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今いる場所がはっきりわかれば、次の一歩は自然に出る

「ビジョン」という言葉が、日本でも普通に口にされる時代になってきました。

コーチングでもよく扱う大事なテーマの一つとして「個人や組織のビジョン」があります。
このため、コーチングでは常に「未来」の話をしているという印象を持たれている方も多いかもしれません。

確かに、ビジョンは将来像です。
ただ、これを描くにも、「今」何を感じているかが出発点となります。

例えば、とてもよくある例。

「このままだと、将来、キャリアが心配だから、何か役に立ちそうなものを勉強しておこう」

こういう動機で、生き生きとそれに取り組むことができている人にはまずお目にかかったことがありません。
苦行として耐え抜く方もいますが、だいたいは、力が入らなかったり、続かなかったりします。
それは、自分を律する力が足りないからだ、とかそういう話ではありません。
むしろ、力が入らなくてあたり前です。

なぜなら、そこには「今」が抜け落ちているからです。

今、本当は、何を欲しているの?
今、何が大事だと思っているの?
今、何のためにそれをするの?

ビジョンは、この問いに向き合い、行動していく中で明らかになってきます。

そして、今の「真の現実」に向き合うことも必要です。

今、何をためらっているの?
今、実は、何に毎日の時間とエネルギーを使っているの?
今、何が機能していて、何が機能していないの?

一言で言うと、
「今、どこにいるの?」

今願うビジョンと、今の現実に真摯に向き合えば、今何をすべきかは自ずと見えてきて、自ずと取りたくなる行動が出てきます。
こんがらがった状態でコーチング・セッションにいらっしゃる方も、60分後には、ご自分で次の一歩を決めていかれます。

ロバート・フリッツ の言葉を借りれば、
構造力学上、緊張は必ず解消を求めるので、ビジョンと現実の間に、緊張構造(Structural Tension)が生まれることで、緊張を解消しようとして物事は前に進みます。

なーんだ、簡単じゃないの、と思われるでしょうか。

それが、意外とそうでもないから、私たちコーチのような職業が、今とても必要とされています。

基本、人は見たいものしか見ず、考えたいことしか考えないもの。
次の一歩が見つからない、または踏み出せないのは、実は、今いる場所がわかっていないから、ということでもあります。

厳しい言い方をすると、今いる場所を正面から認めていない、という場合もあります。

ただでさえ、人の思考は彷徨います。

加えて、「本丸」を外して議論を展開したり、”問題”を解決する作業で忙しくしているほうが居心地がいいという場合も、実はかなり沢山起きています。

私たちコーチがやっていることは、「その人や組織が今どこにいるのか」を明らかにすることのお手伝いと言い切っても過言ではないのかもしれません。

では、今にいるためにはどうしたらいいのか。

いくつか私自身がやっているものを挙げてみました。よかったらお役立てください。

●深呼吸
最もよくやっている方法。いつでも、どこでも、何度でも。簡単で即効性大。

●散歩
最初は考えごとをしていても、だんだん周りの植物や鳥の鳴き声に意識が向き始めます。自分なりに、今に戻ってきたサイン。

●瞑想
浮わついていたり、気持ちが落ち着かない時は、ヴィパッサナー瞑想に行ったときに教えてもらったアーナパーナ瞑想を10分間だけしたりします。

●コーチングを受ける
コーチである私自身にも、コーチがいます。月に1度の大切な時間です。

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●ビガーゲームボードを活用する
ビガーゲーム(Bigger Game)とは、充実した人生やキャリアを送るために意識すると良いことを数千人の経験則的なところから抽出し、9つに絞り込んだものです。
この9つはコンパスのように機能して、今自分はどこにいるのか、では次はどこに意識を向けるべきか、が見えてきます。

年に数回だけワークショップを開催してこの知恵もお届けしています。
次回は、11月26日(土)~27日(日)の2日間。
お申し込みの締め切りは、11月12日(土)です。


ロバート・フリッツの緊張構造の話を詳しく知りたい方は、以下の本をどうぞ。


では、今日も良い1日を!

◆今日の写真は、最も身近な「今の自分」を知るもの。しばらく乗らずにいると、私の場合、もれなく体脂肪が増えています。


この記事は、2021年2月17日配信のここみち便りをリライトしたものです。

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