを400回投げた時に表が223回出た。この時このコインには歪みがあるといえるか。有意水準は5%とする。

今まで用いた B(n,p) N(np,npq) Z=X-m/σを使う。

①「このコインには歪みがある」という事について「表が出る確率と裏が出る確率は等しくない」というのが対立仮説H1となる。

②帰無仮説H0は「表が出る確率と裏が出る確率が等しい」とする。

③帰無仮説H0「表が出る確率と裏が出る確率は等しい」事を真と仮定したときに「表が223回以上出る」という事象が起こる確率Pを求める。二項分布B(400,1/2)とし正規分布N(400・1/2,400・1/2・1/2) = N(200,100)とする。m =200, 分散σ^2 = 100なので 標準偏差σ =√100 =10とする。

m=200 σ=10を Z = X-m/σに代入すると Z= X-200/10となる。ここに表が出る回数Xである223を代入すると 223-200/10 =23/10 = 2.3となる。

2.30は正規分布表ではP(0≦Z≦2.3) = 0.4893標準正規グラフから0.5 - 0.4893 = 0.0107 = 約1.1%

④ ③の結果から表が223回以上出る確率は約1.1%である。

これは有意水準5%より小さい。

そのため帰無仮説H0「表が出る確率と裏が出る確率は等しい」が真であることを否定できると考えられる。

⑤ゆえに対立仮説H1「表が出る確率と裏が出る確率は等しくない」は正しいと考えられる。「このコインに歪みがある」と考えるのが適切である。

ちなみに帰無仮説が否定できない時に帰無仮説が正しいわけではない。帰無仮説に矛盾がない事が示されただけである。

これにて算数、中学数学、数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B終了。長かったですね。

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