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夫婦円満のコツ

前回の「夫婦喧嘩が始まるとき」は、なるほど!などの感想をいただきました。お役に立てていれば幸いです。

さて、今回はその逆。
夫婦円満のコツ。

これも、両親の観察からです。
以前に実家に電話をかけた時の話です。

少し背景をご説明します。
両親が通っているジムで、オンラインのボーカルトレーニング講座があるそうで、その年、母は、週1でそれに参加して歌謡曲を歌う練習を始めていました。

その年の年末年始に実家に行った際、母が「カラオケボックスに行ってみたい」というので、父も誘って3人で行ってきました。

私の知る父は、カラオケなんてくだらない、という人間。
仕事上は行く時もあったでしょうが、家族だけでカラオケボックスなんて初めてのことでした。
ちなみに母は、提案してみたものの、まさか本当に私たち2人が一緒に行ってくれるとは思っておらず、嬉しい驚きだったようです。


そして、この記事の本題は、数日後に電話をしたときのことです。
私がかけた電話を取った母が、「あのあと2人だけでまた歌いに行った」と教えてくれました。
これは私もびっくりでした。

その後に電話を代わった父に「またカラオケ行ったらしいじゃないの」と言ったら、父の返事がこうでした。

「そうなんだよ。行きたいって言うからさ。
そしたら、お母さん、すごいご機嫌で。
そしたらさ、俺の待遇も良くなったんだよ」

父が好きなおやつを買ってきてくれたり、おこづかいが増えたりしたんだそうです。笑。

そして、父が言った一言。

「わかったよ。
相手がその時一番欲しいものをあげるとか、相手が大事にしているものを大事にしてあげるっていうのが大切なんだなぁ」

思わず私、叫んでしまいました。

「お父さん、それ、コーチングだよ!」


コーチングって何ですか?
という問いは、学び始めて10年目になる今でも答えるのがものすごく難しい質問です。
一言ではとても言い表せないので。

ただ、この父の体験の中にその一つの要素があります。

それは、
「相手が大切にしているものを聴く」
「相手が叶えたいものを実現することを応援する」
という側面です。

コーチが身につけるべき大事なスキルは、
「相手が大切にしているもの、好きなもの、今、心から欲しているものが何なのかを聴き取る力」
です。

誰かに言われたからとか、そうでないといけないから、とかではなく、本人の本当の思いや熱があるところ。
それはもしかしたら、恥ずかしいとか、みっともないとか、今更……、という気持ちで、本人が隠したり、言い出せずにいたり、無かったことにしたりしているものかもしれません。
そういう声に邪魔をさせず、本当に好きなもの、本当に響くものを一緒に発見していきます。

本当にやりたいことを見つけたり、それを実行に移すと、人は自然に、声が弾んだりして、生き生きとしてきます。
それを捉えるのがコーチです。

これまで、父にコーチングを説明してもなかなか理解を得るのが難しかったですが、
この時は、ようやく娘の職業を少し理解してもらえたかもしれない、と思う瞬間でした。


なお、CTIのコーアクティブ・コーチング®️のコースを受講した方々が、家庭でのコミュニケーションが大きく変わった、という体験をするのはとてもよくある話です。
私自身もそうですし、実は、母も、私が基礎コースをプレゼントしたので、数年前に基礎だけは受講しています。

コーチになることには興味ないけど、ご家庭でのコミュニケーションをより良くするために、という目的でいらっしゃる方々もたくさんいます。
私自身、コーチングを教える仕事をしていますけれども、世の中にプロコーチを増やすことよりも、こうやって日常の生活や仕事の中でコーアクティブを実践していく方々が増えていくことの方に熱があります。


少し脱線しましたが、私たちは、意外と、すぐそばにいる人が大切にしていることを知らなかったりするものです。
自分自身のことですらわかっていなかったりもします。


今日は、ご家族、同僚など、身近な人が何を大切にしている人なのか、そこに聴き耳を立ててみるのはいかがでしょうか?
また違った一面が見えてくるかもしれません。


では、また!


◆今日の写真は、ある日の両親合作の夕食。しめじハンバーグ。


この記事は、2022年2月2日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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