見出し画像

社員はなぜ自社で働くのか

経営者のみなさんは、なぜ自社社員が自社で働いているか、本音を知っていますか?
やりがい、仲の良さ、勤務地が近い、残業が少ないなど様々な理由がありますが、データではどのようになっているでしょうか。

80%以上がお金のため

20代・30代の働く男女約1000名に対するアンケートの結果、
80%以上がお金のためと回答しています

パーソルキャリア 20代・30代の働く男女「はたらく理由」についてアンケート 2019
https://doda.jp/promo/ranking/002.html

お金のために自社に居る=収入が低いと出ていく?

お金を稼ぐために自社に居るとすれば、より良い条件の会社があればそちらに移りたいという欲求も同時に持っているはずです。
では、給料の高くない会社からは人がどんどん居なくなるのでしょうか?
実はそうとも言えなさそうです。

企業選びの最優先軸は収入の多さではない

以下のデータを見ると希望の働き方が出来るか、事業の将来性、業績好調か、などが上位に来ており、給料に関する優先度はそこまで高く無いことが分かります。

『エン転職』1万人アンケート(2021年12月)「新型コロナ後の企業選びの軸」調査
https://www.atpress.ne.jp/releases/291322/att_291322_1.pdf

収入の多さにこだわり過ぎない大きな理由は副業

収入を増やすことが生活をしていく上で重要なことは今も昔も変わりません。
一方で収入を得る方法は会社に勤めるだけではない、というのが最近の一般的な考え方になっています。

20-30代の副業意向は70%以上

現在の20代、30代の70%以上が副業意向を持っています

パーソルキャリア 20代・30代のdoda会員 副業に関するアンケート 2019
https://www.dodadsj.com/content/191125_sidebusiness/

副業希望理由は収入増が100%

副業を希望する理由は収入を増やしたい、という理由が100%
それに加えてスキルを身につける、経験を広げるなどが続いています

パーソルキャリア 20代・30代のdoda会員 副業に関するアンケート 2019https://www.dodadsj.com/content/191125_sidebusiness/


副業で多くの人が数万円~10万円以上まで稼いでいる

実際に副業をしている会社員の方は数万円~10万円以上の収入を得ているのが少なくないようです。
会社の給料が5万円以上上がるのは簡単ではないことを考えると、副業をすることで手っ取り早く収入増につなげているといえます。

パーソルキャリア 20代・30代のdoda会員 副業に関するアンケート 2019https://www.dodadsj.com/content/191125_sidebusiness/

本業で足りない収入は副業で得られるのが現在

上記から本業での収入アップだけでなく、副業により収入を増やすことでお金の欲求を満たすことが出来る環境になってきていることが分かります。
また、各社テレワーク等の導入により副業がしやすい環境になっていることも収入増の選択肢をもたらしていると言えます。


改めて、自社の社員はなぜ自社で働いているのでしょうか?

副業での収入アップが出来るいま、社員はお金のために自社にいるのでしょうか。本音が単純に収入を得るためだとすれば、危険な状態かもしれません。

増え続けるテレワーク求人数と応募者数

コロナ禍以降フルリモートの会社も増え、テレワークでの求人数も応募者も大幅に増加しています。働き手はより自分の望ましい環境で働く選択が出来るようになってきていると言えます。

https://dime.jp/genre/1274530/

賃金目当てだけの仕事は見捨てられる

あなたが社員の立場だとして、
自分の仕事に対して
A社「金を払ってやるんだから、これくらいやって当然。」
B社「いつもありがとう。助かっています。」
という2社だったら、どちらを選びますか?

また、
A社「仕事があるだけマシだと思ってもらいたい。」
B社「あなただからこそ一緒に働きたい。」
という2社だったらどうでしょうか。

現在はどの業界も人手不足です。
特に優秀な人材の争奪競争は激しくなるばかり。
その中で「金を払ってやるんだから」というスタンスでは社員は残ってくれません。
多少賃金が安くなろうが副業に取り組める人もいますし、完全フルリモートで全国の企業へ転職が可能だからです。

選ばれる基準が変わっていることを認識する

かつては業績が良い会社で賃金がもらえる会社であれば、どのような会社であっても一定の人が残って働いてくれました。選択肢が少なく、何かを妥協したり我慢したりするのが当たり前だったからです。人間的な扱いをされずモノのように扱われたとしても耐える必要がありました。

かつての会社選び
(収入のためなら我慢できた)

著者作成

しかし、選択肢・自由度の高まった現在、会社選びの基準が変わってきています。モノのように扱われることで犠牲になり、精神的に疲弊することを我慢する必要が無いのであれば、だれがそのような職場・仕事を選ぶでしょうか?多少業績や給料が低くても、精神的に健全で人間的な扱いをしてくれる会社を選び、副業やテレワーク等で自分の望む生き方に近づくことができます。

現在の会社選び
(肉体的・精神的な犠牲は我慢できない)

著者作成

これから選ばれるのは人を大切にする企業

よく言われることですが、自由度の高い時代において収入や仕事の有無で人を縛ることは難しくなってきています。仕事を与える側が圧倒的に強かったパワーバランスから、仕事の担い手と選び選ばれる関係へ完全に変わってきています。
そして、これから選ばれていくのは人を大切にし、肉体的・精神的に良好な働き方のできる企業・仕事です。

「収入を得る方法は沢山あるけど、私がこの会社にあえて居る理由は…」

という文脈で、何を理由として感じてもらうのか。
意識的にこの理由を作りだせない企業からは人が逃げ出します。

人を大切にするとはどういうことか?

人を大切にする、というと
「なんでもかんでも社員の言うわがままを聞く必要があるのか」
「部下の機嫌を取り続けないといけないのか」
「これ以上給料を上げるのは無理だ」
といった考えをされる経営者の方が少なくありません。

あなた自身が「自分が大切にされた」と感じるのは
上記のような瞬間だったでしょうか?

本当に大切にされたと感じるのは
 苦しい時に一緒になって考えてくれた上司の姿
 真剣に怒ってくれた先輩の一言
 自分のこだわりを信じて認めてくれた同僚
 何度も厳しく仕事の質を求め続けてくれた上司

などではありませんか?

選択肢が多い時代だからこそ、社員から選ばれる経営が重要になります。
そのためには本当の意味で社員を大切にする組織を、意図的に作り出す必要があります。
その方法についてはまた別な記事でお伝えしていきます。

経営者のみなさまには
 自社の社員はなぜ自社で働いているのか
 なぜ自社は今選ばれているのか
 今後も選ばれていくのか

について一度足を止めて考えていただければと思います。

そして、不安を感じたならば人を大切にする経営へ一歩踏み出してください。それが業績・利益を上げることにもつながります。

ありがとうございました。
それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?