マガジンのカバー画像

チェルノブイリ日記

64
※ 各記事は有料の設定にしていますが、全て無料で読めます(投げ銭記事)。 2013年10月にチェルノブイリを訪ねたときのお話です。 廃墟に惹かれるものの日本の廃墟に入ると不法侵… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年9月の記事一覧

チェルノブイリ日記 11 ~ ビールを回せ

旅にビールはつきものです イケメンと別れ、ホテルへ戻って来ました。当たり前のように部屋へ入って来るガイド。そうでした、ここは「アワルーム」、これから同じ部屋で寝泊りするのですね……。  ところでチェルノブイリの立ち入り禁止区域にはお店がないそうなので、水や軽食をガイドに持って来て貰っていました。また、私はビールが好きですので、ウクライナのビールも持って来て欲しいとリクエストしていました。銘柄は何でも良いですので、日本で買えないようなビールを色々持って来て欲しいです……と。

有料
100

チェルノブイリ日記 10 ~ ガイドされるべきは私なんだけど……?

並ぶ柱を見ると神殿と思う  特に話すこともなく、黙々と写真を撮り続ける3人。  音もなくどこかに落ちてしまったら気が付いて貰えなかったと思います。  よくよく見ますとコンテナのような物を吊ったクレーンは近い場所に2基立っているのですね。それぞれの場所でどちらのクレーンを見ていたのかなぁ。  線路のそばに池? と謎の柱の絵。 「世界の車窓から」チェルノブイリを走る列車が森を抜けるとそこは柱の並ぶ池で……いやまぁ、池に柱だけわざわざ立てませんよね。この場所の完成予想図はど

有料
100

チェルノブイリ日記 9 ~ 耳が痛くなる静寂の中と哀しいものが生む美しさ

疲れを感じない 建設途中で放棄されたチェルノブイリ原発5号炉の散策はもうちょっと続きます。  日本で普段通りに朝から夕方まで働いて、一旦帰宅してすぐ関西国際空港に向かい22時過ぎの飛行機に搭乗し、満足に眠れないまま約13時間のフライトを終え、イスタンブールの空港に2時間弱ほど滞在し、キエフへ向かう機内で食事を済ませ1時間ほど眠り、キエフに到着して休むことなく移動し、食事は口に合わず、そんな状態で危なっかしい場所を歩き続け……とわりとハードなことをしていますが不思議と疲れは感じ

有料
100

チェルノブイリ日記 8 ~ ビビリの私とフリーダムなガイド

巨大な口に迎えられ  前回のあらすじ ~ 危険な5号炉の散策を終えたと思ったら巨大な門から再び5号炉の中へ入ることになりました。  ふと足元に目を向けますと……タバコや。観光きゃ……取材に訪れた人間が捨てて行ったのかなぁ。ポイ捨て良くない! と建設途中で放棄されて四半世紀以上そのままの場所で言うのも妙なのですが。 ※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かった

有料
100

チェルノブイリ日記 7 ~ 安全な場所はない

危なそうな場所がいくつもある 5号炉の散策はまだまだ続きます。5号炉の全体像が分からないうえにマッピングもせず方位磁石も確認せずガイドの後ろを歩いているだけですので、今どこにいるのか散策する場所がどれだけ残っているのかまるで見当が付きません。ファミコンの名作RPG「MOTHER」でダンカンさんの工場というものすごく広くて複雑なところがあったんですけど、そこをうろうろしているような気持ちです。  クレーンの手の先に何やら四角いコンテナ……ですかねぇ? 四半世紀以上ずっとこの状

有料
100

チェルノブイリ日記 6 ~ 5号炉には色々な物が転がっている

自然のたくましさ  前回はこんな感じの落ちたら死にそうな穴のそばにあるハシゴを上ったり下りたりしました。変な角度でハシゴから落ちてしまったらこの穴に直行でそのまま地獄行きでしたが落ちることなく今こうして無事でいます。  ハシゴの上り下りでわりと体力を使っているのですが、休む間もなく散策は続きます。  屋上は広いのです。ちょっと待って下さいよ……。  ところで……。  ちょっとした屋上庭園? と思えるほど木がちゃんと育っていますね。建設途中で放棄されたチェルノブイリ原

有料
100

チェルノブイリ日記 5 ~ 命の危険は終わらない

原発5号炉の屋上へ 私のことを無視するかのようにさっさと進むイケメンとガイド。ついて歩くのに必死の私。すると次に現れたのは……  えー、階段ってさぁ……こんな垂直に近いもんなの? 何を思ってこの角度にしたのでしょう。日本の住居でも古いものは階段が急だったりしますけど。  外に出たよー! やっぱり単純に開放感があって気持ち良いですね。写真の左にちらっと見える柵は安全確保の概念などなさそうですけども。  景色を眺めます。右に見える台形の建造物は何ぞ……。そこは今後の取材で訪

有料
100

チェルノブイリ日記 4 ~ チェルノブイリ原発5号炉で命の危険を感じる

この旅は観光ではなく取材である こんなことを言いますと怒る人もいそうですが、チェルノブイリへ来たのはただの興味本位であって観光のつもりでした。  立ち入り禁止区域へ入るにはウクライナ当局の許可が必要ですし、ガイドと共に行動しなければなりません。旅行会社に支払った代金の内訳は分かりませんが人件費や宿泊費、食費や車代などだけでなく恐らくウクライナへの上納金みたいなのも含まれていたのでしょう。  勝手に入るわけではありませんし、あくまでも観光ツアーであって、廃墟とはいえ安全が確保さ

有料
100

チェルノブイリ日記 3 ~ チェルノブイリ原発5号炉で「観光ではなく取材」の意味を知る

チェルノブイリ原発5号炉へ向かう 食事はあまりにも口に合わず、食べ切れませんでした。  ごめんなさいをして食堂を出ました。車には乗らず、歩き始めます。  舗装されていない地面に雑草が生えているのはまぁ分かるとして、妙に高い木も生えてんなぁ……。  何の建物なのかは分かりませんが、綺麗に見える車が停まっているのは人が出入りしている証なのでしょう。  チェルノブイリ原発事故が発生したのは1986年4月26日で、私が訪れたのは2013年10月です。このクレーンは四半世紀以上こ

有料
100

チェルノブイリ日記 2 ~ まずはホテルに荷物を置いてお食事へ

チェルノブイリ立ち入り禁止区域へ入る  車が市街地から外れ、道路の両端は木々だけになりました。  ガイドが車を停めるとそこにはチェルノブイリの入口らしいモニュメントが佇んでいました。 「ここがチェルノブイリだ」  モニュメントにはウクライナ語でチェルノブイリ地区と書かれているそうです。勲章? みたいなのが2つなくなってしまっていますね。  これは何を表しているのかな。鉄塔? 煙突から出る煙?  チェルノブイリは事故を起こした原子力発電所を中心として半径30kmが立ち

有料
100

チェルノブイリ日記 1 ~ チェルノブイリなら合法的に廃墟散策できるやん! 行こ!

チェルノブイリへ行って来ました 小学生の頃に近所の長屋群が建て替えのため空き家になったことをきっかけとして廃墟に惹かれるようになりました。  しかし廃墟といえど所有者がいますので入ると不法侵入になりますし、ヤンキーや住人がいたら怖いものです。ですのでインターネットで写真を探して「摩耶観光ホテル萌え」「宇宙回転温泉萌え」で済ませていました。  チェルノブイリへ行ってみたいと思ったきっかけや時期は全く覚えていないのですが、少なくとも2011年の東日本大震災より前です。  イン

有料
100