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チェルノブイリ日記 11 ~ ビールを回せ

旅にビールはつきものです

 イケメンと別れ、ホテルへ戻って来ました。当たり前のように部屋へ入って来るガイド。そうでした、ここは「アワルーム」、これから同じ部屋で寝泊りするのですね……。

 ところでチェルノブイリの立ち入り禁止区域にはお店がないそうなので、水や軽食をガイドに持って来て貰っていました。また、私はビールが好きですので、ウクライナのビールも持って来て欲しいとリクエストしていました。銘柄は何でも良いですので、日本で買えないようなビールを色々持って来て欲しいです……と。
 で、その持って来てくれたビールというのが……

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 1リットルのペットボトルが12本! 公開する予定は当時ありませんでしたので帰国後に散らかった部屋で撮影したものなんですが、同じ銘柄が12本でした。えぇー。あるんだ、1リットルのペットボトルのビールなんて……。しかも全て同じ銘柄。銘柄はバラけさせてって言いましたよね……。
 いやいや文句を言ってはいけません。わざわざ買って持って来てくれたのです。ありがたいことです。何本かは日本に持って帰るつもりでしたがこれキャリーケースに入るのかな。

※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。

 まぁとにかく夕食のとき一緒に飲もうと思い、ビールを手に外へ出ようとしましたらガイドが「それ飲むのか?」はい。
 するとガイドはその場でフタを開け、ガイドが持参したどう見ても使い古された湯呑み茶碗にビールを注ぎ始めました。え、ここで飲むの? ウクライナにも湯呑み茶碗ってあるんや?
 どうも聞けばアルコールを持ち込んではいけないそうです。あー、そういえば誓約書にアルコールがどうこうって書いてたような。しかしそれってレストランに? 立ち入り禁止区域に? よく分かりませんが部屋でこそこそと飲むビールは背徳の味がしました。
 ビールはカールズバーグのウクライナ工場で生産されているらしく、薄味で炭酸も弱めで、だからこそお茶のように飲めました。しかしこの場で1リットルは飲めないわけで……あ、ペットボトルだからフタを閉められるんだ! やったね!

チェルノブイリで夕食を

 ホテルを出て少し歩いたところにある建物に入りました。昼食のときに入った建物とは違うのですが、出入口に放射能汚染の検査を行う機械が設置されているのは同じでした。

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 この写真は別の場所で撮影したものですが……あれ、そういえばホテルにはこの機械がありませんでしたね。良いのか? どういう基準で設置されているのでしょう。

 食堂は2階でした。

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 広くて綺麗なんですが寒々しい雰囲気の食堂です。昼食のときと同様にカウンターで料理を受け取るセルフサービス式のようです。ガイドが飲み物と料理を運んで来てくれました。料理を選ぶことが出来るのか、代金はいくらなのかは全く分かりません。

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 ごめんやっぱりまずそう……。

 1枚目のコールスローらしきものや2枚目のスープはまだ良かったと思うのですが、2枚目の左の皿や手前の皿のパンの下に敷かれているお粥のような謎の何かがとにかく気持ち悪かったのです。
 ビールがあればまだ流し込めたと思うのですが、数口食べてギブアップでした。ごめんなさいね……。
 後年、チェルノブイリを訪れた方とお話する機会があったのですが、その方は普通に食べられたと仰っていました。あくまで私の口には合わなかったということです。

 昼食もあまり食べられませんでしたし、その後わりと動き回りましたのでお腹は空いているはずなのですが、不思議と空腹は感じませんでした。

夜の公園をお散歩

 食堂を出て、付近を少し歩きました。ガイドが言いますにはこのあたりは「セントラルパーク」で、まず目に付くのはラッパを吹く巨大な天使の像でした。何と言う技法なのか分かりませんが、細い棒を何本も組み合わせてラッパを吹く天使を形作っています。

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 セントラルパークと言いましても立ち入り禁止区域ですので、街灯が整備されているわけではありません。夜は真っ暗です。一眼レフカメラとミラーレスカメラはホテルに置いて来ましたので、この写真は2010年に購入したコンデジで撮影したものです。

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「Fukusima」のモニュメントがありました。福島第一原子力発電所事故が発生しましたのは2011年3月、チェルノブイリを訪れたのは2013年10月です。

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 日本とウクライナの友好の証しとして記念植樹が行われたそうです。

ウクライナ国と日本国、両国が負った大きな心の傷が今後この地球上で二度と起きない事を願うと共に ウクライナ国と日本国、両国の更なる友好の証しに記念植樹をします
2012年4月26日

 しかし真っ暗だなぁ……。日本の夜の公園を恋人と2人で歩く……なんてのならロマンティックな雰囲気にもなりそうですが、ここはチェルノブイリの立ち入り禁止区域でしかもガイドと2人です。ガイドが金髪のウクライナ美人でしたらお礼を申し上げるところなんですけどね。
 あぁ、ウクライナの気候は日本より寒いのですよ。夜になって肌寒くなりましたしホテルへ帰りましょう。二人の部屋へね。

夜は長い……?

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 ホテルへ帰ってまずお風呂に入りました。お湯を張る気分にもなれずシャワーで済ませましたらガイドに「早いな」と笑われてしまいました。「カラスの行水」みたいな概念はウクライナにもあるのかも知れません。知らんけど。

 ガイドも入浴を済ませました。
 先程のビールの残りを飲みながらガイドとお喋りをしようと試みるのですが、私はウクライナ語は全くで英語もまともに喋れませんし、ガイドは英語を喋れるとはいえネイティブではないでしょうから会話が続きません。スマートフォンの翻訳アプリをいちいち使うのも面倒くさいものです。

 外国でもスマートフォンでインターネットに接続できるようにしていましたというかそのためにガラケーからスマホに乗り換えて来ましたので、SNSに写真をアップしたり日本の友人にメールを送ったりして過ごしました。チェルノブイリに来てもやってることは自宅と変わらんね!

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