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「エール」に、はまる。

春のドラマが始まらない。
コロナの影響で撮影ができないらしい。すでに始まっていた『ギルティ』も途中でストックがなくなったらしく、放送済みの3話を特別編なんてもので再放送している。残念だけど、ちょっとほっとしている。ドラマに時間を取られなくなった分、本やネットに時間をかけられるようになったし、Netfilixを始める口実ができた。

ドラマは、はまると最後まで見逃したくなくなるので、要注意だ。特に、NHKの朝の連続テレビ小説なんて、ほぼ毎日半年続くから、一旦はまってしまうと、それを中心に家時間がまわる。それが嫌で、「今回の朝ドラ面白いよ」と勧められても、なるべく「ふーん、そうなんだ」で終わらせるようにしている。

ところが、ときどき何かに引き寄せられるように、つい、見てしまう時がある。本当に、「あれれっ、見ちゃったよ」って感じ。そして、そういうドラマは必ず、はまる。物語の結末を、見届けたくなるのだ。
これはきっと、物語とのご縁なんだと思う。ご縁って恋愛とか就職とかお引越しとかだけじゃあなく、ドラマや映画、小説との出会いにもあると思う。朝の連続テレビ小説なら、『あさがきた』や『まんぷく』がそうだった。『ひよっこ』や『スカーレット』は、チラ見してもはまらなかったのに、やっぱりご縁なんだと思う。どこかしら、感じるもの得るものがあるんだと思う。

そして今の『エール』。
いつもなら、「ふーん」で済ます誰かの「面白いよ」が、私の脳のどこか隅っこに引っかかってしまったのだ。結局、毎日見ることになった。見始めたのは、主人公の裕一が養子にいくところからだった。

裕一の印象は、

《なんなん、この能天気な男は》

で始まり、「音さんをお嫁にください」でもう堪忍袋の緒が切れそうになった。甘いっ、甘すぎる。まるで、おとぎ話みたいだ。時代設定からしても、恵まれた裕福な家庭のボンボンにしか見えない。

《こんな好き勝手させてもらえるなんて、幸せだよ、裕一。》
《職場の同僚といい、お父さんといい、恩師といい、みんな裕一を応援している。この環境の良さ、早く気がつかないと、罰が当たるよ。》

なんて、思ってた。(もしかしたら、私の見逃した幼少期に、ものすごく苦労しているのかもしれないので、もし、そうならごめん。)

そして、そんな主人公とは正反対の弟。この弟の気持ちが痛いほどわかる。特に、5月4日の回は、「よう言うた! えらい!」と思わず、TVに向かって叫んでしまった。
「せやで、裕一、あんたを支えている家族の存在をないがしろにしたらあかん。応援してくれている職場の人もや」
「だいたい、お母さんを説得するのがお父さんの役目やなんて、なに甘えとんねん。自分でなんとかしー。なんとかっ」

朝っぱらから、TVに向かって説教してしまうほど、はまってしまっている私がいた。

どんなご縁かわからないけど、最後まで見届けようと思っています。




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