翻訳者のそっちゃそ

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翻訳者/ 発音講座やってます: https://www.souta-maruyama-trans.com/hatsuon アンケート回答で無料レッスン差し上げます: https://forms.gle/ripC8i8CdUj1fahQ9

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英語学習は偏ったほうが良いし面白い

四技能まんべんなく鍛えるとか、インプットとアウトプットの比率を重視とか、文法、語彙、発音をもれなくこなすなど、学習のバランスを重視する人は結構います。 ただ、僕はこのバランス派の学習法についてはやや懐疑的で、特定の領域に極端に偏った方が、結果的に全体としての成果が出ると考えています。今回はこのあたりの話をします。 偏って問題になることはない まず、偏って何かが問題になることはありません。ものすごく狭い領域を深堀することはとても健全でよいことであり、周辺の知識もメニスカス

    • 意見と感想の違い

      僕は、ネットで価値あるコンテンツをつくるためには、役立つ意見を置くことが大事だと考えていますが、そのためには、意見と感想の違いをクリアにして、感想を置かないようにする必要があります。今回はこの話をします。 意見とは何か、感想とは何か 意見と感想は似て非なるものです。デジタル大辞泉の定義によれば: です。大きな違いは、問題(論点)があるかの違いで、論点があれば意見、なければ感想です。また、意見⊂感想と言っても良いと思います。 そして、論理的かどうかは関係ありません。問題

      • 僕がコンテンツを作るときに意識していること

        この記事では、僕がコンテンツ(YouTube動画、note記事など)を作成するときに意識していることをまとめています。マニュアル化して、自分自身で役立てるという意図もあります。 以下で示す内容はすべて、「情報を誤差なく伝える」という大目的を達成するための手段です。 程度の甚だしさを表す修飾語をなるべく使わない 「すごく大事」、「とても重要」など、程度の甚だしさを表す修飾語をなるべく使用しないようにしています。「すごく」や「とても」が具体的にどの程度なのかは聞き手の感覚で

        • 無料で英語学習は可能だが手間はかかる

          英語学習は無料でできます。僕も無料のリソースを使っていますし、効果があったと感じています。 ただ、何を参考にして、何を回避するかなどに関して工夫する必要があります。無料のリソースで学習をすすめて成果を出すにはこれが必須であり、今回の記事ではこの話題について話をします。 ネットは玉石混交 インターネットは玉石混交です。よい素材も転がっているのですが、それをよりわけてキャッチする必要があります。 そして、注意すべき点として、目立って表に出てくるコンテンツ、たとえば、再生数

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        記事

          気が付いたら英語ができるようになっていた、というのはあると思う

          世の中には、多大な時間、資金、労力をかけて英語学習に取り組んでいる人がいます。そして、その中の多くの人が、途中で学習を投げ出したり挫折したりしています。 その一方で、何もしてなさそうな人が、多言語に堪能だったり知識豊富だったりすることがあります。今回は、「気が付いたらその言葉をつかえるようになっていた」というのは、割とあるんじゃないかという話をします。 頭の良しあしは関係ない 言語を簡単に習得してしまう人は頭がいい、センスがある、と考える人もいるかもしれませんが、僕はそ

          気が付いたら英語ができるようになっていた、というのはあると思う

          翻訳会社は中抜き業者ではない

          翻訳業界では、手を動かして翻訳に取り掛かる人のほとんどがフリーランスであり、翻訳者のほとんどが翻訳会社の外の人です。そのため、翻訳会社と翻訳者の間の利害関係の一致がうまくいかない場合もあり、両者で足並みがそろわないことがあります。 そして、翻訳会社のことを「中抜き業者」ととらえる翻訳者もたぶん一定数いて、これが軋轢の原因になることもありえます。ただ、僕は翻訳会社が中抜き業者であるとは思わず、翻訳会社は「営業機能の代行業者」であると考えています。今回はこの点について説明します

          翻訳会社は中抜き業者ではない

          ○○か月で完成!系の英語学習サービスの怪しいポイント

          誰でも短期間で英語を身につけられることをうたうサービスは数多くあり、学習者目線からするとそのようなサービスは魅力的です。ただ、実際にうたわれる成果を出すことは不可能に近く、フロントエンドのメッセージと実態には乖離があります。 このような○○か月で完成!系のサービスは詐欺か詐欺まがいのサービスであることがほとんどです。この記事では、なぜ○○か月で完成!系が怪しいと言い切れるのかを説明しています。 短期間で成果を出すことはできるが、保証できない 僕は、数か月単位で成果を出す

          ○○か月で完成!系の英語学習サービスの怪しいポイント

          英語学習者の答え合わせ症候群について

          英語学習者で、以下のような心理を経験したことがある人は多いはずです: 自分の喋った英語が文法的に正しいか確認したい 発音が合ってるか確認したい この表現は合ってるか確認したい このような心理を僕は「答え合わせ症候群」と読んでいますが、答え合わせ症候群は学習の足枷になるため、取り除いた方がよいです。今回は、答え合わせ症候群の詳細と、解決策を説明します。 答え合わせ症候群の詳細 答え合わせ症候群になると、明らかに合ってる表現(Good morning など)しか使えなくな

          英語学習者の答え合わせ症候群について

          定型フレーズをたくさん覚える英語学習はおすすめできない

          役に立つ英語フレーズを覚えて、覚えた引き出しの中から瞬間的に取り出して使う、というアプローチは悪手です。今回は、フレーズ暗記による英会話攻略は悪手であること、英会話で表現の幅を広げるには、イメージを説明する手法を採用すべきである、という点を説明します。 自分の言葉として手に入れる 単語にせよ、句動詞にせよ、英文にせよ、口から自ずと出てくる状態になって初めて、習得した、といえます。英語とその和訳を覚えた段階は入口であり、その先にある、意味をイメージしたらその言葉が口から出て

          定型フレーズをたくさん覚える英語学習はおすすめできない

          日本語訛りの特徴について

          この記事は、「そっちゃそ発音講座」の受講者向けに公開しているものです。特に非公開にする理由もないので、広く役立ててもらう目的で公開しています。発音講座について気になる人は以下からチェックしてください。 英語の発音学習の取り組みを行う際、母語である日本語の特徴を理解し、その特徴が可能な限り混入しないように努力する必要があります。この記事では、英語発音の習得の際に抑えておくべき、日本語訛りの特徴を網羅的にまとめています。 よけいな母音の挿入 英語から輸入されたカタカナの言葉

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          英語のインプット重視かアウトプット重視かの議論は不毛

          英語学習で大事なのはインプットかアウトプットか、という議論は不毛です。バランスを取る必要もありません。今回は、インプット / アウトプットの比重を気に掛ける必要はなく、インプットとアウトプットの共通目標である英語の音と意味の理解を意識することが重要であることを説明します。 英語とは音である 実際に運用される英語は「気持ちが乗っかった音」です。僕はこれをラジオの変調・復調にたとえており、 変調=自分の気持ちを音にする 復調=音を気持ちに逆変換する というアナロジーがあ

          英語のインプット重視かアウトプット重視かの議論は不毛

          語学学習では近道をしようとするほど遠回りになる

          怠惰につけ込む英語系サービス、たとえば、「最短、最速、最も効率的」、「世界一やさしい」、「まったく新しい」、「○○か月で完成」などをうたうサービスは乱造されています。そのようなサービスをつかってまったく成果が出ないとまでは言い切れませんが、少なくとも、語学学習の全体像を俯瞰的に見た場合、皮肉にも、「最短を目指すと遠回りになる」ことになります。今回は、地道に長期的目線で語学学習に取り組むことが、結果的に効率がよい学習法になることを説明します。 最短をうたうサービスの特徴 根

          語学学習では近道をしようとするほど遠回りになる

          破裂音の気音化と閉鎖音化について

          この記事は、「そっちゃそ発音講座」の受講者向けに公開しているものです。特に非公開にする理由もないので、広く役立ててもらう目的で公開しています。発音講座について気になる人は以下からチェックしてください。 はじめに辞書に書いてある発音記号は、細かい違いを区別せず、似通った音をざっくりひとつの音として表記する簡略表記です。簡略表記は便宜上役に立つのですが、実際に運用される音を「ざっくり」捉えたものであるという都合上、細かい音声変化が発音記号に反映されていないという弱点があります。

          破裂音の気音化と閉鎖音化について

          英語の音素(母音、子音)について

          この記事は、「そっちゃそ発音講座」の受講者向けに公開しているものです。特に非公開にする理由もないので、広く役立ててもらう目的で公開しています。発音講座について気になる人は以下からチェックしてください。 前提英米の音に違いがある場合はその違いにも言及します。どちらが正解、不正解ということはありません。英米のちゃんぽん発音にしてもOKで、米式で話すなら英式の音を採用してはいけない、なんてことはありません。 母音以下では、英語で採用されている母音を網羅的に解説しています。/uː

          英語の音素(母音、子音)について

          英語の「動」と「静」を使い分ける

          時間変化に伴い形状や状態が変化することを動的(dynamic)、時間によらず同じ様相を呈することを静的(static)といいます。「動」と「静」を英語で明確に区別して使いこなすことは難しく、特に「日本語の英訳」から入ってしまうと意味のズレが生じてしまいます。今回は、英語の「動」と「静」の使い分けについて説明します。 日本語の英訳にとらわれてはいけない 日本語の英訳にとらわれていると、動と静を使い分けにくくなります。たとえば、「頼る」を英訳してと言われた場合、真っ先に de

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          オンライン英会話は語学学習の単なる一部分にすぎない

          オンライン英会話=英語学習ではありません。今回は、オンライン英会話は学習過程における手段のひとつであり、「英語学習といえばオンライン英会話のことである」という結論にならないことを説明します。 僕は知人友人から、「オンライン英会話始めたんだー」という声を聞きますが、そのような人がオンライン英会話の他に何かしている様子はありません。彼らにとって、オンライン英会話をすることが英語学習をすることになっていて、オンライン英会話を補助的に役立てる、という意識はたぶんありません。 オン

          オンライン英会話は語学学習の単なる一部分にすぎない