満員電車の犯人は
今日は、『ファクトフルネス』からの言葉です。
満員電車でいつも不思議に思うことがある。まあまあの混み具合だな、という車内。また駅に着く、降りる人より乗る人の方が多い、ついに「ぎゅうぎゅう」になって、前の人の背中と後ろの人の鞄に潰されているとき、前の人がチラリと私を見るのだ。「誰のせいで私は潰されているのかしら?」と確かめるみたいに。
犯人は、私だ。だけど、チラリ、のあなたも、また犯人だ。私達みんなが毎日電車に乗り続けるから、今日も電車は空かない。
だけど私は、犯人じゃない。チラリ、のあなたも、また犯人じゃない。私が明日から在宅勤務になったって、電車は空かない。あなたが明日から長期の旅行に出ても、同じことだ。
犯人は、誰か一人じゃない。
でも、睨む相手が必要なのだ。目に見える具体的な敵がいなくちゃ、困るのだ。遣る方なき憤懣の出口を見つけることで、みんな少しだけほっとするのだ。
そうして怒りは縮まって、降車するなり散り去って、だからあしたも変わらずに、満員電車が来るのだろう。
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