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次の音はすでに決まっています(音程のお話)

毎朝7:30に荻原の個人Twitter(現X)アカウントと、Facebook「ラッパの吹き方」ページに投稿しています「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」。
先日こんなこと書きました。

このお話をする前に一点確認しておきますが、よく使われる「音程」という言葉は「2つの音の隔たり」を意味していて、チューナーで測って示されるのは「ピッチ(=周波数)」です。

音程もピッチも全部ひっくるめて「音程」という言葉が使われることが多いですが、正しい知識を持っておいたほうが誤解なく、そして正しく理解できると思うのでせっかくなのでここで覚えてしまいましょう。

音程は「飛び石」のようなもの

ここで言う「飛び石」とは記事のトップ写真のように川などを渡るための足場として置かれた石のことを指します。多分みなさんもどこかでこんな飛び石を渡ったことがあるかと思います。公園などでも見ることができますし、小さい頃は舗装された道のタイルを何らかの法則性を持って踏んでいいタイルとそうでないタイルをわけてピョンピョンと遊んだ経験があるかもしれません。

このような飛び石が演奏をする上での音程と似ていると僕は思っています。

飛び石を渡る時の状況を分析すると、今いる石の上から次の石に飛び乗るためにはどのくらいの勢いでジャンプする必要があるかを考えています。ジャンプしている最中に考えたらもう遅いし、飛んでいる途中で「やっぱりもうちょっと遠くに届くようにしよう」とコントロールできる人がいたら超能力者です。

飛び石の位置はすでに決まっているのですから、次のジャンプをする前に決めておかなければなりません。

音程も同じです。今鳴らしている音から次に出す音はどのくらいの距離があるのか、具体的な次の音のイメージを持っていなければ当てずっぽうになって足を踏みはずすかもしれません。
しかも音楽の場合、それにテンポがあってリズムがあり、そこからひとつのフレーズが作られているわけなので、ひとつひとつ飛び石を確認している時間がありません。テンポ感を持って定められたリズムで飛び石を次々と渡っていく技術が演奏者には求められます。
だから事前に楽譜を読み込んでおく(曲を理解しておく)必要があるわけだし、場合によってはゆっくり練習するなどの工夫が求められます。

ちなみにこの例え話で言うところの「ピッチ」は。飛び石の最も安定した真ん中にいつも着地できる技術と言えます。ピッチの悪い演奏は、石の不安定な部分に着地してしまうために次のジャンプが上手にできなかったり、最悪踏み外して川に落ちます(音をはずします)。

いかがでしょうか。僕は音程やピッチに対してこんなイメージを持って演奏していることが多いです(特にウォームアップや基礎練習時)。
飛び石を華麗に渡っていく、そんな演奏ができるよう工夫した練習をしてみてください。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
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