TradingViewでアラートを自由自在に好きなタイミングで鳴らす方法
TradingViewでアラートを鳴らせるタイミングの例
TradingViewでアラートを出せるタイミングは、
移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスなどの
一般的なエントリータイミングだけではありません。
非常に多くのタイミングで
アラートを鳴らすことができるので、
TradingViewでは、あなたがアラートを出したいと思う
好きなタイミングでアラートを鳴らせると
言っても過言ではありません。
最初に、アラートを鳴らせるタイミングの
一例を簡単な図を使って説明します。
1つ目の例は、3つの移動平均線がすべて
ゴールデンクロス・デッドクロスしたときのアラートです。
上の図では、ⒶとⒷとⒸの3つの
ゴールデンクロスが発生したタイミングにアラートを鳴らします。
ⒶとⒷとⒸのどれか1つの
ゴールデンクロスやデッドクロスが起きた時に
毎回アラートを鳴らすのではなく、
ⒶとⒷとⒸの3つすべての
ゴールデンクロス・デッドクロスが起きた時だけ
アラートを鳴らす方法です。
次に、移動平均線の間隔が
一定以上広がったときに鳴らすアラートです。
ゴールデンクロスやデッドクロスした後に、
その2本の移動平均線の間の間隔が
指定した間隔以上に広がったときにアラートを鳴らします。
このケースでは、ゴールデンクロスが発生した後で、
さらにある程度トレンドが発達したときに
アラートを鳴らすことになります。
そのため、ゴールデンクロスやデッドクロスのダマシを
ある程度回避するためにこのアラートを活用できます。
3つ目に、移動平均線の間隔が
一定以下に狭まったときに鳴らすアラートです。
ゴールデンクロスやデッドクロスをする前に、
その2本の移動平均線の間の間隔が
指定した間隔以下に狭まったときにアラートを鳴らします。
このケースでは、下降トレンドが発達していたが、
もう少しで下降トレンドが終了する可能性がある場合に
早めに手じまいのアラートを出したいときに活用できます。
TradingViewでアラートを好きなタイミングで鳴らす設定をするために
TradingViewを使って自由自在に
あなたがアラートを鳴らしたいときに
アラートを鳴らせるようにするためには、
「Pine」という機能を使って、
新しい設定を作る必要があります。
「Pine(パイン)」とは、
TradingViewで使用できるインジケーターや
アラートを作成するときに使用する機能です。
上の赤い枠で囲まれたところに、
インジケーターやアラートを作成するための
Pineの命令文を入力して、好きなアラートを作ります。
Pineはプログラミングの一種なのですが、
簡単な命令文を2~3個覚えるだけで
移動平均線やアラートを作ることができますよ。
プログラミング未経験の方でも安心してください。
Pineの使い方はこちらの記事で説明しています。
あなただけのアラートを作成するための命令文
アラートを鳴らす命令文はこちらです。
この一文を入力するだけで、アラートを作成できます。
alertcondition(A, title='B', message='C')
この命令文は下の3つの意味を持ちます。
条件Aを満たしたときに、アラートを出します。
その時に、Cのメッセージを画面に表示します。
このアラートの名前(タイトル)はBです。
この命令文の中で一番大事になるのは、
アラートを鳴らすタイミングを指定する、
「A」の部分です。
次に、アラートを鳴らすタイミングを
指定する「A」の部分の書き方を説明します。
3つの移動平均線がすべてクロスしたときにアラートを鳴らす方法
3本の移動平均線が全てゴールデンクロスしたときに、
アラートを出す命令文は次の通りです。
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// c strain
//@version=5
indicator('alert', overlay=true) //この行で、インジケーターの名前を「alert」に指定。
//--ここより上は最初から書かれている、必ず必要な部分。------
//------------------------------------------------------------------
//--ここより下が実際に入力するプログラムの部分--------------
//--アラートに使用する移動平均線を3つ作成する-----------------
//---------------------------------------------------------------
malength1 = input(defval=5)
ma1 = ta.sma(close, malength1)
plot(ma1, color=color.new(color.red, 0), linewidth=2)
malength2 = input(defval=20)
ma2 = ta.sma(close, malength2)
plot(ma2, color=color.new(color.blue, 0), linewidth=2)
malength3 = input(defval=40)
ma3 = ta.sma(close, malength3)
plot(ma3, color=color.new(color.green, 0), linewidth=2)
//--------------------------------------------------------
//--アラートを鳴らすための条件を指定する-------------------
//---------------------------------------------------------
place1 = ma1 > ma2
place2 = ma1 > ma3
place3 = ta.crossover(ma2, ma3)
place01 = place1 and place2 and place3
//----------------------------------------------------------
//--実際にアラートを作成する命令文-------------------------
//----------------------------------------------------------
alertcondition(place01, title='3つの移動平均線がゴールデンクロス', message='3つの移動平均線がゴールデンクロスしました。')
このプログラムは、
まず、アラートに使用する
移動平均線を作成します。
その後に、アラートを鳴らす条件を指定して、
最後に、アラートを鳴らすための
alertconditionの命令文を書きます。
3つの移動平均線がすべてクロスしたタイミングを指定する条件の書き方のポイント
place1 = ma1 > ma2
place2 = ma1 > ma3
place3 = ta.crossover(ma2, ma3)
place01 = place1 and place2 and place3
3本の移動平均線が全てゴールデンクロスしたタイミングは
この4行の命令文で指定できます。
place1とplace2は、2つの移動平均線の大小関係を
比べてゴールデンクロスを起こしているかを判断します。
しかし、一番最後に交差する、
place3の最も平均をとる期間が長い
2つの移動平均線の交差に関しては、
ta.crossover文という命令文を使う必要があります。
ta.crossover文は、2つの線が
実際に交差した瞬間、その一瞬を表します。
これらの命令文を使い、
place01 = place1 and place2 and place3で
すべての命令文を組み合わせることで、
3つの移動平均線が全てゴールデンクロスした瞬間に
アラートを鳴らすことができるようになります。
移動平均線がクロスした後に、その間の間隔が1%以上広がったときにアラートを出す方法
移動平均線がゴールデンクロスした後に、
その2本の間の間隔が1%以上広がったときに
アラートを出す方法です。
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// c strain
//@version=5
indicator('alert', overlay=true)
//--------------------------------------------------------
//--アラートで使用する移動平均線を作成する。---------------
//----------------------------------------------------------
malength2 = input(defval=20)
ma2 = ta.sma(close, malength2)
plot(ma2, color=color.new(color.blue, 0), linewidth=2)
malength3 = input(defval=40)
ma3 = ta.sma(close, malength3)
plot(ma3, color=color.new(color.green, 0), linewidth=2)
//---------------------------------------------------------------------
//--2本の移動平均線の間の間隔が1%以上広がったタイミングを指定する------
//--------------------------------------------------------------------
percent = input(defval=1)
plus10 = ma3 + ma3 * percent / 100
place02 = ta.crossover(ma2, plus10)
//-----------------------------------------------------------
//--実際にアラートを作成する命令文------------------------------
//--------------------------------------------------------------
alertcondition(place02, title='ma2がma3より1%以上上昇して、離れた。', message='中期の移動平均線が長期の移動平均線の1%以上離れて上側に上昇しました。')
こちらも、まず、アラートで使用する
移動平均線を作成した後に、
アラートを鳴らすタイミングを指定して、
最後に、アラートを鳴らす命令文を1文、入力します。
移動平均線がクロスした後に、間隔が1%広がったタイミングを指定する条件の書き方のポイント
percent = input(defval=1)
plus10 = ma3 + ma3 * percent / 100
place02 = ta.crossover(ma2, plus10)
percentのところで、2本の移動平均線が
どのくらい離れたらアラートを出すのかを指定します。
今回は、「defval=1」なので、
1%以上広がった瞬間にアラートを出すことにします。
plus10の計算式
(ma3 + ma3 * percent / 100)の意味は
下記の通りです。
ma3の移動平均線の値を基準に、
ma3の移動平均線の値の1%上側の価格に
plus10という名前を付ける。
これで、もう1つの移動平均線(ma2)が
plus10の価格を交差して上側に上昇したら、
2本の移動平均線の間の間隔が
1%以上広がったことと同じになります。