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徒然なるままにインド④〜南から来たインドを北に受け流す:インド移動編〜
そこに行けばどんな夢もかなうというよ
誰もみな行きたがるが遙かな世界
その国の名は“ガンダーラ“
ゴダイゴの「ガンダーラ」はかっこいい。
殆どの楽曲が英語歌詞で時代背景を思うと前衛的だなぁと思いながら音楽アプリで聞いていた。
今はインドじゃないガンダーラ。
ムガール帝国くらいまでさかのぼれば、インドっちゃインド。
最遊記の三蔵法師御一行が目指していたのは「天竺」
天竺は古代インド全体を指すので、中国の唐からインドまで旅をした気まぐれでは済ませない根性ロードを制覇した猛者、玄奘三蔵。
最遊記の天竺は、ブッダの生まれたとされているナーランダー。
その道中にガンダーラもちゃんとあるんですよねぇ。
ヒンドゥー教がひしめき合っているのに仏教の聖地なんて事実が強いぜインド。
最遊記って言い方変えればブッダに沼った三蔵の聖地巡礼か。
そんな軽い言葉にしたら張り倒されそうだ。
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現ガンダーラは、今はアフガニスタンの辺りになるので行くことはかなわない。
漫画のゴールデンカムイに沼った時も、北海道から樺太を渡りロシアまで犬ぞりで向かう場面を読みながら似た気持ちになった。
時間が解決してくれる。
言葉の全てを信じてはいけない、自分の時間も考えると全ては有限なのだ。
いつかまた、誰もがみな行きたがる世界になればいいな。
楽しかったリゾートとお別れしてインドのガチ中のガチ、デリーに向かう。
コーチン空港からデリー空港まで飛行時間は4時間。
大陸の逞しさを感じる長さだ。
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女性は箱の中で女性職員に受ける
搭乗時間までを各々で過ごす。
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私は旅の友と連れ立ってコーヒーショップへ。
みんなアーユルヴェーダだ、自然派だとこだわる所はこだわるし、体をしっかりいたわる食事を心がけている。
田舎での目の覚めるようなデトックス生活、自然との共存、そこだけでしか得られない心の栄養も大切だが、少しでも都会風の風が吹くと私は一瞬で流されるのだ。
「カフェイン・・・濃いめのカフェイン!!」
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もうブラックに戻る
ナチュラルに生きていたいけど、洗練された深煎りコーヒーの濃いめのカフェインでしか得られない心の休息もある。
もともとがこっち側の人間だし、美味いもんはうまい。
無理をしてまで合わせない。
無理して笑って可愛いのは、ドラマの女優さんの演技だけ。
ここは言語も通じない異国。ノーメイクでスウェットにビーサンの私が無理しても何も起きない。
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天井からミストがでている
旅慣れているオーナーの「インディアナは好きじゃない」と少し肩を落としている姿を見て、イマイチだった航空会社エピソードってのも通っぽくていいな、と要らん事を学ぶ。
離陸前に駆けつけの昼寝をかまし、機内食に舌鼓を打つ。
しかし、何度か乗ったことはあるはずなのに、機内食がどんな感じか思い出せないなぁ?
ぼんやりしていると、ちょっと早口のCAさんに「ボナペティ」と書かれた箱を否応なしに渡される。
続いて謎のアルミホイルの塊をすごい速さで渡された。
バスケなら立派なポケットパス、コンパクトでスピーディに誰も気付かない速さで渡されたアルミホイルの塊は、出来立ての焼き芋状態だった!
あっつ!!!無理無理無理!!!
慌てる私を見て「そうでしょ?」とちょっと笑いながら、CAさんはドリンクを聞いてくる。
「えええ?とりあえず水!」「水はそこに入ってるわ」「じゃ、コーラ!」
ほかほかのアルミホイルを側に起き、やれやれ、と箱を開けて中身を見た瞬間、何かのシナプスが繋がった。
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私・・・知ってる。
このラップで包んで自宅から急いで持ってきたみたいなサンドイッチ・・・
ヨーグルト?サワークリーム?みたいな絶妙な味の白いソースにコーンが入ってて、独特の甘さに何度となく心を折られた。
苦手なものからは全力で逃げるか誤魔化す私は、多分毎回、このサンドイッチを記憶から消している。
デリーのハンドサイン
すったもんだしながら辿り着いたデリー。
空港に降り立ち、荷物を受け取ると旅の友たちが浮き足立つ。
「ここの空港は本当にすごいですよ!」
「私これ本当に好き!」
「なみさん、初めてでしょ?すごいよ!」
みんなの語彙力が「すごい」に吸い込まれる。なんだなんだ?そんなにすごいなら見てみたい!
テンション上げ上げでスキップ混じりに着いていくと、広いロビーが目の前に広がる。
うぉおっ!!高い!
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空港はどこも吹き抜けを採用しているように思うけど(那覇空港は違うな)理由があるのかな?背の高い外国人にも対応しているのか。
外国人どころか巨人もウェルカムという意味か。
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え?ハンドサイン?
試合中に声を出さずに指示を送るあれだな。皆んな徐に「キツネ」とか指遊びみたいに始まるあれ。と、活発な皆様も思っただろう。
これは「ムドラー」と言って、ヨガをしている人ならピンポンパンな、手や指でするハンドジェスチャー。
5本の指に意味があってその組み合わせで感情や、ヨガや瞑想中にエネルギーを取り込んだりするらしい。
親指がブラフマン(神)ヒンドゥー教の1番偉い神様で、その親指と他の指の組み合わせでパワーを高めていく。
デリーからの指示かと思った!
ハンドサインでもあながち間違ってはいない、と言いたい。
胃もたれするほど写真映え
南インドでサラサラカレーに胃を休まされていた私が、本場の北インドカレーと対峙する。
夜に大人気のレストランに連れてきてもらった。
イチローさん。
私はインドのバッターボックスもう一度立っています。
でも、心のバントのサインが消えません。
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とにかく大人気で人が絶えない
週末というのもあるが、夜の9時とは思えない大賑わい。
聞くと、インド人は夜からが本番らしい。
確かに熱い国の日中は歩けたもんじゃ無い。カンボジアは午後1〜3時は熱いから働かずにハンモックで寝るのが主流。
生きる知恵か。
名前を伝えて待つこと30分で入店!
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でも全部のオーダーと誰が頼んだのか暗記している
衛生面に配慮された配膳するスタッフは清潔感満載。
日本人も安心だが、地元でも人気ということはインド人もやはり安心なんだろう。
出てきたカレーは日本でよく見るスタイル!
だが、辛さのレベルは伊達じゃない。
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激烈に映えがギアを上げる
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インドの食器可愛いよなぁ
美味しいけど・・・辛い。
サラサラの南インドカレーに甘え切った私の舌が危険信号を出す。
とろみがあるぞ!少し脂っぽいぞ!おかげで辛さが口に残るぞ!
旅の友たちが「これは甘いよ!」と教えてくれたのをひたすら食べる。
ヨーグルトと混ぜるとマイルドにはなるが、スパイスの辛さは後から追いかけてくる。
少し遅れてくる辛さから逃れるため、早めに2匙目を口内に流す。
そして咀嚼しながら次を準備しつつ膝を叩いて辛さ(辛味は痛み)を分散。合間に甘い飲み物。
このスリーメンでしばらく回したが、辛味のスティールでターンオーバーを誘発。
正面突破されてタイムアウト・・・
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初球から無理はするな!と声が聞こえた
写真は映えないが、ケララのカレーの食べやすいことよ。
もうママに会いたい・・・だがニワトリ、てめぇはダメだ。
私は舌が赤ちゃんなので、苦いものと酸っぱいものも苦手。
レモンやライムの皮を炒めたり煮込んで出してくれるがこれも苦くて後から辛く、涙がこぼれそうになる。
そこに旅の友が甘いラッシーを与えるので、急激に整う。
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インドのストローはどこでも紙製
美味しいけど、美味しいんだけど!!
世界の壁は私には高いです、イチローさん。
「苦手な事は、得意なものに転換すればいいだけ。まずはバッターボックスに立った自分を褒めよう」
賢者タイムの私の心の中に住むイチローさんが親指をグッと立てた。
そうだよな!
美味しいと脳は感じてるから、きっと無理じゃないのよ。怖がりすぎだ。
きっとインド人だって辛い、だから一緒に甘い飲み物飲むんだし。
ここで無理したら明日が無くなる!
セーフティバントでいいんだよ!初球からやけど・・・。
結論、インドのレストランはサウナより整う。
人間っていいな
ケララのリゾートの余韻にまだ浸ってはいるが、都会のホテルは麻薬のような常習性がある。
ベットにマットレスある!停電がない!コンビニがある!ニワトリがいない!
寂しさも懐かしさも今は忘れ『便利』の2文字を全身で受け止める。
人間は残酷なまでに馴染む生き物だ。
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トイレにトイレットペーパーがある!
でもお尻用シャワーもちゃんとある!
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シャワーが、でる😳
実は、リゾートのシャワーがぶっ壊れていて、カランしか使えなかった。
滞在中はターミネーターのシュワちゃんの登場シーンみたいに、全裸に立膝スタイルで頭を洗っていた。
人生で1番インパクトのあるシャワーシーンを演出できて意外と満足しているが、はっきり言う、辛いもんは辛い。
まさか、インドのシャワーで立ち上がる日が来るなんて!
衣服を脱ぎ捨てシャワーの下に走りコックをひねる。
勢いはまぁそれなりだが、ほの温い優しさが頭から真っ直ぐ下までいきわたる。
もしも私が犬だったら、毛の奥まで水を届かせるのに時間がかかるし、シャンプーの濯ぎ残しが気になるが、人だから問題ない!
人で良かったなぁ。
人型哺乳類に生まれた自分に敬意をはらえたインドの夜だった。
南インド編・因縁のニワトリとの仁義なき戦い↓
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