私の留学日記③留学の舞台裏
珍しくチャレンジをためらった1週目
留学行く前は初日からわいわい仲良くなってたくさん話している自分を想像していました。でもフロリダについて最初に行ったSubwayで店員さんが言った"Would that be it?" が何言ってるか全くわかんなくて完全に英語に自信無くし、めっちゃ殻にこもってしまいました。
今回は、コミュニケーションは取れるけど何話したらいいかわからないし黙ってていいやとボッチかましていた私を変えてくれた、ある人のツイートと、キャンプを通して成し遂げたことのお話です。
打越雄允さんの存在
それは、國學院久我山高校から、Boise State University に進学し、現在も大塚製薬で実業団選手として活躍している、打越雄允選手のツイートです。
日本陸上界の高校トップレベルからNCAAにチャレンジした、数少ないロールモデルの1人です。
この人を知ったのは、Track Town Shibuyaのポッドキャストを聞いたのがきっかけです。ちょうど海外大への進学に興味を持ち出していた頃にこの人のお話を聞くことができて、とても強い印象が残っています。
もじもじしていた私を変えてくれたツイート全文がこちら。
これを見た瞬間ハッとしました。一度ブックマークをつけておいて、たまたまブックマークを見返したらこのツイートにもう一度出会って、なんて偶然なんだろうと思いました。でもよく考えれば必然だったのかもしれません。今の自分の状況にあまりにマッチしすぎていました。
これを見た次の日は、まずは同じハードルチームの子に話しかけてみよう、と少し勇気をもらえました。そのおかげで、なぜか一番目立つ集団の子たちにも声をかけられるようになり、たまたま持っていたスナップチャットのアカウントを交換したらキャンプチームのグループチャットに入れてもらえて、1週目最後の夜も皆で過ごす事ができました。
これができたのは、陸上という共通のパッションがあって、みんななんとなく似たような目標があるからこそ、リスペクトしあえる仲間という意識があったからなのかな、と思います。
少し吹っ切れた2週目
ここで勢いづいた私は、キャンプ2週目に突入し、部活動を通して養った「陸上の話題で話をつなぐ」という技をもちいて、いろんなチームメイトと話をすることに成功しました。チームメイトのシーズンの過ごし方とか、IMGに生徒として入学するのかとか。
今まで以上にコーチともコミュニケーションを取り、自分がどうしたいか、コーチが何を考えているのかの意見交換をしあったり、専門的な運動生理学の話、当初の目的であった日本とアメリカの比較をするために、アメリカの高校の陸上のシステム、大学のリクルートのシステムなどのプチ・ディスカッションを行いました。
そうして過ごしたキャンプ最終日、毎回その週のMVPみたいなのが3人ほど選ばれるのですが、まさか自分がその1人に選ばれました。
"Represent the ideal IMG students, and reach the next level of dedication and passion towards the practices"てきなことを言っていた気がします。
これはIMGの掲げる"Always reaching, Forever striving, Never satisfied" という校訓をキャンプを通して行動で示した証だそうです。
賞として、ゲータレードのGのマークがついたバックパックとメダル、そしてIMGのキャップを頂きました。
裏話として、IMGのディレクターにいろいろ質問できる日があって、その方が「お前黙ってないで質問ないのかよ〜」ってノリで聞いてきたので、「どうやったらスタンフォード大学にトラックのアスリートとしていけますか」って真顔で聞きました。そしたら、ベストタイム聞かれて、
「うん、400なら48秒切り、400Hなら54切りが最低限だな、すぐIMG入学の手続きしな。1年でそのレベルまで上げてやるから。あとは勉強頑張れ。」って返事が返ってきました。
これが最低限の記録なので、もちろんこれに届いたところで確実に入部できるわけではないです。ですが、無理な記録ではないなと思いました。特に400Hは目標タイムをこれくらいに設定していたので、急に夢が現実的な目標になりました。
最高の仲間、コーチ、施設との出会いが、自分の限界と思っていた幅を際限なく広げてくれて、自分もここを目指せる、夢で終わらせなくていいんだと思うことができました。むしろここからが自分の挑戦の始まりなんじゃないかと思っています。