「学校」で人生は決まらない。ホームバディで出会った、魅力ある子どもたち
<このnoteは、コーポレート・コンシェルジュの田中水美(みなみ)が書いています。>
コロナの緊急事態宣言が出てしばらく経った頃。
YourConciergeでは「ホーム・バディ」サービスを開始しました。
ワーキングペアレンツからの声をお聞きしローンチした、初めてのお子さま向けコンシェルジュサービスです。
「在宅勤務をしながら、子どもの勉強まで見る余裕はありません。
でも学校からは、どっさり課題が出ていて・・」
「誰か、代わりに子どもの勉強のスケジュールを立てて、課題に取り組むよう声がけしてくれないでしょうか。」
そこで、契約企業従業員本人に対して行なっていた対面サービスや、メールと電話で相談にのっていたコンシェルジュサービスを、
従業員のご家族、お子さん向けに始めることにしました。
コンシェルジュだからできる「バディ」としての役割
コンシェルジュは塾の教師ではありません。
特別な資格を持った専門家やカンセラーでもありません。
前職で教師経験者やアウトドアコーチ、元保育士や元学校司書経験者もいますが、ホーム・バディでは、そうした「子どもを指導する立場」としてではなく、一緒に話ができる大人、サードプレイスにいる斜めの関係性にあるバディとして接することを大切にしました。
withコロナにおいても、これから訪れるafterコロナにおいても、オンライン教育は今より進んでいくでしょう。
子どもたちは以前に比べ、リアルな対面でのコミュニケーションが減り、
親以外の大人と接する機会が大幅に減っていくと予想されます。
家庭で過ごす時間の増加は、成長期にある子どもにとっては親子関係が濃密になり過ぎ、それによって双方にストレスが溜まる状況を招くかもしれません。
だからこそ、信頼できて気軽に話せる利害関係のない大人の存在は不可欠。
「コーチ」「人生のファシリテーター」としての役割を専門家としてではなく「バディ」として行ったことで予想外の好反響と、新しい発見がありました。
「同世代の子と分かち合えなかった専門的な話」をしたかった昆虫好きの男の子や、フリースクールに通う精神年齢も思考も非常に大人びた女の子。
「学校」と言う一斉教育の場での居心地悪さを多少なりとも抱えていたかもしれない子たちから、バディが絶賛されたのです。
自分の「やりたい!」を知っている
大人とごく普通に会話でができる。
こうした子どもたちに共通する特徴です。
もちろん、語彙力にはまだ未熟さもあり、説明が行ったり来たり。
会話の途中で、ふと考え込んで沈黙が続くこともあります。
けれども、驚くほど会話の成熟度は高く、
こちらが「子どもだから」と言い方や表現を考える必要などない、
そんな子どもたちでした。
同年代の子ども同士の間では、もしかしたら
「目立つ子」ではないかもしれません。
言葉数が少ない印象を持たれていることも考えられます。
けれども内に秘めた想いは強く、それを発散できる場所を求めています。
自分の「好き」や「やりたい」をすでに見つけている子たちでした。
そして、それを学習とどう結びつけ、
「好きなこと」を将来にどう仕事として開花させるか。
そこまで考えている小学4年生の女の子にも出会いました。
学校ではなくフリースクールに通っている、才能溢れるお子さんです。
自宅学習について、どうして家での勉強が大切なのか、
勉強とは人生においてどんな意味を持つのか、
そんな話をオンラインZOOMを使ってしました。
ゲームの時間が初めて減った!
子どもたちが「親には話さないこと」を
バディに話してくれることもありました。
「ゲームばかりで勉強をしてくれない」と嘆いていた親御さん。
話をすると、「どんどん達成されていく快感」が気持ちよくて
ついゲーム続けてしまう、離れがたいという、
お子さんの本音に辿り着きました。
だったら、勉強もゲームみたいに・・・。
先にゲームを始める時間を決めてから、勉強を始めてみようか。
バディの声がけで、ゲームをする時間が圧倒的に少なくなり、
自分から課題をこなすようになっていきました。
「なんて子どもに言ったんですか?私が言っても全然いうことを
聞かないのに。」
親御さんの嬉しい驚きです。
ピアノの練習をなかなかしなかったお子さんには、
弾けるようになったらホームコンサートを開いてみたら?という
提案をしました。
モチベーションの維持には、目的が必要です。
画面の向こうで生き生きと自分のことを喋り、
出会いを喜んでくれた子どもたちのことを、
コンシェルジュメンバーは忘れません。
ファンになってもらえたお子さんからは、次の相談もやって来ます。
闇雲に「勉強しなさい」ではなく、
「勉強しないと**中学校には入れないわよ」でもなく、
「子どもなんだから勉強が仕事なの!」でもない。
自分が子どもだった時、もしこんな大人がそばにいて
自分の中にある言葉にできない想いを引き出していてくれたら、
もしかしたら進む道が変わっていたかもしれない。
そんな自分たちの体験を振り返りながら、子どもと話をしよう!と
バディチームで話し合った結果決めた方向性は、
子どもたちとのコミュニケーションを通じて
今の世の中にあるようで存在しなかった、
これからの教育に必要なサービスだという確信と気づきをくれました。
オンライン教育が今後ますます進んでいく日本で
必要とされる大人は教師や塾の先生だけではなくなってくるでしょう。
リアルな場でのふれあいが少なくなり、
「見よう見まね」や大人との会話から小さな発見や気づきを繰り返すことで
ぼんやりとしていた将来に輪郭が見えてくる体験が無くなりつつある子どもたちには、丁寧に寄り添いコーチングの役割を担う第三者が必要です。
子ども達の心身の成長に、
大切な役割を果たすことができるかもしれない、ホーム・バディ。
第三者的立場の大人だからこそできる「心を開く」サポートができると信じて、コンシェルジュサービスはワーカーの私生活に存在する大切な子どもたちへ今後もサービスを続ける予定です。
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