見出し画像

【人事部・管理者必見】テレワーク環境に即した評価で大切にしたい5つのこと

テレワークの導入により、「評価に対してマネジメント側もメンバー側も不安や難しさを感じている」という声はよく聞きます。

今回は、テレワークで評価が難しい理由を紐解きながら、テレワークに適した評価軸とはどのようなものかについて考えます。

1.テレワーク環境は評価に不安感をもちやすい

テレワークでの不安感・孤独感に関する調査結果によると、テレワーカーのうち1/3を超える人が評価不安に対して「あてはまる/ややあてはまる」と答えています。

出典:テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査(パーソル総合研究所)

最も高い不安項目となっている「相手の気持ちが察しにくい」というコミュニケーションに対する不安が、上司や同僚から公平・公正な評価をしてもらえるのだろうかという不安の背景にあるといえるかもしれません。

また同調査で、マネジメント側の評価に対する不安を抱える人の割合は40%にのぼっています。

出典:テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査(パーソル総合研究所)

すべての項目において上司のほうがメンバーと比較して不安感を感じている割合が高いことがわかります。

 参考記事:【在宅勤務下での重要課題】マネジメントがうまく回り出すための3つのカギ

2.テレワークで評価が難しい理由

では実際に、マネジメント側が感じるテレワーク環境下での評価不安、難しさはどういう点にあるのでしょうか。

・コミュニケーションが取りにくい

・成果までのプロセスが見えにくい

・直接的な業務以外での貢献が見えにくい

・就業態度が見えにくい

・勤務時間を正確に把握できない

これらのポイントが浮かび上がる背景には、従来の日本企業で多く取り入れられてきた評価項目があります。
それは、仕事の成果をみるだけではなく、成果に至るまでのプロセスや勤務態度なども評価対象になっていることが多いからです。

しかし、テレワークでは管理者がメンバーの働きぶりをすべて把握することは難しく、評価の判断材料が少なくなってしまうことが不安感や難しさに繋がっていると考えられます。

〈人事評価の3つの評価軸〉
【業績評価】業務の達成度など成果を評価する
 比較的テレワーク環境下だからといった不安感はでにくい評価方法である

【能力評価】職務の遂行に発揮される能力・スキルを評価する
 職務遂行能力が評価されるため、管理者は業務プロセスの観察が必要となる

【情意評価】仕事に対する姿勢を評価する
 評価するためには、メンバーの仕事や組織貢献に対する気持ちや想いを知る必要がある
 

3.テレワーク下の評価軸で大切にしたい5つのこと

人事評価で何に重きをおくのか、どんな評価制度を用いるのかといった点は、企業の経営方針や事業内容、思想に基づく重要な点であるため、評価制度の良し悪しは一概には語れません。
しかしながら、テレワーク環境で起きている評価のやりずらさや不安感を軽減するためには、次の3点を意識していくとよいでしょう。

3-1. 評価方法・基準を明確にする

テレワークを導入したばかりの企業では、評価制度や運用方法がオフィスワーク前提のものになっていることが考えられます。
すると、実際テレワーク下でのマネジメントでは、評価することが困難な評価項目がある場合もあるでしょう。

まずはその現状を把握し、必要な変更を加えていくことは大切です。
その際には、オフィスワークとテレワークの働き方の違いによる評価のぶれが生じないように気をつけましょう。

また運用方法について大事なことは、「評価基準を管理者任せにしない」ことです。

様々な働き方のメンバーそれぞれを評価することは、オフィスワーク前提の働き方でチーム運営していたときに比べて非常に難しいことです。だからこそ、管理者の考え方ややり方に委ねてしまうと、評価がばらつくリスクは高くなります。

そのためには、全社で評価項目を見直し基準を共有すること。
そのうえで、評価者研修などを取り入れながら管理者側の評価スキルをあげていくことが大切です。

3-2. ビジョンの共有、大きな目線合わせを大切にする

どんな方向に成果をだしていくのか、どんな姿勢や仕事への取り組み方が評価されるのか。
この指標となるのが会社のミッションビジョンバリューです。

ミッションビジョンバリューを全社メンバーが腹落ちした状態で各自が業務を進めていくことができれば、メンバーはこのものさしを基準に、どんな行動をとるべきか、どんな行動が評価に繋がるのかを自律して考え・行動をすることができます。

そして評価のタイミングでは、管理者とメンバーが同じものさしで成果や業務プロセス・勤務態度の評価をすり合わせることができるようになります。
情意評価にあたるメンバーの組織貢献に対する想いについて理解を深める取り組みにもなります。

3-3. MBOなどの目標管理手法を活用する

プロセスが見えにくいという課題に対して有効なのが、目標管理の考え方です。

手法として有名なものに、MBO(Management of Objectives)があります。期初にメンバーが自ら目標と達成に向けた取り組みなどを設定します。
期末にはそれに対して振り返りや評価を行います。

取り入れるメリットは、1つめに挙げたポイント「評価方法や基準の明確化」を整えるのに向いている点です。

管理者は期中を通して達成に向けた支援を行なっていくことで、メンバーと共通認識を持ってプロセス支援を行うことが可能になります。

3-4.  評価を行うマネジメント行動に人材育成の視点を忘れない

テレワーク環境は普段の様子が見えないことから、管理者・メンバー双方にとって不安や疑念を抱えやすいのは事実です。

管理者側は評価を公正に精緻に行おうとするあまり、管理を強めたり日報などの業務報告を細かく求めたりしたくなることがあるかもしれません。

しかしながら、人事評価は考課の意味合いだけではなく、メンバー育成の機会でもあることは忘れてはいけません。

評価を通して能力開発やモチベーションアップなどにつながることが大切です。

よって、メンバー本人が自律的・能動的に評価に繋がる姿勢で取り組めるようにフォロワーシップを発揮していくことが大切です。

3-5. 密なコミュニケーションでの信頼関係構築こそ最大の武器

ここまでいろいろと書いてきましたが、評価の根底にあるのは、双方が信頼しあえる関係性が築けているかが最も重要といえます。

そのためには目標や目指す姿の共有、そして期中での頻度の高いコミュニケーションが不可欠です。

メンバー側も日々のコミュニケーションや評価されているのかについて不安を抱いていることを念頭におきながら、業務に対する困りごとや、目標管理の進捗を定期的に確認する機会をもちましょう。

まとめ

今回はテレワーク環境で管理者が評価が難しいと感じる理由を紐解きながら、評価で大切にしたいことをお伝えしました。
プロセス評価や情意評価の判断材料を得るための観察が容易ではないテレワーク環境において、どのような評価制度が必要なのか。
評価で大切にしたいことを軸に改めて見直してみてはどうでしょうか。
trustyyleでは、評価制度を含めたテレワーク環境での組織づくりの伴走型ご支援をしております。ぜひお気軽にお問い合わせください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?