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コンテンツ月記(令和二年、長月)

読んだもの、観たものをすぐ忘れちゃうので、ちょっぴりのメモで記録します(ちょっとだけ読んだものも、書きたいものがあったらメモする方針にしました!)

どんどん、「ちょっぴりのメモ」じゃなくなってきているけど(この記事…6000字以上あるんですけど…)、許してほしい!!!

==評価基準(特に記載したいときだけ)==
\(^o^)/ 乾杯。愛。最高の毒なり薬。
φ(..) 特別賞(今後思い出すだろうシーン有等)
==ココカラ==

■本

悔しみノート

最近は、記事を書いた後に読んだり観たりしたものの感想は次の号に入れよ~という方針だったんだけど、これは今!今皆さんにお届けしたいのよ!
ということで、ツイートした内容をぺたんこ貼り付けてみました。

ぐじゅぐじゅの生傷に触られるような本だった。
穂村弘さんのエッセイとかに心癒されている人にはきっと響くであろう本…。私なんか、よくわからない衝動に駆られて、自分の大学生の時の日記とか読み返したりしだしちゃったからね!!(そしてそこからあんまり進んでいないことにつらみが募り、「いや、しかし進んだとこもあるから!」って情緒不安定になっちゃったからね!!)

少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて

中高の6年間、山手線の中でほぼ毎日痴漢の被害を受けていた「元女の子」の語る経験談を基に描かれた小説。「元女の子」は、地獄のような日本から出ることを決めてフランスにわたり、そこで出会ったフランス人とこの小説を完成させた。フランスで発行されたのち翻訳されたのが、この本とのこと。

とにかく、つらい。読んでる間、ずっとつらかった。

30代の私もずっと死にたいけど、10代前半の頃はもっと状況が悪かった。
だって、家で心休まらなかったとしてもどうしようもないから。どこにも行けないから。

小説の主人公・クミは、初めて痴漢の被害に遭った日、そのことをお母さんに話す。きっと共感してくれる、一緒に悲しんでくれると信じて。しかし返ってきた言葉は、「あなたも悪いのよ。わかってる?

その地獄のような電車に乗らないと、学校には行けない。
学校の先生にどんなに被害を話しても状況は変わらない。
家にも、自分の味方はいない。

そんな状況で生きてきた人がいるのだ。そしてきっと、まだいるのだ。
日本は全然安全なんかじゃないと、改めて強く思った。

問題は、「じゃあどうするのか?」だ。
並べられることがあるけど、小児性愛者は、同性愛者とは違うと思う。子どもに触れたい・触れてほしいという欲望を実物の人間で満たそうとして行動に出たら、子どもが一方的に搾取されちゃう可能性が非常に高いから。(子どもが同意してることもある、と反論が来そうだけど、自分が何をされるのかわからない子もいるし(特にここが大きな違いだと思う!)、嫌われたくないからと受け入れちゃう子だっていると思う。)

前にこの↓記事を書いたときは、二次元の創作物でも、犯罪の引き金になるなら規制したほうがいいのでは?と考えていた。

でも最近、津島隆太さんのツイートを読んで考えが変わった。

規制することよりも、すぐ治療にアクセスできる状況をつくることの方が必要なのかもしれない…。でも自主的に治療に通う人はなかなかいないというし…うーん…。

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愛しのシャロン

フィクションのミステリー小説だが、新潟少女監禁事件の内容を大いに参考にしていると思われる。一人の男に長年監禁され、抑圧された少女時代を過ごした主人公に、再び恐怖が迫ってくる話だ。点々と生じてきた怪しげな気配が徐々に一本につながっていくところは、さすが。一気に読んでしまう。

フィクションだとわかっていても、監禁生活の詳細を読むのはつらかった。「歪んだ認知」について、実感がしみこんでくるような読み物を求めている方にはおすすめの小説。犯人の独白のような部分、ああ、歪んだメガネで見ると、こんなにも世界が違っちゃうんだ…と脱力する。

ただ1個気になる点は…、主人公が男性に(性的に)都合いい存在として描かれすぎだーーーということ。
そんなトラウマをかかえた人が、初めての性体験で、年上の男性の前でそんなに心を開けるとは思えないんですよ…。そこで冷めてしまったかな…。

■マンガ

※()内に数字があるものは、読んだ巻数。

ヤンキー君と白杖ガール(1 の途中まで@LINEマンガ)φ(..)

優しいヤンキーと、過保護なお姉ちゃんに愛されて育った弱視の女の子のラブコメ。

レンタルビデオ店に勤めることになったヤンキー君が、弱視のユキコさんのためにお店を使いやすくしよう…と考えていたら、結果的にお年寄りにも優しいお店になっていた、というくだりがあるんだけど、そのまとめに置かれるこのページ、とても好き。

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(『ヤンキー君と白状ガール』1巻より引用)

なんか…「お年寄りや障害を持つ人に優しい世界にしましょう!」って言うと偽善ぽく聞こえるけど、回りまわってそれって、「自分のため」なんだよね…。そもそも、明日交通事故で障害を持つ可能性だってあるんだもん。段差がすいっと越えられるのも、高いところにあるものが取れるのも、今、「たまたま」なんだよね(私は母ががんになって、食事が口から摂れるのも、まばたきできるのも、まったく「たまたま」なんだと学んだ…)。

あとは「過保護」が人の可能性を奪ってしまうかもしれないことも、押し付けがましくなく、温かく描かれている。

サラサラ読みやすいけど、毎回いっぱい学びのあるマンガ。

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後ハッピーマニア(1)

恋多き女・カヨコの暴走機関車っぷりを描いた『ハッピー・マニア』の続編。前作の21年後の世界…って書くと恐ろしくなりますが、時は流れたんですよ…。

フィールヤング本誌に載った第1話とすっかり違う内容だったので「?」と思ったが、本誌に載せた内容はプロトタイプで、この本には入らなかったようだ。

前にもちょこっと書いたけれど、『ハッピー・マニア』は全然、従来の恋愛マンガっぽくない。全然、「めでたしめでたし」にならないのだ。結婚する直前になっても、カヨコは「彼氏ほしい」と思っている。

続編にあたる今作でも、「結婚ってなんなんだ?」とずっと考えさせられる…。

前作でカヨコ大好きマンだった「タカハシ」は、今作でついにカヨコと結婚している。しかし、離婚しそうになっている。その理由は、「タカハシに、本気で好きな人ができたから」。カヨコは離婚を嫌がっている。でもそれは、「タカハシが好きだから」ではなさそうなのだ。いや、好きなのかもしれない、でも、それよりも、「自分が上に立っていたい」という気持ちばっかりが全面に出てる…。私はちょっとカヨコが不気味だ。感情を表に出す人ではあるけど、彼女の衝動の核になる部分が全然わからないから。彼女の葛藤が、あまりにも漠然としていてつかめないから。あ、ちょっと待って、今思い出したことがある…。

これだ!「愛がなんだ」について、スイスイさんとサクちゃんさんが語ってた記事だ!こちらの記事からちょっと長めに引用させていただくんで、まあ読んでくださいよ。

スイ:まずさ、この映画は「チーム残酷」と「チーム馬鹿」の話だったと思うんです。

チーム残酷とは。ふと気が向いた夜中とかに自分に好意がある相手を呼び出し、気が済んだら、帰ってと伝えるような。いわゆる「振りまわす側」であり「残酷」と捉えられがちなひとのチーム。

チーム馬鹿とは。そんなチーム残酷の人に好意をよせしたがい、都合のいい存在で居座りつづけるいわゆる「振り回される側」であり「馬鹿」と捉えられるひとのチーム。

〔中略〕

スイ:残酷側っていつも「心がない、サイコパスだ」的に決めつけられて、悪者じゃん。なんだけど、なんかそのチーム残酷側の生々しい苦しさも、この映画ではちゃんと描かれていて、それに胸を打たれた。

サク:ふむ…。

スイ:なんだろう、常に鬼畜みたいな。心がないからひどいことができるんだ!みたいな風に思われてるじゃん。

サク:まあ、支配はしてるよね。

スイ:でもさ、支配させてくれるくらいに従順で、全好意を向けてくる、ヤバい「チーム馬鹿」があらわれたら、やはりそれは麻薬みたいで、そこにハマっていってしまうのも、しかたないとおもうんですよ。その麻薬のせいで私たちは、自己嫌悪と、自己陶酔みたいなのの合間で常にゆれてる。

サク:わたしは、それぜんぜんわかんないんだよね。ちょっともたのしくない、支配。相手が自分のことを好きで自分はそう思えないとき、優越感みたいなものはわからなくもないけど、ぜんぜん楽しくない。相手に悪いなっていう良心じゃなくて、自分が楽しくないからしない。

スイ:ここ重要なんだけど、わたしも楽しくないよ全然。

サク:あ、そうなんだ???

スイ:たぶん幼少期かなんかにあいた、もっと「愛されたかった」なのか「寂しかった」のような心の穴を、埋めずにはいられないような感じになって、それでそこにチーム馬鹿の従順さをあてはめようとしてしまってるだけで。実際は楽しくもなんともないから、ずっと、虚しい、でもやめられない、みたいな。漠然とした地獄みたいな気持ちが続く。

(「【完全最高版】映画『愛がなんだ』にみる残酷なわたしのテーゼ」より引用。太字は原文ママです)
↑ついでに私のレビューも貼っておく…大変な映画でしたよありゃあ…

『後ハッピーマニア』は、チーム残酷のカヨコが、チーム馬鹿のタカハシに裏切られる話なんだ!!!
でも、カヨコがタカハシを必要とする、その寂しさの源がどこにあるかわからないから、不気味で怖いんだ!!(スッキリ)

『ハッピー・マニア』、結構忘れちゃったところも多いんだけど、そういえばカヨコの実家の事情とかはあんまり出てこなかったな。でもそこにこそ彼女の人となりをつくったヒントがあるような気がするんだけどな。…って、なんでもかんでも詳らかに語ってほしい!って願っちゃう私には、わかりやすさ至上主義のこの時代の毒が、すっかり回りきってしまってるのかな…。

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オリエント(1~2)@LINEマンガ

1巻は前に読んだことがあって、そのときはあんまり響かなかったんだけど、2巻まで無料で読めたので読み直し。

キャラクターデザインは『マギ』の方が好きだけど、背景とか世界観の作りこみはさすがです。細かいところが美しくて目が楽しい~。和な建築物の装飾が好きな人におすすめの作品。

そして、2巻の途中からは初めて読んだけど、「さすが大高さん!」な展開だった。この作者さんは、人の心を無理やり支配する人の描き方がほんとにうまい。ただ厳しくするだけじゃないんだよね。「お前にはここにしか居場所がないぞ」って孤立させて、時々飴を与えるの。ファンタジー的なカタルシスももちろんあるんだけど、とっても寓話的だと思う。

そして『マギ』同様に、1人の『正しい人』に従って社会をつくることの危うさについても、指摘していく予感がしている。

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しんどい母から逃げる!!~いったん親のせいにしてみたら案外うまくいった~φ(..)

田房永子さんには全幅の信頼を寄せているので、読んだ(Kindle Unlimitedに入っていたから。やったぜ!)。

親との関係でつらかったことがある人はぜひ一度読んでほしい!目から鱗ぼろぼろなコミックエッセイだった。特に印象に残ったところを数点。

不安を「まき散らさない」
自分で「不安」を持っておくことができず、人に押しつけまき散らして、相手の不安は絶対に受け取らない人がいる。

なんでも相手に話してしまい、意見を尋ねるが、本当は同意しか求めておらず、同じ意見でいてくれないとパニックになってしまう。

田房さんは、お母さんや友人に不安をまき散らされることに困っていたが、同時に自分も「まき散らして」いることに気づく。そこで、不安に自分で向き合って、まき散らさないようにしようと決める。

→めーーーっっっちゃわかる…私も、不安を自分で持っておけないタイプです…これは、「溜め込まない」こととは違うよね…。どうやったら自分で不安に向き合えるか、もっと研究してみよう。

親と距離を置くことは「逃げる」ことではない

「逃げてる」は本当によく使われる言葉だけど そもそも自分を押し殺して”ないこと”にして親とつき合っていたわけで そこで限界を感じて 自分の本当に取り組むべき問題に取り組んでる人に対して「逃げてる」って表現おかしいんですよ
(『しんどい母から逃げる!!~いったん親のせいにしてみたら案外うまくいった~』より引用)

理由があれば、介護は「しない」という選択もできる、ということもこの本で改めて教えてもらってほっとした…。

・「あの人の親よりうちの親はましだから、悩んでしまう私は甘い…」と思う必要はない!
大事なのは、自分がどれくらいつらかったか。つらさを人と比べることはできない。

→自分のつらさを認めていいんだ、と安心すると同時に、自分の心を守るために「恵まれててよかったね」と時々人に言ってしまうことについて、よくないな、と反省した…。

あとは、ワークショップに行ったり占いに行ったり、一見「ちょっと怪しいかな?」と思うものにも、(納得できる金額の範囲であれば)まずは手を出してみて考えてみてもいいのかもなーと思った。

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五等分の花嫁(1)@LINEマンガ

話題になってたマンガがLINEマンガで1巻だけ読めたので、試しに読んでみる。五つ子のかわいい女の子たち(←ちなみに同級生)の家庭教師をすることになった男子高校生のラブコメ。

う~ん…絵はかわいいなあと思うけど、1巻を読んだ限りだと登場人物の魅力があんまり感じられなくて、ハマれなかったかな…。特に主人公の魅力がよくわからない、というのが致命的かもしれない…。

あとは、どうしても女の子たちのビジュアルが記号的すぎてちょっとつらい。

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彼氏彼女の事情(11~13)@LINEマンガ\(^o^)/

こちらも、再読中のマンガ。読み進めるごとに、このマンガのテーマは…「愛と孤独」じゃないかな、って思いが強くなる。「愛」といっても美しいものだけじゃなくて。受け取り手を押しつぶしてしまうような、痛々しい愛も描かれている。

11巻・12巻は、芝姫カップルが中心の話。
「愛」の向かう先は「人」だけじゃないんだよな、「創作」に愛を注ぐ人もいる。そして、「創作」に「愛されてしまう」人もいる。有限な人生の中で、創作に魂をつかまれた人たちは、大事な人にかけられる時間を削るしかなくなっていくんだよね…。このあたりの切なさとどうしようもない芝姫の孤独、読んでいてずっと痛かったです。主人公カップルじゃないエピソードでこんなにどっしりした話が濃厚に描かれるの、すごいよなあ…。

13巻からは、いよいよブラック有馬編へと突入ですよ…。細部は忘れちゃったけど、ここから重い展開になっていくんだよな…。

アダルト・チルドレンについて知った今読むと、有馬への感情移入が前と全然違う。有馬には、両親と宮沢しか見えてないけど、あさぴんがどんなに彼を支えているか…(これは私にも言えるな…、とっても孤独に思うことが多いけど、助けようとしてくれてる人はたくさんいるんだ、ちゃんと覚えてなきゃいけない)。

↓いつまで有効かわからんですが、今なら無料で1~5巻が読めるっぽいぞ!

今のところ、LINEマンガからなら最後まで無料で読めます!!ぜひ読んでほしい!!!

一応11巻も貼っておくよ~

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ストロボ・エッジ(1)

「少女マンガには魅力的な男の子がよく出てくるけど、そういう子に彼女いることって普通にありそうじゃない?彼女もちの男の子に恋した女の子の話を描くのはどうかな?」というコンセプトで、始まったマンガだったと記憶している(私の記憶が間違いじゃなければ!)

ということで一回は全部通しで読んだことがあるんだけど、マンガMeeで再読している。

1巻は、まだちょっと絵がぎこちないところがあるなあと思うけど、高校時代の何か起こりそうな、前向きでさわやかな空気のことを思い出せて、読んでて幸せになった。


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