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#52【陽経治療】陽系治療の原則について

最近勉強している陽経治療の原則について紹介します。
陽経治療とは、陽経脈の圧痛を見つけて瀉法を行うというものです。
今は小出しにしていますが、いつかまとめた記事を書きたいとは思っています。


1.瀉法は一肢に一穴が原則

患者が訴える痛みに対して用いるのは、痛みがある経脈上で最も圧痛が強い一穴です。
一側の上肢あるいは下肢の2本の経脈を使ってはいけません。
また同一系脈上に2穴以上瀉法をしてもいけません。

膝と足関節が痛いというように同一の下肢に2点以上痛みがあったとしても、胃・膀胱・胆のどれか一経脈のみを選択して瀉法を行わなくてはなりません。
こういう場合は一経脈に瀉法を行うことで両方の痛みが改善するということです。

2.同一経を両側で用いることはない。

人の体は左右で陰陽に分かれていますので、同じ経脈や経穴を両側で用いることはありません。

例えば右上肢の大腸経を瀉したのであれば、左上肢の経穴は三焦経か小腸経から選択しなくてはなりません。

3.三経(三肢)以上の陽経に瀉法を行ってはならない。

患者の求めに応じて、瀉法をしすぎるのも良くないといいます。例えば両上肢と両下肢すべてに瀉法を行うのはやり過ぎです。
その理由は、体幹と四肢がこれまた陰陽の関係であるためです。四肢の全てに瀉法を行うと体幹とのバランスが崩れるというように考えます。

杉山先生によれば、3ヶ所目の瀉法も気をつけるべきだと言います。
瀉法をするにしてもごく軽い刺激にすべきでしょう。

4.陰経の流注部位に痛みがある場合は、原則としてその経と表裏関係にある陽経を用いる。

もし痛みがあるのが陰経の流注部位だったとしても、原則として陽経に圧痛点を求めます。その際は、痛みがある陰経と表裏関係にある陽経から圧痛点を探します。

例えば母指球に痛みがある場合、肺経の痛みと判断しますが圧痛点を探すのは表裏関係にある大腸系の要穴からです。

5.おわりに

以上が四原則です。
この四原則に基づいて治療を実施すれば、痛みを主訴とする患者の70パーセント以上を治すことができるそうです。杉山先生、大した自信です。

陽経治療の効果の程は薄々実感しているところです。
クラスメイトの頚の側屈の痛みは、胆経の丘墟(原穴)で改善しました。
同じくクラスメイトの肩の外転の痛みは、三焦系の外関(絡穴)で改善しました。
しかも刺鍼をしたわけではなく、指やペンで押さえたくらいの刺激で、です。

八脈交会穴治療もそうですが、明らかに変化を観察できるのはとても面白いですね。

参考図書・文献
杉山勲、鍼灸院の患者が増える 即効・陽経治療、2009、源草社

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