バカ って言うのをやめた日
小学1年生のある日を境に、私は他人に「バカ」って言うのをやめた。
今でも覚えている。学校で、給食の時間だった。
たわいない会話の中で、同じ班の女の子の頭を叩いてしまったのだ。「バカだなぁ」って言いながら、ポンポンと。
軽い気持ちだった。けれど、女の子は顔をくしゃくしゃにして泣き出してしまった。私は狼狽えた。
周りの視線が私とその子に向く。
「ごめんね、ごめんね…」
ただオロオロと謝ることしかできない私。
体中にショックが駆け巡った。
その子を泣かせてしまったこと。自分が、