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<読書録:「HARD THINGS」答えがない難問と困難に君はどう立ち向かうか>


<読書録:「HARD THINGS」答えがない難問と困難に君はどう立ち向かうか>

経営者は冷酷でないと成せないのか?
金の亡者が経営者になるのか?
社員を使い捨ての駒のように思っているのか?
驕った経営によって会社を倒産させるのか?

本当にそうか?

確かにその場合もあるのかもしれない。
が、全くもってそれだけでは無いなと。あまりにも早い市場やライバルへの対応。
社員全員が路頭に迷うかもしれない経営の瀬戸際におけるプレッシャー。
「もしかしたら間違っているのかもかもしれない、ただそれは誰にもわからない」という状況。
自分たち一社員からは想像ができないような、誰にも転嫁することのできない責任。

「今いる社員のために会社を存続させる」ために苦しみながら悩みながら意思決定を下している。

創業経営者についての理解、大手企業とスタートアップの違いも含めた経営そのものを理解できる内容で、営業に生きる要素は多いし、自分の所属する会社について、不満があっても「もしかしたらこういう状況なのかも」と、なんとなく歩み寄れる。

経営者になりたい人には想定される困難への心構えとか一部ハウツーもあるし、何より「経営者というものの過酷さ」が身に染みてわかる一冊になってました。

もちろんお金のためだけに会社経営してる人達ばかりじゃないけれど、経営者の誰しもが一律に尊敬に値するわけでもないけれど、
そりゃ経営軌道に乗せられたら、それまでの苦労に見合うお金沢山貰って当然だと思いました。


 
<(創業)経営者を理解する>

~文章抜粋~

吐き気と悪寒。起業を経験したことがある方や、リーダーの多くが同じような状態に陥ったことがあるはず。

なぜなら同書に書かれていることはすべて程度の差こそあれ、起業家や経営者が必ず体験したであろう話だからだ。

我々の運命を考えるととても眠るどころではなかった、私はなんとか気分を高めようとこう自問してみた。「起きうる最悪のことはなにか?」帰ってくる答えはいつも同じだった。「倒産し、母を含めて全員の財産を失い、ひどい不景気の中で、一生懸命働いてくれた人たちを全員レイオフしなければならず、私を信じてくれた顧客全員が困難に陥り、私の評判は地に落ちる」もちろんその質問で気が楽になったことなど一度もなかった。

私がCEOであり、同社が上場企業であったため、私以外には全体像が見えていなかった。私は会社が極めて残酷なトラブルに陥っているとわかっていた。私以外にこのトラブルから会社を救える者はいない。私にはあらゆるデータと情報が必要だったが、会社の方向性に関する提言はいらなかった。戦時に、会社が生きるも死ぬも、私の決断の質次第であり、その責任を回避したり、緩和したりする術はなかった。私が雇い、会社に命を預けた人たち全員が、何の成績も出ないまま家に帰されるようなことがあれば、私にできる言い訳などは何もない。

「ひどい経済環境だった」「アドバイスが悪かった」「物事の移り変わりが速すぎた」などというセリフは許されない。選択肢は、生き残るか完全崩壊のどちらかだ。



 

■経営者の置かれている状況を理解する

ITベンチャーをはじめ、テクノロジーの発達スピードや、今のビジネストレンドの移り変わりの速さ変化のスピードは非常に速い。

テクノロジーのライフサイクルはもはや2年とまで言われている。いかに素早く市場を確立するかが会社の生死に非常に重要になってくる。

そして今やビジネスはとてつもなく複雑になっている。テクノロジーが動くとライバルが動き、市場が動き、人が動く。その結果スタートレックの3次元のチェスのように常に打つ手が無数に出てくるのである。

破壊的イノベーションが起きやすい現代において、たった一つの意思決定が、市場の変化が、取りこぼしがスタートアップの生死に関わる。

非常に複雑で流動的な問題には決まった対処法はない。ハイテク企業を作るマニュアルなどない。人々を困難から脱出させるためのマニュアもない。

 


■スタートアップ企業(特にIT系)の生き残り方は「10倍の性能で市場を素早く制圧すること」

現在普及している方法よりも10倍効率的な製品を生み出すことが必要。

2倍や3倍くらいでは既存製品から十分な数のユーザーを十分なスピードで乗り換えさせることはできない。意味のある規模に成長することはおぼつかない。

特にテクノロジー系のスタートアップにとって次に重要なことは目指す市場を制圧すること。何かを10倍効率的に成し遂げる方法を発見したとしても同時に同じことを考えついたライバルが存在する可能性がある。だからライバルが市場を制圧する前に、自分達が制圧しなければならない。10倍も優れた方法などというのは滅多に生まれるものではない。だから既存のライバルを打ち負かすのは簡単だが、ライバルがその10倍優れた方法でいったん市場を制圧してしまったら、これを打ち負かすのは非常に困難だ。

企業文化は問題に良く上がるが、この二つの目標を達成できないようならそのスタートアップは企業文化を問題にしても意味がない。

世の中には一流の企業文化を持ちながら退場を余儀なくされた企業が無数にある。


 

■何を壊してもいいから全速力で動け

イノベーションを起こすことが最優先。時間との勝負。組織の多少の破壊よりも、会社の生き死にのほうが重要度が高いのは当然である。

 


■経営者として最も困難なスキルは自分の心理のコントロール

能力の高い経営者も、心理的困難に陥ることが多々ある。それはなのか?

誰にも責任を転嫁できない。自分以上の会社の責任者がいないからである。

そして経営者というその立場にいることが社内外含めた利害関係の中で、諸々の事情を複雑にする。(発言の一つ一つが社内で軋轢や、株価に影響を与えたりするため)

CEOとは孤独な仕事である。会社の生死にかかわる、社員の多くに悪い結果をもたらす可能性のある問題を冷たく客観的に検討することが求められ、そして意思決定をしなければならない。

それらの問題は取締役会や部外者に助言を求めてもおそらく無駄に終わる。その問題に対するCEOとそれ以外の人々の知識の差は大きく、外部の人に役立つ助言をしてもらえるほどに詳しく事情を説明することはおそらく不可能である。

もうこんな仕事は投げ出したいと思う瞬間が繰り返し訪れる。事実多くのCEOがこの圧力に負けて酒浸りになったりやめていく。

成功したCEOの共通点は「いかなるつらいことが起きようと投げ出さなかった」ということに帰結する。

 


■CEOにとって一番重要なこと

上記を踏まえてCEOのパフォーマンスを一番正確に評価する要素は意思決定の質とスピード

知性と論理と勇気の最高水準の組み合わせから偉大な意思決定が生まれる。

 


■CEOの資質

理想的なCEOのタイプというものは存在しない。とはいえ共通点はある。

①     ビジョンを生き生きと描写できる能力

興味深く、ダイナミックに、かつ説得力を持ってビジョンを描写できるか?会社が危機にある時にそれができるか?会社が財政的に行き詰まり多くの社員が会社にとどまる理由を見出せなくなっているときに、CEOは社員が会社にとどまることを選ぶようなビジョンを語れるだろうか?

②     正しい野心

誤解があるが、CEOになるには利己的、冷酷、非情な人間でなければならないということではない。まったく逆でCEOのために働きたいと思えるような人間でなければならない。真に偉大なリーダーは周囲に「この人は自分のことよりも部下のことを優先して考えている」と感じさせる雰囲気を作り出す。

③     ビジョンを実現化する能力

純然たる経営能力を持っていることももちろん重要

 


■平時のCEO(成長が順調で安定しているとき)と戦時(会社の生存がかかっているタイミング)のCEOは求められる能力が異なる

<なぜか>

理由は平時と、戦時では根本的に異なる経営スタイルを必要とするため。

【平時】

・平時のCEOは会社が現在持っている優位性を最も効果的に利用し、それをさらに拡大することが任務だ。そのため、平時のリーダーは部下からできる限り幅広く創造性を引き出し、多様な可能性を探ることが必要となる。

・平時のCEOは「勝利の方程式」を知っておりそれに従う。

・広い視点で対局を見るが、実施の詳細については部下に大幅に権限を委譲する。

・大量の人材を採用できる効率的なリクルートマシンを整備する。

・企業文化の育成に努める、自社の優位性の活かし方を知っている。

・部下が創造性を発揮して真剣に努力をしている限り指示に反する行動も許す。

・社内紛争を最小限に抑えようとする。

・広く支持を集めようとする

・目覚ましい大胆な目標を設定する

・社員の自己実現と適切なキャリアパスのために研修を提供する。

 

【戦時】

会社にすでに生き残る方法が一つしか見えていないとき、余裕がない状況では、その一つを必中にするしかない。社員が任務を死守し、厳格に遂行できるかどうかに会社の生き残りがかかることになる。会社の倒産まで数週間という厳しい状態にあるときに、再生プランを厳密な正確さで実行できなければならない。こうした場合に個々人の創造性が発揮される余地はほとんどない。

・戦時には既成概念を打ち破らねば勝利できない。

・根本的な問題にかかわるのであれば権限移譲やチリ一つ放ってはおかない。

・大量の人材を採用できる効率的なリクルートマシンを整備するという同じことをするが同時に人事部門は大規模なレイオフを断行しなければならない。

・戦時は生き残りをかけた闘争に自ら企業文化を作らせる突発的非情辞退に対応するプランを用意する。

・偏執的。意識して罵り言葉を使う場合がある。

・部下の命令のわずかな逸脱も許さない。

・生き残るためなら対立をいとわない。極限まで推し進める

・部下へのコンセンサスづくりに時間を割かず反対も許さない。

・戦いに備えて会社がなくなってしまうことが無いよう社員を鍛える。

 

※そして平時、戦時のどちらでも優秀なCEOというのはまずいない。

 



~~その他気になったポイント~~

<採用>

■採用するときのポイント:


①短所のない人で見るより、「強みがなにか」で人を選ぶことが大事。

完全な人間等いない。だから弱みがないことではなく、強みが何かで人を見るほうがいい。

誰にでも弱点はある。人によって見つけられやすさに違いがあるというだけだ。弱点のない人間を雇おうとすることには、心地よさを最優先することを意味している。

 

②幹部採用は正しい野心家を採用せよ

会社の勝利を第一の目標とし、その副産物として自分の成功を目指すような人物。それに反して、悪い野心家は会社の業績がどうあろうと自分個人の成功が第一というタイプ。

一般社員の場合はそれぞれが独自に自分のキャリアパスの充実を考えてもよいが、経営に携わる上級社員の場合には動機が重要だ。間違った動機を持った人物に正しい結果を期待するのは危険な考え方である。

 


■大企業の幹部が小さな会社で活躍できない理由

大会社の幹部の仕事は小さな会社の幹部とは全く違うため。

何千人の者社員を率いていた時、私の時間に対して驚くほど多くの要求が寄せられた、誰もが私と話す時間を確保しようとした。小さな会社が私と手を組みたがり私に会社を売ろうとしたりした。部下たちは私の承認を必要として他部門は私に協力尾選ぶことが絶対的に重要だ。

受け身な姿勢と能動的な姿勢の差。

 

大手企業の幹部は既存ビジネスの最適化と調整に費やされた。仕事のほとんどが受け身になる

・ペースのミスマッチ。待つからだになっている

・スキルのミスマッチ

複雑な意思決定、優先順位付け、組織設計、工程改善、組織コミュニケーションといった作業が非常に得意になる傾向があるが組織の立ち上げ時には、編成すべき組織も、改善すべき工程もなく、組織内のコミュニケーションも単純。

ゼロから工程を作り、新しい方向性や作業に非常に創造的でなければならない



<CEOにもタイプがある>

【ワン型】

社員、顧客ライバルその他内外の様々な情報源から情報を収集することに時間をかける。ワンは決断を下すことが好きだ。完璧にジュ応報を集めようとするが、必要とあらば、ほんのわずかしか情報が得られなかった場合でも決断をためらわない。ワンは戦略的思考に優れ、手ごわいライバル相手に8次元のチェスのような複雑極まる勝負をするのを楽しむ。しかしワンは会社を運営するうえで極めて重要なプロセスのデザイン、社員教育、訓練、組織作り、責任分担、パフォーマンス管理といった日常実務には退屈してしまう傾向がある。大部分の創業CEOはワン。創業CEO失敗する理由の多くはツー型の任務を果たせるよう伊豆殻を鍛えるために十分な時間を割かなかった点にある。その結果会社は潜在能力を発揮できないままに混乱状態に陥り、CEOは交代を余儀なくされる。

ワンは勉強、読書、施策のために週に丸一日くらい充てる。

 

【ツー型】

ツー型は逆。会社を能率的に運営するプロセスを完成させることに喜びを見出す。ツーは明確な目標を設定する。よほどのやむをえない事情がない限り、その目標を変えることを好まない。戦略的な議論にも参加するが、自ら戦略的に思考するのは苦手。

業務プロセスの改良、社員の責任分担の明確化、売り込みの電話などを一瞬の滞りもなく進めていくことが最優先で、じっと戦略を考えるなどは時間の無駄に思える。ツーはワンより大きな決断を怖がる。決断が遅く、肝心な時に会社の動きを止めてしまうこともある。

 

※戦時はワン型が活躍する。とはいえ優れたCEOになるにはワンとツーの双方の能力が必要。後天的に身に着けていかなければいけない。

 


■組織として見るときに

CEOがワンである場合は、直属の部下にワンがいると、CEOの指示を無視して独自に決断をしようとすると生産性に悪い影響がでる。

こうしたリーダシップの不統一は組織を混乱させ、部下をばらばらの方向に走らせることになる。

そのためワン型の優れたCEOは部下にワンであるが、ツーとして機能する人を欲しがる。

 



<企業成長に合わせた組織の意思決定の仕組みづくりとポイント>

■会社の拡大成長に伴う組織の劣化を防ぐプロセスとポイント

組織内コミュニケーション、共通認識、意思決定

これらは会社の規模の成長の中で管理がしきれなくなることにより、劣化してしまうどうしようもないことだが、ある程度劣化を防ぐ、遅らせることは可能。

プロセスとポイント:

①     どの部分に最も強いコミュニケーションが必要か。まず一番重要な知識をリストアップし

その知識を誰が共有しなければならないかを検討する。

たとえば、ある製品のアーキテクチャはエンジニアリング、品質管理、製品マネジメント、マーケティングセールスの各部門に理解されていなければならない。等

②     どんな意思決定が必要なのかを検討する

機能、アーキテクチャ、サポート補法の選定のように、繰り返し頻繁に行われる意思決定を洗い出す。関連ある問題については一人の管理職がなるべく多くの意思決定を行えるように組織をデザインする。

③     最も重要度の高い意思決定とコミュニケーションの経路を優先する。

製品マネージャー製品アーキテクチャの理解か、顧客の理解か、マーケットの理解か、なおd

※一方で優先順位は状況によってたやすく変わることを念頭に置かなければならない。状況が変われば再組織化が必要。

④     それぞれの部門を誰が管理するのかを決める

このステップは最初の3つのステップより先に行ってはならない。

なぜなら組織作りは実際に業務をこなす社員がもっとも効率よく働けるようにすることが目的であって、管理職が働きやすくすることが目的ではない。ここでよく誤りが起きやすい。

⑤     優先しなかったコミュニケーション経路を確認する。

優先しなかった経路がどれかを認識することは、あるコミュニケーション経路を優先するべく選択するのと同じくらい重要だ。優先順位を下げも不要になったわけではない。ここを無視するとやがてトラブルとして跳ね返ってくる。

⑥     あるコミュニケーション経理を優先しなかったことから生じる問題を最小限とするよう手を

打つ。こういった問題は部門間コミュニケーションの問題として浮上することが多い。そうした問題を処理するプロセスを事前に設定しておく。

 

※プロセス化の注意点

会社の規模が異なれば会社の構造における要求も異なる。会社の成長の速さよりもプロセスの設計のスピードが速すぎれば、会社は硬直化して効率が落ちる。逆にプロセス化に着手するのが遅すぎれば、会社は大混乱に陥って次回しかねない。自社の置かれている成長段階を正確に見極めて、社内構造をそれに応じて修正していくことが重要。速すぎてもダメ。

※成長に対応できる幹部社員を拙速に採用することも同様に危険。

 


■職場でヨガができたりするのは企業文化ではない

企業文化とは、会社が実現しようとしている価値を支えるものである。

それらに対して、ヨガができる。は直接関連しない。企業文化ではなく、福利厚生である。

 


■買収の種類と金額(上から買収金額は安い)

人材・テクノロジー目的

製品目的

事業目的

 


■将来を犠牲にして達成した四半期ごとの成果には意味がない。

生死を分かつタイミングは別だが基本的にはこれは重要

 



<解雇や降格の意思決定の重要性と解雇のポイント>

■エグゼクティブも衰える

アスリートほど早くはないが、企業、市場、テクノロジーはフットボールの何千倍も速く変化をする。その結果、今年100人のスタートアップのスターエグゼクティブも翌年は社員が400人、売上が1億ドルを超すと凡庸な幹部に劣化しているといった事態が起きがち。

 


■企業成長と幹部の能力

会社が4倍になり、その規模でその幹部が、効率的に仕事ができなくなったという場合がある。それは会社が何倍にも大きくなると、経営という仕事が全く新しいものになるからだ。

 


■衰えたが忠誠心高く寄り添ってくれたそういったエグゼクティブ社員は入れ替えるべき

CEOは会社全体に目を向ける。全社員の責任を負っている。その時考える最高のエグゼクティブチームを用意しなければならない。

 


■優秀な人材が最悪の社員になるとき

頭のいい人間がわざわざ自分の勤めている会社を破壊しようとする理由

①     無力感

自分が経営陣と接する術がないと感じ不平を言うことだけが、自分の意見を聞いてもらえる方法だと思っている。


②     性格が本質的に反乱者

常に反乱を起こしていないと満足感が得られない。これが根深い性格的特徴となっている可能性がある。往々にして、この種の人物は社員であるよりCEOであるほうが能力を発揮する。


③     未成熟で衝動的

経営者は現場の業務の隅々まで熟知しているわけではなく、それゆえ、欠陥を必ずしもそれとしりながら放置しているわけではないことが理解できない

 


■人を正しく解雇する方法、ポイント

① 決断したことを後悔して立ち止まってはならない。

過去ではなく、残る社員のために経営の未来をしっかり見据えるために

 

② 実行は先送りにすべきではない。

できる限り実行するまでの時間は短いほうが良い。情報が洩れると新たな問題に直面する。

(実行が遅れると必然的に漏れる)社員はMGRにレイオフがあるかないか詰め寄る。MGRは知らなければばかだと思われるし、知っていれば部下にうそをつくか、情報を漏らすか、黙っているほかなく、さらに同様が増していく。

 

③ レイオフの理由を自分の中で明確にしておく

CEOがレイオフをするのは会社の計画を達成できなかったからだ。個人の業績が問題なら簿越の手段をとるはず。失敗したのは会社の業績である。

会社やレイオフされる個人に対するメッセージは「会社が失敗したので、前へ進むために優秀な人たちを手放さなくてはならない」というものであるべきだ。

「私を信じてくれ」CEOが社員に毎日かける言葉だ(スタートアップの場合)

「信じてくれ、我々はいい会社になれる」「信じてほしい、これはみんなにとっていいキャリアになる」「信じてほしいこれはみんなの人生にとっていいことだ」レイオフはこれまでの信頼を打ち崩す。信頼を取り戻すには一部始終を伝えなければならない

 

④ レイオフを言い渡す管理職を訓練する

あなたにやとわれ、必死にあなたのために働いていたら

レイオフはあなたの口から知らされたい。マネージャーに部下を解雇しなければならないと明確に伝えたら今度はその準備をさせる必要がある。

1.何が起きたのか、そしてこれは個人ではなく会社の失敗であると完結に説明する

2.社員には本人がレイオフの該当者であり、交渉の余地がないことを明確に伝える

3.会社が提供する予定の給付金や支援について、全て詳細に説明できるよう準備する

 

⑤全社員に説明する

レイオフを実行する前にCEOは全社員に向けて全体メッセージを伝えて、マネージャーのための上空支援をしなければならない。

またこのメッセージはマネージャのためでもあり、残る社員のためでもある。会社に残る人はCEOが同僚をどう扱うのか深く気にかけている。


 

■幹部解雇について

ステップ1

根本原因分析

・役職の定義がそもそも間違っていた

・長所ではなく短所のなさを理由に採用してしまった

・拡大を急ぎすぎた


よく耳にする悪いアドバイス「いまから3~5年後にどれほど大きい会社になっているか考えろ」※大きい組織をマネジメントできる人と、スピード感のある組織でマネジメントができる人は能力がかなり違う。

・幹部が間違った野心を持っていた

・幹部を会社になじませられなかった

 

去っていく人たちを構成に扱わなければ、残った人たちは二度と君を信用しなかっただろう。

いかに会社存続のためにそうせざるを得なかったとしても、レイオフを繰り返すスタートアップが成功する確率は非常に低い。理由はレイオフが培ってきた企業文化を壊すからである。

 


■ありのままに伝えることの重要性

会社の問題を隠さないほうがいい理由は3つ

1信頼

あらゆる人間のやり取りにおいて、必要なコミュニケーションの量は、信頼のレベルに反比例する

2困難な問題に取り組む頭脳は多いほど良い

3悪いニュースは速く伝わり、いいニュースは遅く伝わる。


健全な企業文化は悪いニュースの共有を促す。問題を隠し立てせずに自由に語れる会社は迅速に問題を解決できる。問題を隠蔽する会社は関係者全員をいらだたせる。CEOは問題があることを知らせた人を罰してはならない。問題を明らかにした人に報酬が与えられる文化を作ることが必要。

 

 


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