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チェルノブイリ日記 4 ~ チェルノブイリ原発5号炉で命の危険を感じる

この旅は観光ではなく取材である

 こんなことを言いますと怒る人もいそうですが、チェルノブイリへ来たのはただの興味本位であって観光のつもりでした。
 立ち入り禁止区域へ入るにはウクライナ当局の許可が必要ですし、ガイドと共に行動しなければなりません。旅行会社に支払った代金の内訳は分かりませんが人件費や宿泊費、食費や車代などだけでなく恐らくウクライナへの上納金みたいなのも含まれていたのでしょう。
 勝手に入るわけではありませんし、あくまでも観光ツアーであって、廃墟とはいえ安全が確保されたコースを巡るものと思っていました。

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 穴!

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 穴!

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 穴!

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 穴!

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 穴!

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 え、めっちゃ普通に穴あるやん。うっかり落ちたら無傷では済まんヤツやん。

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 足元には何や色々転がっとうし、普通にスニーカーで来てもたけどこれ底に鉄板が入ってる靴やないとヤバいんやないの? なんか釘とか尖ったもんとか踏んでもたりせん?

 ゆーといてや!

 と旅行会社の人への恨み言を呟きつつガイドの後を歩きます。

※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。

ライトが欲しい……あった!

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 前回の記事の最後の大きく開けられたところから外を眺めます。クレーンの足元に線路がある……。

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 落ちないように気を付けつつ見上げると……。

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 もう1歩踏み出せばてっぺんまで見えるのかも知れませんが怖いのでやめておきます。

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 私が下手な写真を撮影している間もあちこち動き回るイケメン。あら、ライトをお持ちなんですか。よろしいわね。外の光が射し込む場所は良いのですが、基本的には暗いのです。

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 私なんてね、カメラのフラッシュを焚いて足元を確認しながら歩いていますのよ。普段はフラッシュを焚いて撮影することはないのですが、まさかこんなところで焚きまくることになるとはねー。カメラのフラッシュが命綱……バッテリーが切れたら私はおしまいです。

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 さて、この先は……。フラッシュを焚いて確認しないとね。

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 ぎゃーす!

わりと命がけのアトラクション

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 右奥にイケメンとガイドがいます。頼むから置いて行かないでね……。

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 置いて行かないでねと言うに!

 しかしこの記事を書くために写真を見直しますと本当によくこんなところを歩いたもんだなと感心します。多少脚色して怖がっている体で書いていますが、現地では言うほど怖いという感覚はなかったのですよ。

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 暗いうえに三脚なしの手持ち撮影ですのでピンボケなうえガイドの残像が見えるのですが、えーと、これ、左に見える細い足場を渡らないといけないんですか? 柵は壁の側にしかありませんよね? 何で?
 落ちたらわりと良い確率で死にますよね?

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 泣きを入れて5号炉から出ることも可能とは思うのですが、如何せん英語力がありませんでしてどうやって泣きを入れたら良いか分かりません。ホントに泣けば分かってくれるかしら……。

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 しかし日本からわざわざやって来た30歳過ぎの男が5号炉で泣いたという伝説をウクライナに残したくはありませんので歯を食いしばって進みます。足場が崩れるときはイケメンが先、バランスを崩すときは私が先のはずです。だから何だという話なんですが。

ホッと一息

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 まともなところに出たー! 良かった!

 謎のケーブルに足を引っ掛けそうなここも決してまともとは言えないのですが命の危険はなさそうですからね。

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 しかしいくら建設途中で放棄されたとはいえ、ちょっとぐちゃぐちゃ過ぎませんか。明日も工事の続きをしますからねと言って帰った状態とは思えませんよね。放棄することが決まってヤケになって荒らして行ったように見えます。

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 窓の向こうには高い木……えぇとここ何階でしたかね。植物に詳しくありませんので何という木なのか全く分からないのですが、20メートルくらいあるんですかねぇ? アクションゲーム脳としては窓からこの木に飛び移って地面に下りたくなりますね。

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 あぁ、紅葉が美しい……。ホッと一息。
 この5号炉は時間が止ま……いえ、緩やかに時間は進み朽ちていっているのですが、外は当たり前に季節が巡っているのだなぁ。
 先ほどまで命の危険を感じていただけにより心に重く響いて来る気がします。

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 ……ちょっと待ってよ! さっさと進んで行くイケメンとガイド。一息つく間もありません。

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